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第六章

 バッグをキッチンの床に置く。ずっとバッグを掛けていた肩が、打ち身のように痛んだ。

 ああ、重かった。

 ざっと七十キログラムくらいはあるだろうか。まあ血は抜けているだろうから、もう少し軽いか。

 まあ、夕飯は多いほうがいい。今夜はパーティーなのだから。

 バッグのファスナーを開いて、中の死体を取り出す。

 男かー、食べられるところが少なそうだ。その上ともちゃんがぼろぼろにしちゃったからなあ。まあ幸いなのは、こいつが筋肉質じゃない事だ。まだ何とか、食べられるところがありそうだ。

 何を作ろうか。うーん……。

「おっ?」

 棚の横でビニールをかぶっているのは、ホットプレートか。

 よし、これにきまりだ。

 バッグから包丁を出す。マイ包丁だ。日本刀を造り直したもので、鋼製となっている。

 刃を死体の頬にあてる。軽くスライドさせるだけで、綺麗に切り取れた。

 うーん、思ったより腹筋があるなあ。内腿ならいけるか。

 お次は内臓といこう。ともちゃんには内臓だけは傷つけないようにお願いしてある。調理するのが面倒臭くなるからだ。

 うちの部――殺人部の方――にはレバー嫌いがいないから楽だ。うちの部は女の子が多いからね。皆細いし、貧血には気をつけて貰わないと。

 刃先を鳩尾にあてる。少しだけ体重をかけ、下腹まですっと引く。

 内臓が、ぎっしりときれいに並んで詰まっている。綺麗なピンク色で、みずみずしさがある。それを一つずつ取り出していく。

 やはり食べるなら未成年だ。酒もタバコもやっていない内臓たちは、舌に乗った途端に蕩けるのだ。

「ふぅ」

 額をぬぐうと、うっすら汗をかいていた。

  黙人くん家のまな板を借りよう。肝臓は薄切り、固めの肉はサイコロ状、その他はぶつ切りにしていく。

 それらを全部、大皿に盛りつけていく。

「よしっ、できた!」

「みんなー、できたよー!」

 なぜかうっすら開いている扉から居間に出ると、皆きちんと座っていた。何故か黙人くんが、至難顔をしていた。

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