表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無気力系戦乙女  作者: オリオン
15/57

ゴブリンの長

「ゆくぞ! ふん!」


最初の一撃、ただの縦振り攻撃か。


「やはり動きが遅いな」


だが、重い大剣を振るっているのだ、動きは遅く、回避は容易だった。

私はすぐに回避し、一気に間合いを詰める。


「何!?」

「所詮、この程度か?」


すぐに首を落とせる間合いまで詰めた、これで終りだったら

かなり興醒めだな、ゴブリンの長。


「何を!」

「っと」


だが、ギリギリの所で私の剣を防いできた。

あの金属の腕輪、中々に厄介だな。


「そこだ!」


今度は横振りか、その攻撃は少しだけ動いて回避が出来ない。

だが、回避は容易だ。


「やはり振りが遅いな」


私はその場で飛び上がり、大剣を全力で踏み付けた。


「く!」


ゴブリンの長は私が大剣を踏み付けたことで体勢を崩し

剣に引っ張られ、前屈みに倒れ込んだ。


「その首、貰ったぞ」

「クソ! こんな女に!」

「うおぉオ!」


私がゴブリンの長の首を落とそうとすると、他のゴブリンが飛びかかる。

このまま強行すると例えゴブリンの長を落とせたとしても

私が怪我をしてしまう、最悪命を落とす。

優先順位は、私の命だ、死ぬわけにはいかない。


「面倒な」


仕方がなく、私は長を斬るのを諦め、雑魚の排除に回った。

動揺していたのか飛びかかってきたゴブリンはあっさりと排除できた。

最初の方は少々厄介だったが、やはり知能が足を引っ張るか。


「ぬぅ!」

「く」


飛びかかってきた残党を排除した後、長が体勢を元に戻し、大剣を持ち上げた。

流石にこのまま乗っている訳にもいかなくなり、私は飛び出した。


「命拾いしたな、仲間に感謝しろ、だが」


私は飛び出し、背後の木を蹴り、一気にゴブリンの長へ飛びかかった。

私にもニール達の命が掛かっているんだ、攻撃の手は緩めない。


「うぐ!」


ち、大剣を盾にして私の攻撃を逸らしたか。

やってくれるじゃ無いか、ゴブリンの長。

だが、私は攻撃の手を緩めるつもりは無い。


「まだまだ!」

「このぉ!」


今度は金属の腕輪か、防御手段がそれなりにあって、中々に面倒だな。

しかし、防御がいつまでも続くとは思えない。

私は攻撃を防がれてすぐに次の攻撃を仕掛ける。


「ぐぅうぅ! だぁ!」

「焦って勝負を急いだか?」


攻撃を防ぎながら、私へ反撃を狙っての縦振り。

だが、比較的身軽な装備である私に、その重い一撃は届かない。

機動性重視の装備に対し、遅く重い一撃は届きにくい物だ。


「残念だったな、急ぎすぎたな」


確かに当れば一撃だろう、あんな一撃を直撃しては生き残る可能性は無い。

横でも縦でも当れば真っ二つ、即死だろうな。

防御があまり無い装備だ、当ることがあれば即死。

あくまで当てる事があればの話だ。


「な!」

「速さには技を、力には速さを、お前と私の相性は絶望的だ」


ゴブリンの長の首を刎ねた。

少しは粘ったが、やはりこの程度か。

相性の問題もあっただろうが、やはりまだまだ力不足だったようだな。

この程度ならニールでもメアリーでも勝つことは出来る。

バルキリーは個々の力がかなり高いからな。


「そ、そんナ馬鹿ナ!」

「最強のボスが!」

「これで分かっただろう? 大人しく退け」


私は剣に付いた血を剣を振り、払った。

さて、ゴブリンには私の姿はどう映っているかな?

まるで死神か、狂気を孕んだ化け物か。

どっちに見られても構わない、それでさっさと退いてくれるならな。


「あ、アぁ…」

「大人しく下がれば深追いはしないぞ? 戦うというなら…分かっているな?」

「ぐ、ぐぐぅ…グ、ぐぅ!」

「どうした? 早く選べ、生き残るか死ぬか、二者択一だ、選べ

 賢明な判断を祈ろう。貴様らを殺すよりも私は眠っていた方が良いからな」

「う、うぅ! ぼ、ボス、ボスの…ボスの、か、仇ヲ!」


飛びかかってきたゴブリンの胴を裂く。


「その選択は誤りだ」

「あ…ガ…」


まるで自分が悪役になった気分だ。

だが、私とて大人しく殺されてやるほど優しい訳でも無い。

私へ危害を加えてこようとする奴に容赦はしない。


「に、逃げロ! か、勝てるわけが無イ! 逃げロぉ!」

「それが賢明な判断だ」


ゴブリン達が一斉に逃げだした。

本陣のゴブリン達が逃げだしたことにより、前線で戦闘をしていた

ゴブリン達も一斉に逃げ出した様だった。

私達はゴブリン達を追うこと無く、ゆっくりと森から出て来た。

森から出てみると、そこにはだだっ広い草原が広がり

その奥に、何人ものエンヘリャル達と笑っているアルヴィトが見えた。


「やるじゃないあんた達、3人だけでやり遂げるとはね」

「殆どエリスですけどね」

「先輩、怒ると怖いんですね」

「そうでも無いぞ」

「やっぱり面白いわね、エリス・ビスキック」

「買い被りすぎです」


このゴブリンとの戦闘で活躍してしまったせいで

私とメアリーは何故かアルヴィト様の部隊に所属することになってしまった。

何でこんな事に…アルヴィト様の部隊は巨人の領域へ侵入することもあると言う。

更には神々にも何故か一目置かれてしまい

私が目的としていた安全な場所で長生きをすると言う目標は脆く崩れ

危険地帯へ赴き、早死にしてしまう立場になってしまった。

あぁ、何という事だ…おのれ、ゴブリン共め!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