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シーラクエスト4

久しぶりに戦争以外でのお出掛け・・・と言っても戦争関係のお仕事に絡めてるから、素直に喜べない


でも、アシスがいて、姉さんがいて、リオンがいる・・・それだけで今は満足しなきゃ


馬車に揺られてメイカートに向かう途中、フローラの顔をじっと見た。アシスを見るフローラの顔は恋する乙女って言うよりは憧れの人を見るような・・・そんな感じ


でも、油断大敵・・・なぜか意外とモテるアシス・・・セーラ、エーレーン、そしてフローラ・・・多すぎでしょ?


セーラは戦時中って事もあって自由に動けないし、エーレーンは消極的・・・もしかして、フローラが一番強敵?


頭を振り、変な考えを打ち消して、メイカートで何をしようか考える。美味しいものを食べて、買い物して、戦争の事を忘れないと!


着いて早々フローラのお店に行って、領主に会って・・・宿探しは沢山歩いたけど、アシスが頑張る姿を見て楽しかった・・・私はアシスと同じ部屋で良かったけど・・・たまには姉さんとエーレーンと一緒っていうのも良いかな?


宿が決まって、アシスとエーレーンとデクノスとでご飯を食べに行ったけど・・・やっぱりアシスはトラブルを引き寄せる・・・


モトイさんって男っぽいけど、堂々と話したり、強そうだし憧れるなー、私も同じくらい強くなりたい・・・私が筋肉ムキムキになったら、アシスに嫌われるかな?


次の日はアシスと行動して、その次の日は姉さんとエーレーンとお買い物・・・ほとんどアシスと一緒に居たから凄い新鮮・・・で、やっぱり目に付くのが洋服


三人で試着しては似合うだの似合わないだの話して、気になった服を買ってみた。チャイナドレスという不思議な服・・・太ももが見え隠れするスリットの入った青色のドレスが晩餐会の時に着たドレスを思い出させる


「アシスなんか、その姿見たらイチコロね」


「何着ても似合うが・・・破壊力やばいな」


姉さんとエーレーンの言葉に照れくさくなり脱ごうとして試着室に向かうと店員さんが声をかけてきた


「そのドレスにはこういう髪型が似合いますよ」


導かれるまま化粧台に・・・そして、出来た髪型が頭に二つのお団子を作るスタイル


「やばい・・・シーラ、それはやばいわ」


「むう・・・可愛い」


恥ずかしくて顔を上げる事が出来ない・・・覚悟して鏡を見ると・・・なんかこの髪型お団子の部分が動物の耳みたいで可愛い


「ご自分でも出来る方法もお教えしますよ」


この定員さん上手い・・・これだとドレスも買わない訳にはいかない


少し高かったけど、つい買ってしまった・・・アシスには黙っておこう


一通り買い物を済ますと、お腹が空いたので良さそうな店に入り、食事を済ます。そこの定員さんに近くのお団子屋さんが美味しいと評判だと言うのを聞き、三人でそこに向かった


店の中には女の子でいっぱい・・・食事の時間なのに甘いものなんて・・・と、思ってたけど甘い匂いに釣れられて、ついつい食べてしまう・・・う、運動しないと・・・


少しお腹を気にしながら食べていると、アシスとフローラが仲良さげにお店に入って来た


ふ、ふん、別に気にしてないから


姉さんがアシスの口元に付いてる食べカスを指摘する・・・まあ、私がついてないとアシスは・・・え?


フローラが自分の服の袖でアシスの口元を拭う・・・それはちょっとやり過ぎじゃない?てか、アシスもなんで自分で拭かないの?


眉間にシワが寄るのが分かる・・・ダメだ・・・右手に持ったお団子で『神威』を放とうとする自分を止めた


一口食べて甘さで心を落ち着かせる


甘い・・・もう大丈夫・・・お団子に救われたね・・・アシス


宿に戻ると買った物の品評会が始まった。姉さんもエーレーンもこれでもかってくらい胸を強調した服・・・姉さんはともかくエーレーンは誰を思って買ったのかな?


「ちょっと・・・シーラ太るわよ?」


持ち帰りしたお団子を食べていると姉さんから心無い一言が・・・エーレーンを守る為よ・・・仕方ないじゃない


ゆっくり寝て、起きたらひと騒動・・・アシスの勘違いで終わったから良かったけど・・・それにしてもあのパンツはないわ・・・絶対に履かない・・・アシスが力を流したら大切な部分が丸見えじゃない・・・無理よ無理・・・でもアシスが喜んでくれるなら・・・いや、ダメよ!・・・想像しただけで顔から火が出るわ


一人でそんな事を考えてたら、いつの間にかフレーロウに戻っていた・・・ちょっと平和ボケし過ぎたかしら?


