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無気力系戦乙女  作者: オリオン
27/57

盗まれたミョルニル

ミョルニルが盗まれた、それはバルハラ所か

下手すればアースガルズ全てが揺らぐほどの自体だ。

トール様はバルハラの神々の中では最強の実力者だ。

その圧倒的な怪力から放たれる一撃は強烈だ。

更にその怪力でしか持てないと言う、最強の神器ミョルニル。

その圧倒的な重量と圧倒的な破壊力。

その恐ろしい武器にトール様の怪力を乗せた一撃は

いかなる巨人だろうと耐えられないと言われている程だ。

実際、トール様と相対した巨人は例外なく一撃で屠られている。

そのトール様の最大の武器であるミョルニルが盗まれるとは。

正直、あの武器がなくてもトール様なら問題無いだろうが。

いや待て、もしかしたらトール様の怪力に耐えられる装備が

ミョルニルだけなのかも知れないな。


「実は今日、スルズちゃんに私のさいっこうの武器を見せようと思って

 ミョルニルを探したのよ? でも、何処を探してもなくて!」

「し、しかしトール様、冷静になってください。

 ミョルニルの重量は圧倒的、トール様くらいしか持てません。

 そんなミョルにルを誰が盗めると言うんですか?

 もしかしたら、何処かに忘れているだけかも知れません」

「た、確かにそうね! ちょっと色々と探してくる! 待ってて!」


トール様はかなり焦っている様で、私の部屋の壁を吹き飛ばし

稲妻のように一瞬で目の前から消えた、流石雷神だ。


「はぁ…本当に雷みたいな人ね」

「そうだな」

「所でエリス、なんか腕にかなり跡があるけど。

 と言うか、服が破れるって、相当な力で捕まれてたんじゃ」

「あぁ…あと少しで腕が折れるところだった」

「えっと、腕大丈夫? ヒビとか」

「あぁ、ヒビは入ってるぞ、ぴきっと音がした」

「なんで表情1つ変えてないわけ!?」

「ん? 骨は折れる物だろう? 折れてないだけましじゃないか」

「あなたの訓練が恐ろしい程苛烈だったって事がよく分かるわ」

「…違うのか? まぁ良いか、ひとまず回復せねば」


うむ、やはりホーリーリリースは汎用性が高いな。

回復が出来るのは本当にありがたい。

骨が折れていたら大変だったが、ヒビが入っただけで助かった。

それから3日、あと2日でニールがバルハラに帰ってくる。

だが、その前に大騒動が始まった…ミョルニルの事だ。

どうやら、ミョルニルは本当に盗まれているようだった。

犯人はスリュムという巨人…交換条件は花嫁だった。

バルハラで最も美しき神、フレイヤ様を花嫁としろと。

だが、フレイヤ様は当然その話は蹴った。

フレイヤ様はどうやら淫乱などと言うイメージがあるそうだ。

だから、スリュムはそんなフレイヤ様を物にしたいようだ。

だが、フレイヤ様は誰とも身体の関係は持ってないそうだ。


「なんで私が淫乱とか言われてんのよ! ふざけてんの!?」

「ま、まぁ落ち着いてフレイヤちゃん、噂なんてそんな物よ。

 ちょっと美人過ぎるから、何処かの女の子がそんな噂を流してたとか

 多分、そんな理由よ、あまりあなたは外に出ないし」

「そもそも! トール様! 何故ミョルニル盗まれてるんですか!?

 私! 絶対にいやですからね! あなたの為に巨人の嫁になるなんて!」

「で、でも、このままだと!」

「ミョルニルを取り返したいというなら! あなたが花嫁になってくださいよ!

 あなたの失敗で私に飛び火なんていやです!」

「えぇ!? でも、ミョルニルがないと!

 それにほら! 私はあまり可愛くないし!

 私、殆ど筋肉よ? 腹筋バキバキよ? 絶対に駄目だしバレるって!」

「なら腹筋を隠せば良いじゃ無いですか! いつもブラジャーとパンツだけで!

 絶対にあなたの方が淫乱とか言われるべきでしょうが!」

「いやだって、私が着れる服なんてそうそう無いし…

 着れた服も少し力を入れたら破れるし! 仕方ないでしょ!?」

「なら特別仕様の服を用意すれば良いんですよ!」

「あ、後、腹筋を隠せても私の上腕二頭筋とかの筋肉はどうするの!?

