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無気力系戦乙女  作者: オリオン
12/57

女子3人

女子トークとやらが始まったわけだが。

正直、ただの会話以外の会話など私は知らない。

ただ、2人に聞いたところ戦闘や仕事に関する会話は駄目らしい。

私の人生の内3分の2以上は剣と共に過ごした日々なのだが…

5歳の頃にバルキリーを志、6歳の頃に師匠と出会い

10年間鍛えた後に、バルハラ女子学園へ入学。

そこから2年間は学園内でも隙があれば剣の稽古。

それが今までの私の人生だ…戦闘以外でとなれば母の話題くらいしか…


「エリス先輩はあまり他の同級生の方とお話ししなかったんですか?」

「あぁ、私は1度も同期と話をした記憶が無い」

「話し掛けられるとちょっとは返してたけど、大体すぐに消えてたからね

 休憩時間が来ると姿を消して、何処へ行ってたのやら」

「昼休憩の事は知ってるんですけどね」

「お? そうなの?」

「はい! 昼休憩は私と一緒にご飯を食べてくれてました!」

「へぇ、同級生よりも可愛い後輩を優先してたわけね」

「同期のバルキリー達の会話はよく分からなかったんだ」

「まぁ、ケーキを今日初めて食べたって位だしね」


やはり同期のバルキリー達は皆あのケーキを食べていたのだろうか。

あんな美味しい物を毎日食べていたとすれば、羨ましいな。

だが、まぁ、私にはちょっと無理かも知れないとは思ったが。

確かに凄く美味しかったのだが、どうも胃がもたれる。

あのサイズなら問題無いが、複数となると、ちょっとキツい気がするな。


「後、昼食の後はいつも私に剣の稽古を付けてくれていました!」

「へぇ、剣の稽古をね、私達にも教えてくれればよかったのに」

「変に話題になるのは嫌だったんだ、そもそも同期に剣を教えられるほど

 私の剣は卓越していないんだ」

「まぁ、冗談はさておき」

「冗談じゃ無いぞ?」

「まぁまぁ、やっぱり血生臭い話は女子トークにはあわないわ

 それよりもよ、エリス、その服」

「む? 私の服が何か変か?」

「えぇ、何にそのお洒落の欠片も無い服は」


お洒落の欠片も無いとは…そもそもお洒落とは何なのだろうか。

私はただ動きやすい服を着ているだけなのだが。


「私はただ動きやすい服を着ているだけだぞ?」

「女の子なんだから、もっとこう、自分の外見にもこだわりなさいよ」

「外見など、どうでもよくないか? やはり動きやすさなどの性能を重視した方が」

「駄目ですよ、エリス先輩は可愛いんですから、服で台無しにしちゃ」

「そうそう、もっとお洒落に気を遣えば色々な出会いもあるでしょうに」

「出会い? 何故外見を変えて出会いがあるんだ?」

「…こりゃ、絶望的ね、ロマンスの欠片も無いわ」

「ロマンスとは?」

「……そもそも知らないと来たかぁ、案外世間離れしてるわね、あなた」

「私の生涯には母と剣しか無い」

「何だかこのままだとあなたが将来大変な事になりそうだから、私が一肌脱いであげるわ!」

「何をする気だ?」

「私があなたの服をコーデしてあげるわ! 先に言っておくけど

 コーデって言うのは、あなたに似合う服を見付けてあげるって事よ」

「私の質問を先読みしただと!? 心が読めるのか!?」

「いや、あの流れだと誰でも分かると思いますよ、私も絶対にコーデとはなんだ?

 って質問が来るだろうなって思ってました、エリス先輩は読みやすいですから」


何だと? 私はそんなに読みやすいのか? むぅ、何故だ、何故なんだ。

剣術等で相手に動きが読まれるのは致命的なのだが…


「さぁ! 行くわよ!」

「おい待て! 何処へ行く!? メアリーは何も食べてないじゃないか!」

「まぁ、それはその内食べるわ、あ、会計は私がするから」

「えぇ!?」

「ちょっと待て! お前は何も食べてないのに」

「楽しい時間になりそうなのに、お金なんて気にしないわ!

 さぁ! コーデするわよ!」

「お、おい!」


結局メアリーは私達2人分の会計を済ませた。

自分は何も食べていないというのに、一体どういうことだ?


