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無気力系戦乙女  作者: オリオン
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最初の大騒動

ニールにバルキリーの仕事を見せると意気込んだのは良いのだが。

今回の任務は実質ただの巡回任務、やることは殆ど無い。

魔物ともそう出くわすわけではないし、所詮魔物は魔物だ。

巨人などならばかなり苦戦を強いられるだろうが、魔物程度なら

学園生でも容易に撃破することが出来る。

もしも魔物と遭遇しようとも大した仕事は見せられないだろうな。

どうせ、それ位出来て当たり前という程度の事にしかならない。


「エリス先輩、恐ろしい程に何も起きませんね」

「ここは平和な人間界、そう何度も騒動が起きたら大変だろう」

「そうなんですけど」


魔物退治の他にバルキリーの仕事は盗賊退治程度だ。

基本的にバルキリーは人間界での戦争には手を出さない。

当たり前と言えば当たり前なのだがな。

人間同士の問題は人間同士で解決するべきだ。

だが、盗賊の場合は少々手を出すことはあるが

基本的にこれもあまり手出しはしない、人間の問題でしか無いからな。

しかしだ、その盗賊の影響で被害が甚大になると神々が判断した場合は

手を貸すことがあるが、バルキリーの主な仕事はやはり魔物退治と巨人の監視だ。

たまに戦死者の魂を迎える仕事があるらしいが、それは一部のバルキリーの仕事だ。

私みたいな下っ端のバルキリーはやはり荒事ばかりだな。

まぁ、私としてはその方が良い、のんびりとした生活は私の目標なのだが

確かその一部のバルキリーは戦死者の魂をバルハラへ送り

その戦死者をもてなす仕事と習った。

戦死者の世話をする必要もあるらしい、男嫌いの私には無理な話だ。

それに、死人を歓迎するなど、私は嫌だからな。

それならば必死に生き残ろうとし、命を守った者の方が私は共感できる。

やはり命あっての物種だからな、命が無くてはのんびりと過ごせない。

それにその戦死者は死後も戦わないと行けないと聞いた。

本当、私が目標としている生き方とは正反対だ。


「まぁ、面倒な荒行事が多いよりは何倍もマシだ」

「エリス先輩学園でもあまり目立ったことをしようとしてませんでしたしね」

「下手に目立って、面倒な仕事を押し付けられるのは嫌だからな。

 それに、成績も上がってしまう、マイナスしかない」

「あはは、エリス先輩は絶対に隠れた実力者ですよね、裏ボスって感じです!」

「そのまま気が付かれずに裏のままの方が私は良いな」

「でも、私に剣の稽古を付けてくれているときは凄いですよね」

「お前だけ特別だ」

「えへへ、何だか嬉しいです、私だけがエリス先輩の秘密を知ってるのは」

「漏らすなよ? 仕事が増えるのは勘弁して欲しいからな」

「はい、言いません! 2人だけの秘密です!」


うん、やはりニールと話をすると楽しいな。

基本的に無口な私がここまで話をするのはニールくらいだろう。

私にとって彼女は可愛い後輩であり、大事な友人なのだろうな。


「一気に行くゾ!」


私とニールがゆっくりと話していると、何処からか間の抜けた声と共に

大量の足音が響いて来た。

何だ? 国の軍事訓練か? だが、ここら辺に国などは無い。


「エリス先輩…あれを!」

「む…あ、あれは」


ニールが指を刺した方向には大量のゴブリンやオークなどが集まっていた。

魔物があれほどの群れを組むなんて話は聞いたことが無いぞ!

それに2つ以上の種族が集まるだと? そんな馬鹿な!


「魔物の妙な活発化…前に私が撃破したのは狼型の魔物だった。

 だが、今回は人型のオーク、ゴブリン…何があったんだ?」

「人間の国へ攻撃をしようとしてます! 止めましょう!」

「…しかし、私達が今調査してるこの場所は、人間界の辺境の地

 他のバルキリー達はこの周辺には来ていないはずだ。

 もしあの大群を対処しようとすると、私達だけでの対処になる」

「だったら、見捨てるんですか!? エリス先輩!」

「…私は面倒な事が嫌いだ、だが、ここで逃げるほど私は腐ってはいない

 当然対処するさ、フレイヤ様に指示をされたわけでは無いが

 この場で放置などあり得ないからな」

「だったら!」

「だが、数が多い、私達2人で対処できる数では無いだろう

 そこでニール、お前に先輩として、初めての指示を出す

 近くの国へ行き、この襲撃の事を伝えてこい

 そして、人間達にバルハラの神々へこの襲撃を報告して欲しいと頼め」

「え!? でも、ここから最短の村と言っても、かなりの距離があります

 そ、その間、エリス先輩1人であの大群を相手するのですか!?

