全力の突撃攻撃
ゴブリン達の士気は大分ズタズタになって来ている。
どうやら、私の先制攻撃が相当応えた様だ。
最初の一撃で同族が一気に消し飛んだわけだからな。
まぁ、あれはやりすぎた気がするな。
「一気に弱体化したな」
正直、あの程度の攻撃で怯んで貰ってもな。
私の最初の一撃は殆ど溜める必要も無い簡単な攻撃だ。
だから、威力も私のホーリーリリースの中では弱い部類。
アースブレイクと比べれば、範囲もかなり狭いからな。
だが、あっちは範囲が広すぎて、最大火力だと仲間を巻き込みそうだ。
まぁ、避けて放つ事は出来るが、それは目が届く範囲だけでのこと。
範囲の端っこに居る奴を避けて放つ事は出来ないからな。
「あなたの一撃が強烈すぎたのよ」
「あんな物、見かけ倒しだ」
「その見かけ倒しで殆どを吹っ飛ばした癖にね」
ふむ、やはりやり過ぎていたのか、我を忘れていたからな。
全く、目立たないことを優先していたというのに、まさかなぁ。
「こノ!」
「戦意を失ったのなら、去れ」
飛びかかってきたゴブリンの甘すぎる攻撃を少しだけ動いて回避し
そのゴブリンの首を掴み、地面に叩き付けた。
そして、すぐに接近し、蹴り飛ばす。
蹴り飛ばしたゴブリンは正面の仲間に当たり、一緒に吹き飛んだ。
やはり軽い魔物だと簡単に吹き飛ぶし、簡単に巻き込むことが出来るな。
「面倒だ、戦意が無ければ去れば良い物を」
「と言うかさ、私達の目的って大将じゃ無かったっけ?」
「そうだったな、そいつを仕留めれば終わるか」
「容易に排除できそうですよね、エリス先輩なら」
「買い被りすぎだ」
流石にこの数を全て排除し、大将を排除することは…
出来ると言えば出来るが、力を溜めるのに時間が掛かるし難しいだろう。
「しかし、ゴブリン共って地味に知識があって可哀想よね
もしも知識の無い生き物なら、恐怖も覚えず攻め続ける事が出来たのに」
「知識があるから士気も落ち、ただでさえ無い実力が更に無くなった。
本当に哀れな物だ」
知識があるなら、将を落とせば全てが終わるな。
「一気に仕掛けるとするか」
もう私の力はバレてしまったからな、勝負をすぐに終わらせよう。
「ブレイブストライク!」
さっきと同じ様に正面のゴブリンを蹴散らす。
私の一撃の後には大きな道が出来あがり、私達はその道を進む。
そのまま進んでいくと、明らかに身なりが違うゴブリンがいた。
「見付けた!」
「…バルキリー」
「へぇ、あなたは普通に喋ることが出来るのね」
「くく、自ら死地に赴くとは、それも僅か3人で」
「劣勢なのは貴様らの方だろう、お前を仕留めれば、全部終わる
私の休日を返して貰おう」
「エリス先輩、ここでそれ言います? そんなに休暇って大事ですか?」
「無論だ、休暇は命の洗濯だぞ、大事な1日に決まっている」
「ふん、訳の分からない女だ、これから死ぬというのに随分とのんきだな」
あのゴブリンが手を挙げると、私達の周りをゴブリンが包囲した。
「この場のゴブリンは精鋭、包囲されてはどうしようもあるまい」
「…エリス、こいつらは私達が何とかするから、あんたはあいつを」
「私に全て任せても良いんだぞ?」
「大丈夫です、私達も戦えますから」
「そうよ、速攻が1番出来るのはあなたでしょう?
原因はあなたなんだから、問題解決もあなたがしなさい」
「…分かった」
「かかれ!」
あのゴブリンの号令と同時に、周りのゴブリン達が飛びかかってきた。
行動は他のゴブリンと大差ないのは間違いないな。
だが、他のゴブリンよりも背は高いし、肌色もまだ良い。
腕も結構屈強だし、力があるのは一目で分かる。
「ふん!」
私は一気に走り出し、正面のゴブリンへ斬りかかる。
並のゴブリンならこれで終りなのだろうが、精鋭と行っていただけはある。
正面のゴブリンは私の初撃を防いだ、だが、それ位分かっていた。
もしも防がれなければ興醒めで終わっていただけ。
「終リ」
「お前がな」
私はすぐにもう片方の剣でそのゴブリンを切り裂いた。
たかだかゴブリン程度に2撃、少しは強いようだ。
だが、所詮はゴブリン、私の敵では無い!
「さぁ、お前はもう、私の間合いに入った、この意味、分かるな?」
ゴブリンを排除し、すぐに長となるゴブリンの前に立つ事が出来た。
だが、あの長となるゴブリンは動揺を見せない。
「貴様らの実力、確かに…面白い」
ほぅ、長であるのに剣を握るか。
しかし、他のゴブリンと比べると背が高いな、こいつは。
ゴブリンの中では、だけどな。
身長自体は私とほぼ同じ、ゴブリンの中では最も高いが。
「ふん!」
どうも剣はかなり大きいようだな、自分と同じくらいのサイズか。
「我々ゴブリンの長は、常に誰よりも強くなくてはならない。
貴様が相対しているのは、ゴブリン最強の存在だ」
「ゴブリンの最強か、どれ程の物か、見させて貰おう」
「一撃で終わるなよ? バルキリー」
「それはこちらのセリフだ、無駄にデカい剣を持つなど愚の骨頂だぞ?」
「ふ、安心しろ、殺しはしない」
「私の方はお前を殺すがな」
ゴブリンの長、どれ程の力かは知らないが、少しは戦えるのだろう。
あまり戦闘は好きではないが、負ける訳にはいかないだろう。
可能な限り速攻で排除する、ニール達の限界が来るよりも早くな。