「さて、行くわよ! 服屋さん!」

「エリス先輩に似合いそうな服! 私、沢山考えてるんです!」

「へぇ、羨ましいわ、エリス、こんな先輩想いの可愛い後輩ちゃんに好かれちゃって」

「だから、服などは動きやすさ重視の方が」

「その考えをここで壊してあげるわ! やはり女の子は外見が大事よね

 化粧をするのだって礼儀だし」

「化粧とは何だ?」

「…げ! あんた、化粧も知らないの!?」

「あ、あぁ…」

「それなのにその美人顔…マジで素材が最上級なのね」

「化粧って言うのは女の子の礼儀です! まぁ、私もしてませんけど」

「げ! あんたも!? 何? 化粧はしないのが普通なのかしら…」

「あ、私は化粧の時間が少し勿体ないからしてないだけです」

「勿体ないって…大事な時間でしょうに」

「化粧という物をすればどうなるんだ?」

「顔がすっごく可愛くなるわ」

「…顔を可愛くしてどうする?」

「本当、ロマンスの欠片も無いわね」


ロマンスとは一体何なのだろうか…やはり分からぬ単語が多いのだが。


「まぁ良いわ、さ、急いで行くわよ!」

「手を引くな!」

「引かないとダラダラ歩きそうだしね」

「ぐぬぅ…」


そのまま私達は服屋さんへ移動したが、私がよく通っている古着屋とは違うな。

どうも色んな服が置いてある、だが、私が着ているような服などは殆ど置いていない。

おかしい、服屋なら私が着ている服が置いてあってもおかしくないはず。


「んー…どんな服が良いかしらね」

「なぁ、私が着ているような服が何処にも置いてないのだが」

「エリスが着ている服は男物って類いに入ると思うから

 ここには置いてないと思うわ、あ、ハーフパンツはあると思うわよ」

「男物?」

「えぇ」

「…この服、男が着る服だったのか」


知らなかった、動きやすさを重視した服を着ただけなのだがな。

もしや、男の服は動きやすい服が多いのだろうか。


「はい! 先輩この服です!」

「へぇ、可愛らしい服ね、でも、グレーはどうなの?」

「先輩はクールですし、グレーはきっと似合います!」


……あの服、私が着ている服とあまり大差ないんじゃ無いか?

白のシャツ、で、手にグレーのコートか。

何だ、私の服装にグレーのコートが追加されただけじゃ無いか。


「で、下はこれを」

「何だ? このズボンは、ボロボロじゃ無いか、不良品か?」

「あ、いえ、これはダメージジーンズって言うズボンです」

「あえてボロボロにしてるのよ」

「そんな物があるのか」

「じゃあ、着てみましょう!」

「店の物だろう?」

「試着は出来るわ、じゃ、行きましょうか」


…とりあえず、ニールに言われたとおり着てみたわけだが。

鏡で自分の姿を見ても、似合っているかどうかは分からない。

今までろくに鏡を見ていなかったからな。

そもそも自分の服が自分に似合うかどうかなんて考えていなかった。

動きやすい服を着よう着ようとしていただけだったからな。


「うーむ」


自分ではよく分からないから、ひとまずはカーテンを開け、今の姿を2人に見せる。


「おぉ! 似合ってるじゃないの、クールな感じがよく出てるわ」

「はい! 凄い格好いいです!」

「そうなのか? これが似合うか、よく分からないな」

「自分じゃ判別できないの?」

「あぁ、よく分からないからな」


私が自分の服装を見直していると、なにやら外が慌ただしくなった。


「何? 慌ただしいけど」

「はぁ、はぁ」


そして、私達が居るこの服屋に急いで駆け込んできた1人のエインヘリャル

一部のバルキリーが運んでくる戦死者の勇士。

その後からフレイヤ様も私達の元へやって来た。


「休暇中にごめんなさい、その服、似合ってるわよ、エリス」

「あ、ありがとうございます…あの、どうしたのですか?」

「魔物の群れが動いたわ、まさか動くとは思わなかったけど」

「え!? じゃあ、奇襲作戦は!?」

「総大将が動いてないことを祈って決行するしか無いわね」

「…くぅ、折角エリスを女の子っぽくしようとしてたのに」

「その服も十分似合ってる思うけどね、でも、火急を要するわ

 今回はエインヘリャルも動かしての大規模な戦いをすることを決定したわ

 流石にバルキリーだけの出撃では撃退、防衛は不可能だとオーディーン様は考えたわ

 本来、魔物程度ならエインヘリャルを使うまでも無いのだけど、仕方ないわ」

「確かバルキリーはエインヘリャルを指揮することも出来ると」

「えぇ、ただあなた達はまだ未熟、エインヘリャルと共闘することも無かったでしょう

 だから、指揮関係はアルヴィトに任せるわ、ただ少数での奇襲はもう無しね

 多数の戦力を使い、一気に総大将への攻撃を仕掛けるわ

 背後からの奇襲作戦、その指揮はあなた達、奇襲部隊に任せるわ

 他のバルキリーは正面から魔物の群れの迎撃を行なう」

「足止めしている間に決着を着けろと」

「えぇ、頼むわよ、あ、その服のお代は神々で出すわ

 正直、休みを奪ったあげく、服まで奪うわけにはいかないし」

「は、はい、ありがとうございます」


結局私はこの服のままで急ぎバルキリーの寮に移動し

鎧を着用、武器も装備して今回の戦いに挑むことになった。

出来ればあのままゆっくりと過ごしたかったのだがな…

く、魔物め、私達の休みを邪魔するとは…ぐぬぬ! 私の休みを奪った罪は重いぞ!

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