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無気力系戦乙女  作者: オリオン
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危険な違和感

ヘルへイムへの捜索作戦、だが、しばらくはお預けみたいだ。

まだ決定をするには時期尚早らしい。

私は一刻でも早く師匠の捜索へ向いたいのだが

まだゴーサインがないなら流石に動けないか。


「エリス先輩、どうしたんですか? なんだか上の空ですね」

「む? あぁ、そうだな」


早くヘルへイムに向いたい故か、上の空になる事が多い。

だが、許可が下りる前に死んでしまえば意味は無い。

通常の依頼であろうと、油断してしまえば命を落とす。

師匠を探す前に命を落としてしまえば元も子もないじゃないか。


「もしかして、何かあったんですか?」

「…そうだな、実は…あ、いや、何でも無い」


そう言えば、オーディーン様に口止めをされていたな。

危ない危ない、つい口が滑ってしまうところだった。


「き、気になりますね…でも、言わないって言うことは

 言えない理由があるって事ですね」

「あぁ、そうだ、すまないな」

「いえ、気にしてませんので大丈夫です!」


やはりニールは良い子だな、本当に私なんかとは大違いだ。


「まぁ、今は依頼をこなそう、次はあいつだ」

「はい! 私の戦い、見ててくださいね!」


ニールは狼型の魔物に接近した。

狼型の魔物はニールに飛びかかってきたが

ニールはその攻撃を盾で弾き、その腹を貫いた。

非常に手慣れた手つき、最初の方はゴブリンに苦労してたが

今では全ての新人の中で最も優秀な実績を残している。

新人の戦乙女達は剣の腕は確かにあるのだが、実戦経験があまり無い。

その為、対処が遅れたりして先輩の戦乙女に救われてたりするらしい。

スルズも何度か危ない目に遭って、それを護るのに苦労したと

メアリーが愚痴っていた。

ただ、いつもスルズのここは良いんだけどね、とか。

筋は良いんだけどね、とか、色々と褒めている所から考えて

意外と楽しんでいるのは間違いないだろう。


「エリス先輩! 倒しました!」

「あぁ、良くやったな、にー」


喜びながらこっちに走ってきているニールだったが

腹を貫かれた狼がゆっくりと立ち上がり

背後など警戒1つしていないニールに飛びかかった。


「ニール!」

「え?」


私はすぐにニールを庇い、飛びかかってきた狼を斬った。

本来なら助かるはずも無い傷…だが、ニールがこの狼に加えた一撃も

命を絶つには十分だったと思うが。


「…ぐ」

「な…」


私の攻撃を受けてもなお動けるだと? ただの狼じゃ無い。

私の勘が言っている、この狼はすぐに殺すべきだと。


「逃がすか!」

「先輩!? 追いかけるんですか!?

 普段の先輩なら…放置しそうなのに」

「あまりにも奇妙すぎる…不安はすぐに断つべきだ」

「は、はい、確かにあの怪我で動けるのは不自然で」

「っと、よぅさ、エリス」

「ロキ様!?」

「なんで!?」

「ん? なんだ? 仕事中だったか?」

「はい、なので今は」

「そうか、それは悪かったな。

 ちょっと耳に入れておいて欲しいことがあったんだが」

「え?」

「まぁ、簡単に言うか…実はトールが巨人領に突撃してな。

 ちょっと気に触ることがあったみたいで、ま、何処かであったら

 オーディーン様があまり暴れるなよと言ってたと伝えておいてくれ」

「は、はい」

「じゃあ、それだけだ」


ロキ様は私の前から姿を消した…なら、狼の追跡…と、行きたかったが。

残念だがロキ様との会話が長すぎたようだ…狼を見失ってしまった。

本当なら血の跡をたどっての追跡が出来るだろうが、血の跡もない。

……あれだけの手傷を負って、何故?

もしや、傷が癒えたのか? だとすれば、厄介な存在だというのは間違いないだろう。

あんなのが大きくなってたりしたら…倒すのにかなり苦労しそうだな。

出来れば小さい内に倒したかったが…仕方ないか。


「…一応、あの狼の事は神々に伝えておくか」

「ただの狼にそこまで?」

「不安は共有するべきだろう」

「なる程、分かりました」


私は今回の依頼で遭遇した不思議な狼の事をフレイヤ様に報告した。

フレイヤ様は少しだけ驚いた表情を見せた。

それはそうだろう、死なない狼なんて恐ろしいだけだろう。

それから少しして、その狼の捜索と排除が戦乙女達に通達された。

ただの狼相手に戦乙女達全員を動かすと言う事は、やはりただの狼じゃ無かったか。

あの場で仕留めきれなかったことを少し後悔してしまった。


「ただの狼にここまで…」

「やはりあの場で排除するべきだったな」

「仕方ありませんよ、ロキ様に声を掛けられてしまったんですから

 話を無理矢理中断して追いかけるなんて出来ませんよ」

「いやぁ、すまないな、まさかこんな危険な相手を追ってたとは思わなくて」

「いえ、私もまさかここまでになるとは思いませんでした」

「意外と蛇も出て来たりしてね、そしたらぶったたいてやるわ!」

「蛇?」

「ま、トールの因縁の相手だ、結構厄介らしいぜ」

「そうよ! ただの蛇のくせに私から何度も逃げ出すなんて!

 私のプライドが許さないから今度出会ったら確実に!」

「おいおい、興奮するなよ、そのブラとパンツが弾けるぜ?」

「きゃ! エッチ!」

「安心しろ、誰もお前の裸に興味は無い」

「なぁ! 何よ! ナイスボディでしょうが!」

「そうだな、ボディービルダーとかだったら最高だろうな」

「褒め言葉なのか貶し言葉なのか分からない微妙なラインを攻めてきたわね」


しかし、気にしているなら鍛えなければ良いと思うのだが…

まぁ、トール様も何か理由があるんだろうがな。

前は確か死亡になるのがいやだからと言ってたきがする。


「まぁ、良いわ、蛇を見付けたら教えてね、ぶっ潰すわ!」

「毒にやられるなよ?」

「うぇ、そうね、確かに毒あるもんね…」

「まぁ、お前なら大丈夫なんじゃ無いか?」

「大丈夫かも知れないけど、痛いのは嫌よ」

「だったら戦いを挑まなければ良いのに」

「それは駄目よ! 私のプライドが許さないわ!」


…うーん、意外とプライドが高いんだな、意外だ。


「ま、とにかく捜索だな」

「えぇ、蛇が居たら教えてね?」

「分かりました、では捜索を始めてきます」


あの狼…必ず見つけ出さねば。

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