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無気力系戦乙女  作者: オリオン
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怒りの先制攻撃

おのれ、貴重な休みの邪魔をするとは!

何だか許せないぞ! 魔物共!


「せ、先輩? 何だか表情が」

「も、もしかして機嫌が悪かったりするのかしら、休みを奪われたから」


必ず殲滅してやる! そして、すぐに休みに戻るんだ!

こんな面倒極まり無い事をして、ただですむとは思うなよ!


「普段、あまりやる気を出さない子がやる気を出すと…大体」

「す、凄まじいって言いますよね」

「き、来たぞ! 魔物だ!」


来たな魔物共! 容赦しないぞ! すぐに終わらせてやる!


「はぁ!」

「げ! エリス先輩!」

「ま、真っ先!? 先陣!? あなたが!?」

「やっぱりあれ、相当怒ってますよ!」

「だ、大丈夫なのかしら…とにかく支援よ支援!」

「突っ込んデクルなんて、馬鹿ダ! 数でツブセ!」


私が1人で突っ込んでいるからと数で攻め込もうというのか。


「私は今! 最高に機嫌が悪いんだ!」

「ナ!」


私は飛びかかってきた30以上のゴブリンを一太刀で掃討した。

そして、次のゴブリンを蹴り飛ばし、後ろに下がり、2本の剣を構え直す。


「ブレイブストライク!」


私は構えた2本の剣に力を集中させ、一気に放った。

斬撃系のホーリーリリースだ。

少々機嫌が悪いからな、手加減無しで一気に潰させて貰おう。

背後は味方、正面は敵しかいないこの状況なら問題無く放てる。

前は包囲されている状況だったから、効果が薄いと判断し使わなかったが

この状況下なら、最大限の効果が見込めるだろう。


「なん、あガ!」

「う、嘘…」

「な、なんて殲滅力」

「あ、アルヴィト様…」

「ふ、ふふ、単身で突撃なんて…馬鹿だとは思ったけど、な、なる程…納得した

 これだけの実力があれば、突撃した方が有利よね…

 それに、フレイア様が、何故あんな無鉄砲で無気力な娘を選んだか

 疑問ではあったが…ハッキリと分かった、これは、当然選ばれるか」


私の正面の魔物の群れは全滅した…が、ここでやっと冷静になってしまった。

これ、私、凄く目立ってるんじゃないか?

い、怒りで冷静さを欠いたせいでやり過ぎてしまった!


「……」

「え、エリス先輩? 冷や汗が出てますけど」

「少し冷静に戻ってしまった訳ね…その、言っておくけど、超目立ってるわ」

「く、くぅ! し、しまった! おのれ魔物共!」

「いやいや、これはどう考えても冷静さを欠いたあなたの失敗よ…

 もう、目立たない訳にはいかなくなったわね」

「く、くぅ! は、謀ったな! メアリー!」

「ほ、ほら、焦るのは分かるけど、冷静になって!

 責任転換はかっこ悪いわ!」

「う、うぅ…そ、そうだな、わ、私の失敗だ」


失敗した…怒りで我を忘れてしまっていた。

やり過ぎたら駄目じゃないか…目立ったら面倒事に巻き込まれるだけじゃないか。

くぅ…少々機嫌を損ねると、自分でも何をするか分からないからな。


「エリス! エリス・ビスキック!」

「は、はい…」


な、なんだ? アルヴァト様の声が聞こえてきたが。


「お前の事、誤解してた、それを謝罪したい」

「え?」

「お前は優秀なバルキリーだった様だな!」


……噂では、アルヴァト様は殆ど他者を褒めないという。

あの人が他者を褒めるときは、その相手を心底気に入った時だと聞いたことがある。

同時に、アルヴァト様に褒められれば、その人物は特別な任務を任されるとも聞いた。

……ど、どうする!? 褒められてしまったぞ、私!

ま、不味い! 目立ちたくないというのに、こんなバルキリーだけでなく

神々まで姿を見せているこの戦闘でこんなにも目立ってしまった!

でも、後方からの攻撃だし、神々にはバレていないかもしれないが。


「いえ、私は」

「く、死ネ!」

「今それどころじゃないんだ!」


飛びかかってきた魔物の攻撃を少し動き、回避と同時に剣で魔物の胴を貫いた。

無意識に取ってしまった行動だった。


「その動き、やはり相当の手練れのようだな」

「え!?」


い、いかん…いつも通りに攻撃してしまった…ど、どうする?