 モロ見えよ!?」


……なにやら揉めているようだな。


「…まぁ、そこら辺は僕が何とかしようか」

「ロキ?」

「なんか手があんの!?」

「まぁ、実際お前がフレイヤに化けて行けば良いだろうけども」

「いやいや! さっきの話聞いてた!? 私はゴリゴリなのよ!?」

「ま、まぁ、確かにお前はゴリゴリだけど…袖とかで隠せそうだし。

 後、仮にミョルニルが取引で交換となっても、お前以外持てないだろうし」

「た、確かにそれは…でも、私に花嫁衣装とか絶対に似合わないけど」


トール様の花嫁衣装か……なんだろう、こう言っては失礼だが確かに似合わない。


「だけど、さっきも言ったけどちょっとゴリゴリ過ぎる。

 だからここは…変装してもあまり違和感の無い奴を送るべきだ」

「誰を連れてくの?」

「まぁ、お前以外なら大体問題無さそうだけど、1つ問題なのが

 その潜入はあまりにも危険だと言う事だ。

 実際、最強の神であるお前が戦力にならない。

 ミョルニルの関係でお前はその変装した誰かの侍女として

 その場に居ないと厳しいだろう。

 ついでに僕も同じ様に変装するが、カバー出来ない可能性もある。

 その場合、その変装した誰かを護ることは出来ないからな。

 流石にミョルニルがない状態で巨人達を倒すのはお前でも一苦労だろう?」

「そ、それはそうだけど…でも、そんな危険な役目を誰に?」

「……戦乙女エリスだ」


……む? 何故このタイミングで私の名が出てくるのだろうか。


「ちょっとエリス、なんかヤバそうよ…」

「何故私の名が出てくるのか不思議だな」

「あの娘の美貌は相当だ、スリュムはフレイヤの顔を知らないだろう?

 フレイヤはあまり外に出て顔を見せるタイプじゃないからな。

 だから、それ相応の美貌があればスリュムは騙せるだろう。

 で、彼女は巨人領から巨人に発見されながらも無傷で帰還した実績もある。

 戦闘も行なったと聞いてるし、実力は申し分ないだろう」

「でも…そんな危険な役目をエリスにさせるのは…」

「他に手はないでしょ? ま、あなたが嫁になれば万事解決すること。

 その手がいやならフレイヤ、あなたが巨人の嫁になれば良い」

「そ、それは…」

「それに、所詮は戦乙女、捨て駒だ」

「そんな事は無いわ!」

「そうよ! そんな事!」

「やれやれ、本当お前達2人は甘いなぁ、オーディーン様ならハッキリ言うのに」


……捨て駒か、ま、捨て駒にならないためには強くなるしかないんだろう。


「戦乙女が死んでも、ミョルニルが戻れば巨人に対抗は出来る。

 でも、ミョルニルがなければ巨人に対抗するのはキツいだろう?」

「それはそうだけど…」

「ま、これしか方法は無いんだ、諦めなよ、さっきも言ったけど。

 それがいやならフレイヤを巨人の読めにすれば良い」

「……せめて、あの子に決めて貰いましょう」

「そうか、だったらそこにいる」

「え?」


ロキ様は私の存在に気付いていたのか。

…トール様は興奮していたから気付かなかった。

フレイヤ様も同じだろう。

…つまりロキ様は冷静なままでああ言ってた。

そして、私がここにいると知っているのにあんな事を言ったのか。


「…なんでそこに」

「えっと、盗み聞きをするつもりは無かったんですけど…

 丁度、報告に行こうかと思ったら…」

「……そ、そう」

「事情は分かってるんだろう? どうする?」

「……」


本来ならそんな役目は願い下げだ。

私は安全な場所でただのんびりと過したいだけ。

だから、危険な役目なんて出来れば避けて通りたい。


「……あなたに任せるわ」


でも、私がこれをしなければ、フレイヤ様は望まぬ結婚をする事になる。


「え、エリスちゃん…」


何を考えているんだろう、私は…一言、いやだと答えれば良いだけなのに。


「…わ、私が」

「め、メアリー?」

「その役目…私がやるのは…」

「え?」

「さっきの話し、君も聞えてたんだろう?

 この役目は命の危険がある、正体がバレれば死ぬ」

「…だ、大丈夫ですよ」

「メアリー…」


メアリーは明らかに冷や汗をかいていた。

危険な役目だ、失敗すればほぼ助からない。

巨人とただの戦乙女が戦って勝てる見込みは限り無く薄い。

最大の盾であり矛であるトール様は戦えない。


「か、勘違いしないでね、別にあなたの為にするわけじゃ無いわ!

 私はただ名誉が欲しいのよ。

 私はあなたと違って貪欲なの…偉くなって家族に得意げに自慢するのよ」


……そうか、メアリーには家族が居るんだよな。

まだ父も母も存命なんだろう…きっと今も娘の幸せを祈っているんだろう。


「……メアリー、お前は止めておけ」

「な! なな、何よ! わ、私の手柄をよ、横取りしようっての!?」

「震えた声で言っても説得力は無いぞ…お前には大事な家族が居るんだろう?」

「…そ、それは」

「…ロキ様、私、その役目をやります」

「エリス! でも、でもあなたは!」

「忘れてたよ、私が長生きしようと思ったのは母に呆れられないためだった。

 ここでお前を見捨てては、長生きしても母に呆れられてしまうじゃないか」

「エリス…」

「…ふ、勘違いするなよ、別にお前の為にやるんじゃ無いぞ。

 私は母に呆れられないためにするんだ」

「…そんな棒読み、説得力も何も無いわよ」

「…話しは纏まったようだな、はは~、面白い。

 一応聞いただろうけど、相当危険な事だ。

 ま、一応僕とトールが可能な限り護るが、バレればほぼ不可能、OK?」

「はい、大丈夫です。死ぬつもりはありませんがね」

「面白いな~、実に面白い。

 戦乙女である事が勿体ないくらいに」


…自分で危険な事をしようだなんて…全く、変わってしまったな。

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