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無気力系戦乙女  作者: オリオン
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寂しい食事

ニールが実家に戻ると良い、しばらくの間、この部屋を開ける。

何だかあいつがいないだけで、この部屋はかなり寂しく感じる。

前までは携帯食で満足していたのに、今では満足が出来なくなっていた。

だから、ニールも居ないのに自分の料理を用意する。

…だが、やっぱりあいつと一緒に食べているときの方が美味しい。


「…いただきます」


ニールが居ないとこの席もかなり広く感じるな。

だが、なんというか虚無感が広がっていく。

席に穴が開けば開くほど、虚無感は増えて行くという感じか。

しかし、何だかいつもの癖で多く作ってしまったな。

このままだと今日中に全部食べられないかも知れない。


「…はぁ」

「エリス」

「ん?」


食事をしていると、扉の向こうから聞き慣れた声が聞えた。

私は食事を中断し、その声の主を迎え入れることにした。

わざわざ姿を確認するまでもない。


「メアリー、今日はどうしたんだ?」

「いやぁ、ニールちゃんが下界に行ったんでしょ?」

「あぁ、家族に会いにな」

「だから、たかりに来たわ!」

「は?」

「朝ご飯作るの面倒くさくてね、だからあんたにごちそうして貰おうと」

「…自分で作れ」

「待って! 扉を閉めようとしないで! あれよ、言い方が悪かったわ!

 えっとね、あなたの料理を食べてみたいから来たのよ!

 たかりに来たってのは冗談! 冗談よ! 恥ずかしいからそう言っただけ!」

「……まぁ良いか、いつもの癖で若干多く作ってしまったからな」

「ありがとー!」


私はメアリーを部屋に招き入れ、普段ニールが使っている食器に料理を盛った。


「わぁ! 何これ凄く美味しそうなんだけど!」

「これでも一応、母の為に毎日料理を作っていたからな」

「へぇ! しかし、肉が少ないわね」

「病床についている母に肉は駄目だろう」

「まぁね、にしても、毎日これ作ってるの?」

「毎日じゃないぞ、ニールと当番制で料理を作っている。

 お前の方もそうなんじゃ無いか?」

「いやぁ、私の方は…私が作ってるわ」

「何故だ?」

「……あの子、料理超下手なのよ」

「…な、なる程…所でスルズは?」

「それを今更質問するのね、普通は最初でしょうに。

 まぁあれよ、ニールが家に帰ってるように

 あの子も里帰りよ、まぁ、トール様の家なんだけど。

 折角貰った給料はお母さんの為に使いたい、ですって」

「…そうか、親孝行なんだな」

「えぇ、本当にね」

「ニールは少し両親と仲が悪いのか、最初は私の為に使おうとしたからな」

「そうなの? 何か意外ね、でも、里帰りしたって事は」

「私が説得したんだ、後悔はして欲しくないからな…

 まぁ、後悔は結局するだろうが」

「なんか、あなたが言うと説得力あるわね、でもまぁ、この話はここまでよ!

 折角の食事、楽しく食べないと美味しくないわ!」

「…そうだな、食事は美味しく取ろう」


私とメアリーは一緒に食事をした…なんだろうな。

1人で食べているときはあまり美味しいとは感じなかったが。

メアリーと一緒に食べていると、少し美味しく感じる。


「美味いわね! 丁度塩味が良い感じ! でも、全体的に薄味なのね。

 だけど、その薄味を感じさせない様に優しい味わいでカバーしてる!」

「私はあまり濃い味は好きじゃないからな」


正確には濃い味で料理を作ろうとしなかっただけだがな。


「はぁ~、絶対にあなたって良いお嫁さんになるわ!

 もうあれよ! 私の嫁になりなさい!」

「何を馬鹿な事を言ってるんだ、お互い女だぞ?」

「そうだけどね~、ちょっと悔しいわ」

「…ふ、それにだ、メアリー」

「ん?」

「どっちかというと私が夫でお前が嫁だ」

「あはは! まぁ、確かにそうね! 性格とか口調とか!」


初めて冗談と言う物を言ったが、悪くないかも知れないな。


「じゃあ、あなた、とか言っちゃう?」

「言わないで良いぞ、まだ結婚もしてないしな」

「ふふ、確かにそうね」


…ふ、良い物だな、会話というのも。


「にしても、あんたニールが来てからドンドン明るくなって行ってるわね」

「あぁ、あいつと一緒に過してる間に、色々と楽しくなってきてな。

 今まで家具なんて集めようとしなかったが、あいつが来てから

 色々と便利な物を漁ろうかと思い始めてな。

 この料理もそうだ、今まで付くろうとすら思わなかったからな」

「それがここまで手の込んだ物を作るなんて、後輩効果って凄いわね

 私もなのよね、スルズと一緒に生活する前なんか

 料理とか作っても適当だったけど、今じゃちゃんと考えて作るのよね。

 健康とか味付けとか、適当にやってたのが嘘みたいよ」

「やはり料理を食べてくれる相手が居る、と言うだけで変わるな」

「えぇ」


本当、ニールには色々と助けて貰っている。

あいつが居てくれるだけで、生きてる気力が湧いてくる。

あいつの為なら…頑張って見ようかなとも思えるしな。


「うわぁあああん!」

「は!?」


大きな声が聞えたと思うと、私の部屋の扉が吹き飛んだ。

……な、なんだ? え? なんでトール様が?


「ちょっとエリスちゃん! 聞いてよ!」

「え!? な、トール様!? どうしたんです!?」

「と、扉が…壁貫通して吹っ飛ぶって…あの扉凄いわね」

「実はね! 実は!」

「トール様! 痛いです! 

 ご自身が怪力だと言う事を忘れないでください!」

「実はミョルニルが盗まれたのよぉおお!!」

「……へ?」

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