「エリス、冷や汗が凄いわよ、で、諦めなさい」

「い、いや! そんな事は!」

「う、うぐグ! 掛かレ!」

「くぅ…まだ魔物が来るか」


これ以上は目立ちたくないが…いや、そもそも、もう今更感がすごい。


「全方向から同時に来るわけ? 甘いわね、こっちは3人も居るのよ

 たかだか30程度、目じゃないわ!」


私達は同時に飛びかかってきた魔物へ攻撃を仕掛けた。

私は正面の1体を仕留めた後、こちらに攻撃をしようとしてきたゴブリンの突きを回避。

すぐにゴブリンの腹を蹴り、私に飛びかかって攻撃をしてこようとしてきていた

別のゴブリンにぶつける。

同時に1回転し、背後から飛びかかってきている3匹を排除。

ゴブリンが落とした刃物を1本落下中にキャッチし、中距離のゴブリンの眉間に当てた。

そして、動揺していたゴブリン3匹へ接近し、一太刀で同時に沈めた。


「相変わらず、痺れるくらいに速くて正確な攻撃ね」


そういうメアリーもかなりの攻撃をしているわけだがな。

飛びかかってくるゴブリンの同時攻撃を剣を構え、正面突破だからな。

まずは正面の2匹へ向って剣を構えて走り、剣でその2匹を押した

その後、ある程度の距離を移動した後に両断。

残りのゴブリン8匹の群れへ反転して移動、ゴブリンが体勢を直す前に3匹を仕留めた。

残り5匹が体勢を立て直し、反撃を仕掛けてきた際、1匹を縦に切断する。

次に攻撃を仕掛けようと飛びかかってきた1匹の眉間を柄で攻撃

そのゴブリンが怯んだ隙に首根っ子を掴み、1匹のゴブリンが構えていた剣に突き刺した。

その光景を見て動揺している他のゴブリンへ接近、2匹を仕留めた後に

最後のゴブリンの胴を貫いた。


「わ、私も!」


ニールの方はまだ無駄な動きが残っているが、それでも洗練されている動きだ。

正面1匹を斬り付した後に飛びかかってきたゴブリンの攻撃を後ろに下がり回避。

1匹のゴブリンがそこから突撃してきたが、ニールは冷静に盾でその攻撃を弾き

攻撃を仕掛けてきたゴブリンを斬り伏せる。

その動作のほぼ直後に他のゴブリンが再び攻撃を仕掛けようと接近してきたが

ニールは剣を構え直し、その群れの方へ突撃する。

まず先頭のゴブリンを盾で殴り、左斜めのゴブリンへ飛ばす。

その間に剣で右ゴブリンを切断、そこからホーリーリリースの斬撃を使い正面5匹を両断した。

その動作の後、一瞬だけ隙が生じるわけだが、左斜めのゴブリンも動けない。

飛ばされてきた仲間に当たったわけだからな、すぐに動けるわけがない。

しかし、先に体勢を立て直したのはゴブリン、残りのゴブリンはニールへ突撃してくる。

だが、ギリギリのタイミングでニールも体勢を立て直し、1匹を切断した。


「死ネ!」

「うぅ!」

「動きがまだまだ荒い」

「将来有望だけどね」


残り1匹がニールへ攻撃を仕掛けようと飛びかかったタイミングで

ゴブリンの胴を2本の剣が貫く、私とメアリーだ。

本当にまだまだ危なっかしいな、良い判断だったわけだが

正確に切断する能力はまだニールにはないかもしれない。

もっと鍛えれば当然ながら素の能力を得る事が出来るだろう。

その正確性が手に入れば、ニールはもっと強くなれるだろうな。


「ごめんなさい…」

「学生でそれだけ出来れば充分すぎるわ、あまり焦らないで」

「…はい」

「落ち込むことはない、お前はまだまだ成長出来る、私が保証しよう」

「エリス先輩…はい、私、頑張ります!」

「当然だとは言え、私が慰めたときよりも嬉しそうよね…ちょっと妬いちゃうわ」

「そんな事は…」

「まぁ、ニールと私は長く共に居るが

 お前とニールは最近出会ったばかりみたいな物だろうから」

「そうよね、やっぱり長く一緒に居る方が慰められたときも嬉しいわよね」

「あぁ、だから、お前もこれからニールと共に過ごせば良いだろう」

「そうね、頑張ろうかしら」

「ふ、やはり筋が良いな、メアリー・スー」

「え? あ、ありがとうございます!」

「そして、ニール・ママーリエ、私の予想ではもう少し弱いと思っていたが

 少々は出来るようだな、だが、まだまだ読みが甘すぎる

 仲間の支援があると考えての行動は実戦では命取りになる。

 戦場に出れば、お前は守られている学生でなく守る立場になると言うことを自覚しろ」

「も、申し訳ありません」

「だが、将来は有望そうだ、自身は持っていろ」

「はい」

「では、ゴブリンの掃除と行こうか、エンヘリャル! 一気に行くぞ!」

「は!」


ゴブリンの掃除を始めるとしようか。

正直、手加減をした状態でニールを守れるとは思えないしな。

多少目立とうとも、ニールは守らなくては…後、ついでにメアリーも。

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