 む、無理です! 流石のエリス先輩でも、あの数は! 体力が持つはずが!」

「2人で挑もうとも同じ事だ、いずれ限界が来るだろう。

 だが、救援が来るまでなら持ちこたえることが出来るだろう

 良いから行け、先輩の指示だ、従え、お前はまだまだ素人だ

 ここはプロであるバルキリーの私の判断に従え」

「…は、はい、最速で行きます…だから、エリス先輩、それまで」

「私を侮るな、私の力はお前がよく知ってるだろう」

「…はい!」


ニールはすぐに移動を始め、最速で村へ急ごうとしているのが分かった。

最短の村はあのゴブリンの群れの向こう側だからな。


「おい! あイつを捕まえろ!」

「この! 私の道を阻まないで!」

「ゴブリン共、貴様らの相手は私が努めよう」

「ぐぁ! 仲間がいたノか、構わない、こいつから仕留めろ!」


…かなりの数だな、この数を全て私1人で倒すのは難しいだろう。

そうだな、軽く数えても…500以上はいるな。

オークと合わせれば1000は軽く越えるか。

こいつらは普通に人の言葉を話すから、出来れば戦いたくは無い。

これだけの数となれば、かなり耳障りだからな。


「流石にこの数を手加減しては耐えきれないからな」


私はもう2本の剣を抜いた、片方は母から貰った幼少期からの相棒

反対する母を説得し、それなら死なないように強くなるためにもと

母が私にくれた大事な剣。

もう片方は師匠が私にくれた剣、私がバルハラ女子学園へ入学式する日師匠が大事にしてと自分の剣の片割れを私に渡してくれた。

どちらも私の大事な相棒だ。

この時に盾も納めようとも考えたが

この盾は小盾、鎧に付いてる盾だから問題は無いか。


「相手は1人だ! 数デ押さえちまえば敵じゃねぇ!」

「へへ、後悔させてやルぜ!」

「やはり耳障りだな、ここまで数が多いと何を言っているかを理解するのも一苦労だ

 妙に集中力も必要だからな、だから、聞かないことにしよう、貴様らが何を言おうと

 私は貴様らの言葉を聞かない、理解しようともしない、ただ倒すことだけを考えよう」


本来のバルキリーの武器は盾と剣、攻撃も防御も戦場では重要だからな。

だが、この数相手に防御などを気にしていてはキリがない。

この二刀流はニールにも見せていない私の剣技だ。

防御を捨て、ただ相手を斬ることに特化した剣技。

バルキリーの正式な型では無いからな、ニールには見せたくない。

あいつの事だ、すぐに私の真似をしようとするだろうからな。


「へへ、おしゃべりな女ダ! すぐ二黙らせてやるぜ!」

「私は戦乙女バルキリー、一切の容赦なく貴様らを斬り伏せる」


まずは最初の一撃でゴブリンを片手で5匹、計10匹を斬り伏せる。

雑魚が多いと攻撃も容易に当たるな。


「ナ、何だ!? ただの女じ」


何か喋ろうとしたか? いや、私の勘違いだろう。


「ま、まとめて飛びかかレ!」


ゴブリンとオーク達が私を押さえ込もうと一斉に飛びかかってきた。

私はすぐに左手の剣を逆手に持ち、その場で1回転。

飛びかかってきたゴブリン共はすぐに真っ二つになった。

この回転攻撃の後に、すぐに体制を整え、正面に走り込み

ゴブリン共が反応するより先に剣を振るい、数を減らす。


「矢だ! 矢ヲ使エ!」

「うおおぉお!」


少しゴブリン共が距離を取ったな、なる程、矢による攻撃か。

確かにここまで接近戦で劣勢なら遠距離攻撃を考えてくるか。

ただもう少し距離を開けるべきだったな。


「撃て! 撃テ!」


矢が私に向って放たれた、それ位は分かるし、対処方ももうすでに考えている。

私は落下してきた矢が頂点に到着したとき、光りの力を纏わせた剣撃を飛ばす。

バルキリーの技の1つ、バルキリー等の力の源である

光りの力を剣に纏わせ飛ばす技、私は案外その力の源は多い。

確かこのようなバルキリーが扱う技を総称してホーリーリリースだったかな。

自分の内なる力を肉体の壁を越え、現実に作用させる力このような名前らしい。


「何ダ!? うがぁ!」


撃たれた矢は私の剣撃ではじき飛ばされ、周囲に飛び散った。

飛び散った矢は周囲のゴブリン達の元に降り注ぎ

私が立っている場所には1本も矢が落ちてきていない。


「な、何だ! 何なんダ、この女は! 強いゾ!」


ゴブリン共の動きが大分鈍くなったな、やはり魔物の群れでしか無いか。

それ相応の存在感を見せれば足並みが崩れる。

わざわざ本気を出した甲斐があった、これなら時間が稼げるか。

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