全員招集
メアリーと戦闘してしばらくの間休みを満喫した。
そして、私達にバルハラへの召集が掛かる。
「戦乙女全員を招集とはな」
各地へ点在していた戦乙女全員を招集してまで行なう事か。
何をするんだろうか、私は何故呼ばれたのか理解してないしな。
「皆、良く来てくれたわね」
戦乙女達の前にフレイヤ様が姿を見せた。
フレイヤ様は確か戦乙女達の統率をしているんだったな。
それならばこの召集に姿を見せるのは当然か。
そう言えば、オーディーン様まで姿を見せているな。
神々まで姿を見せるほどとは…何だ? 何があるんだ?
「今回、あなた達に集まって貰った理由は分かるわね?」
分からない、私にはさっぱり分からないが。
他の皆は分かっているようだった…な、何だ? 何なんだ?
「今回、あなた達に集まって貰った理由は新しい戦乙女の歓迎の儀式をする為よ」
あ、新しい戦乙女!? そ、そうなのか!? もうそんな時期!?
もしや、巨人領の監視をしている間にそんなにも時間が!
「今回参加する戦乙女達は例年通り10人よ」
ふむ、やはり10人か…しかし、少し不安だな。
ニールは大丈夫だったんだろうか。
あいつなら大丈夫だと思うが、調子を崩していたからな。
あの後から無事立て直していれば…しかし、不安だ。
「今回も首席で卒業した戦乙女が挨拶よ。
と言う訳で、第21期バルハラ学園首席、ニール!」
「はい!」
おぉ! ニールが首席か! 流石だ!
これで一緒に訓練をする事が出来る!
なにやらやる気も回復してきたぞ!
それから、挨拶も終り、儀式だって終わった。
そして、最初の研修期間に配属される相手を選ぶ。
誰の下でしばらくの間過ごすかは卒業した戦乙女が選ぶ。
選ぶ順番は首席からだ。
好成績で卒業すれば憧れている戦乙女の元で働けると言う事だ。
そうすれば卒業をする際に首席を狙う価値がある。
それだけ必死に実力を上げようと努力もするだろう。
確かに悪くない算段ではあるな。
それなら特別用意をする必要も無いだろうし。
まぁ、私はそんな相手など居なかったから10位で卒業だったが。
「それで、ニール、誰の元で働く? と言っても一択でしょうけど」
「はい! 私はエリス先輩の元で働きたいです!」
「やっぱりね、当然だと思ったわ、エリス」
「はい」
「先輩!」
「…ニール、立派になったな」
「はい! 先輩のお陰です!」
「ふふ」
私が持つ最初の部下はニールだ。
うん、本当に嬉しい。
「新人も入るとはな、ニールだったか、私の事を覚えているか?」
「あ、はい!」
私はニールと一緒にアルヴァト様の元に戻った。
「しかし、結構な物好きだな、まさか私の部下であるエリスの元に来るとは。
分かっているだろうが、ここは命の危険性だって当たり前にある場所だ。
他の場所よりも、断然な」
「分かってます! それでも私は先輩の元で働きたいんです!」
「ほぅ、かなり好かれているようだな、エリス」
「先輩冥利に尽きるという物です」
ニールに好かれているというのは本当に嬉しいな。
「ただいま戻りました」
「あぁ、メアリーも…む? そっちは」
「はい、今回の召集で私を選んだ娘です、自己紹介を」
「はい! えっと、バルハラ学園10位で卒業したスルズです!」
金色の長い髪の毛に黄色の瞳。
鎧も金色…ふむ、黄色が好きなのか。
しかし、かなり背が低いような気がするな。
ニールと同じか…ニールも背は低い方だしな。
「スルズちゃんも来たんだね」
「えぇ! あ! 決してあなたと一緒に働きたいからとかじゃないわよ!
メアリー先輩の下で働きたいと思ったら、何か偶然あなたが居ただけで!」
「これ、私はただの踏み台だったのかしら」
「違います! わ、私は本当にメアリー先輩に憧れてて!」
「スルズ? 確かその名はトール様の娘様では」
「あ、はい、私のお母様はトールです」
「トール様に娘様が居たのか!? と言うか、ご結婚されていたのかトール様!」
「いえ、義理の娘です、お母さんはそう言うのに興味無いでしょうし」
「では、半分が神という訳では無いのか?」
「は、はい…私は人間で…死にかけてた所をお母さんに拾われて」
「ほぅ、人の身で戦乙女になるとは、凄いでは無いか」
「そうだな」
「うん」
「大変だからね、人間から戦乙女になるには」
「……そう言えば、エリスもメアリーも元は人間だったな」
私の場合は師匠に教えて貰ったから何とかなった訳だけどな。
だが、ニールやメアリーは独学で戦乙女になったんだ。
かなりの才能が無いと戦乙女にはなれなかっただろうな。
「意外と人間の才覚というのは飛び抜けているのかも知れないな。
今回のトップの10名の内、2人は人間らしいからな」
「はい、私も元々は人間です!」
「…10人の内2人しか居ない人の戦乙女が2人ともここに来るとはな。
と言う事は、スルズは同じ人間だっただニールが気に入ったと?」
「え、えっと…その…親近感があったのは確かですけど」
「ニール、彼女と仲良くしてたのか?」
「はい、一緒に剣の稽古をしていました。
一時期私が少しふさぎ込んでたときも一緒に」
「あぁ、あの時か」
「……あの、エリス先輩」
「何だ?」
「エリス先輩はニールと仲がよろしいんですよね?」
「そうだな、確かに仲は良いだろう。
私が剣の稽古をした唯一の相手だからな」
「…そ、そうですか」
む? 何だろうか、少しだけ不機嫌そうだな。
「うーむ、私、何かしたか?」
「多分嫉妬してるんだと思うわよ、ニールと仲が良いあなたに」
「そ、そんな事!」
「まぁ、これから長くなるんだし、喧嘩はしないようにね」
「いや!」
うーむ、しかし…これからは大変な事になりそうだな。




