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無気力系戦乙女  作者: オリオン
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直接の依頼

足の怪我も完治し、私達は無事にバルハラに帰還できた。

なんとも奇妙な目でエルフ達に見られたが、一応交流は持てた。

また大きな怪我をしたら治してくれるとも言ってくれた。

出来れば怪我なんてしたくは無いがな。

この危険な役割をこなしたことが理由なのか

私はオーディーン様の元に呼ばれた。


「…お前がエリスだな、戦乙女」

「は、はい…」


オーディーン様、バルハラの神々の頂に立つお方。

本来、私の様な戦乙女が面会できるような方じゃない。

戦乙女に正式に配属される際に姿は見せるが

その時以外に戦乙女が面会することなど出来ないだろう。

このお方は自らを高みへと上げるために

自らの身体を何度も傷付け、ボロボロの身体になっている。

目は片方潰れており、瞳は緑色だ。

服装は緑色の帽子を被り、グレーのシャツの上に

緑色のコートを羽織っている、格好は何となく私に似ているな。

ズボンも同じ様な感じだ…その服装故にオーディーン様は

男と言われてもいるが、実際は女だ。

声も低く、男に近いのは間違いないがな。


「お前の話は聞いている、此度のミョルニル奪還、ご苦労だったな」

「ありがとうございます」


ロキ様の格好もかなりの物ではある。

白い髪の毛で真っ黒な鎧を着ているからな。

口調も男勝りで、声も低く男の様に言われるが

この方も女子…なんとも不思議な物だな。


「負傷の話はトールから聞いたが、今は動くようだな」

「は、はい」

「…そうか、では、本題に入るとしよう。

 今回、君をここに呼んだ理由だ。

 本来ならただの戦乙女である君が主神である私に会うことは出来ないだろう。

 だが、君はこうやって私と同じ食事の席に座っている、何故だか分かるか?」

「え、えっと…みょ、ミョルニル奪還時の苦労を」

「それもあるが、君には主神として話があるからだ」

「え? わ、私の様なしがない戦乙女に…」

「謙遜をするな、その行為は人間の面倒な部分の1つだな」

「は、はぁ…」


オーディーン様直々に話があるなんて…うぅ、何故だろう。

私は平穏な生活を望んでいたはずなのに、ドンドン遠のいていく。

あの日からだな…うぅ、なんと言うことだ。


「まぁ、話は食事をしながらでも出来るからな、さぁ、食え」

「は、はい」


私はオーディーン様に勧められるままに前に出された食事に手を伸ばした。

しかし…やはりあまり美味しそうには思えない。

ニールの料理よりも盛り付けは綺麗だし、良い香りだというのに

何故か一切美味しそうには思えない…やはり食事というのは

自分が一緒に食事を取りたい相手としたい物だな。

はぁ、本来ならオーディーン様と食事なんて言うのは

名誉極まりないことなんだろうが…私には苦行でしかない。


「こうやって私と食事を共にした戦乙女は君で2人目だ」

「2人目?」

「あぁ、もう1人はリリアス、彼女の実力は素晴らしい物があった」


師匠も…オーディーン様と食事をしていたのか。

いや、当たり前と言えば当たり前かも知れないな。

師匠の実力は私よりも圧倒的に上だ。

師匠よりも格下である私がオーディーン様と食事を共に出来るんだ。

私よりも実力が上である師匠がオーディーン様と食事をしたのは当然か。


「さて、そのリリアスだが、彼女はヘルへイムへ向って消息を絶った」

「……」


師匠は私にヘルへイムに行くと告げ、姿を消した。


「君と彼女を失ったのはあまりにも大きいが、恐らく彼女は生きている」

「な!」


師匠が生きている…師匠が…あぁ、そうだ、考えてみれば当たり前だ!

あの師匠が…あの師匠が死ぬわけが無い!

きっと生きてるはずだ…いや、絶対に師匠は無事なはずだ!


「初めて反応したな、君とリリアスの関係は聞いている。

 なんでも、君に剣を教えたのはリリアスらしいな」

「はい」

「…では、君へのお願いを告げるとしよう。

 今からしばらく経った後、君にはヘルへイムへ向い

 君の師匠であるリリアスの捜索をお願いしたい」

「師匠の…」


師匠の捜索の依頼、それは私からして見れば願ってもない依頼だ。

例え報酬がなかったとしても、師匠の捜索ならば受ける!


「あぁ、君も師匠であるリリアスの消息が気になっていただろう?」

「はい…師匠の事は今でもずっと」


今まで師匠の事を忘れたことはなかった。

ニールに剣を教えるときも、いつも師匠ならどうするかを考えながら教えていた。

師匠は私にとって、母の次に大事な存在だ。

その師匠のことを一瞬でも忘れられるわけがない。


「だから、君には師匠の捜索をお願いしたいんだ。

 彼女が無事なら、かなり大きな戦力になる。

 今、私達は1人でも多くの戦力が必要なんだ。

 彼女という存在は大きい」

「分かりました、師匠の捜索を必ず!」

「…君はあまり危険な場所へ向うのは拒んでいたと聞くが?

 ヘルへイムは死後の世界、その危険度は巨人領の比じゃないぞ?」

「…師匠を探すためなら、例え危険な場所だろうと向いますよ」


きっと完全に無気力だったときでも同じ様に応えていただろう。

どんな時でも師匠を見つけ出すためなら、どれだけ危険だろうと必ず!

師匠を…見付けるためなら! この命を危険に晒そうとも、絶対に!


「そうか…だが、これはまだ決定したことじゃない。

 まだ正式に決まったわけではないが、君の耳には入れておきたかったんだ」

「ありがとうございます」


師匠が生きてるかも知れない…危険な場所に行くことになろうとも

私は絶対に師匠を見つけ出してみせる!

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