戻ってから、しばらくしてアシスが王城に呼び出される


王城に行く前にアシスの屋敷を見に行く事になった


私とアシスの屋敷・・・新居?・・・いや、他の人も一緒に住むんだけど・・・でも、ワクワクする


思わずメイカートで買ったチャイナドレスを着て、お団子頭にしてしまった・・・浮かれすぎかな・・・あっ、ちょっとお腹が・・・えい!


気合を入れてお腹を引っ込め、アシスと二人で屋敷に向かう


アシスの目線を感じる・・・お腹は大丈夫かな・・・


順調に出来ていく屋敷を眺め、アシスは王城の謁見の間に向かって行った


暇・・・王城内でも誰に止められる事無く歩けるのはセーラが私をアシスの補佐官として認めさせた為。守護者の補佐官の地位としては、将軍より下の千人長より上・・・文官で言うと副大臣くらいの地位らしい・・・暗殺者だった私が傭兵になり、今やそんな地位にいるなんて・・・想像もしてなかった


「これはシーラ様」


一人で歩いていると突然声をかけられる・・・えーと・・・


「失礼しました・・・私はアシス様の軍に配属された千人長のロングと申します。シーラ様はお一人で何を?」


「あー、えーと、アシスの付き添いで来て・・・」


「ああ、確か今日軍議と聞いておりましたが、それで・・・お一人では何かと不便でしょう?ご同行しても?」


「え、ええ。お願いします・・・」


爽やかに笑い話しかけてくるので、断るに断れなかった・・・並んで歩いてるのをアシスが見たら・・・嫉妬するかな?


ロングは宛もなく歩きながら自分の身の上話をする。今年で22歳になり、親から早く嫁を見つけて来いと言われてるだの、千人長になったばかりで少し不安だの、ある剣術大会で優勝しただの・・・見た目も爽やかで優秀そうだけど、興味なかったので適当に聞き流してしまった


「シーラ様は誓い合った人がおいでで?」


誓い合った・・・そうなのかな?私とアシスは・・・


「ふふ、失礼しました・・・まだシーラ様はお若いしお綺麗だ・・・引く手数多の状況では誓い合うのも難しいですよね」


いや、そんなに歳離れてないでしょ?その上から目線はどうなの?


「私もその中の一人になりたいものです・・・軍議が終わったみたいですね・・・」


いつの間にか謁見の間の近くを歩いていたらしく、見知った将軍達が出て来ていた


「これにて失礼致します・・・また御一緒出来る日を待ちわびております・・・では」


綺麗なお辞儀をして去っていくロング・・・私って彼より地位が上だっけ・・・近付けさせないように出来ないかな・・・ちょっと苦手


アシスと合流して宿の部屋に戻るとロングの相手をして心疲れが・・・慣れ親しんだ部屋に戻った安堵感で身体を伸ばすとなぜかアシスに胸を一揉みされた・・・油断して少し出たお腹を隠しながらアシスを見ると・・・目が血走ってる


「もしかして・・・欲情してるの?」


お腹を隠すようにアシスに背を向けて、お腹を見られてないか気になって、変な事を聞いてしまった・・・まるで誘ってるみたいだ・・・


鼻息が荒くなるアシス・・・ああ、まだそんな時間じゃないのに・・・とりあえず・・・えい!


近付いてくるアシスに気付かれないように気合を入れて引っ込めるのに成功・・・でも、お決まりの邪魔が入る


どうやらアイリンさんがマベロンに向かうみたいだ


いつも子を気遣うアイリンさんを見て、ああなりたいと思う。自由奔放で強くて賢くて・・・憧れるな・・・無理をしないと良いけど・・・


ノイスさんからギルドに向かうよう言われてアシスと一緒に行くとそこにはバッカスさ・・・ん・・・あれ、何か・・・


「・・・なんだ、聞いてないのか?そいつが生娘でいられたのはなぜか?その理由を」


ああ・・・思い出した・・・あの時・・・


封印していた記憶が蘇る


あの時、私が犯されていたら・・・今の状態でいられた?


アシスは私を選んでくれた?


違う・・・今も・・・アシスは私を選んでくれてるの?


心配そうに顔を覗き込むアシス・・・私は今・・・どんな顔をしてるのだろうか・・・


いつの間にか宿屋に戻り、1階で知らない顔が集まっていた・・・その中には王城であったロングの姿もある


「・・・以上が千人長だ。後は話を聞いて向いている所に編成したいと思う・・・アシスからは何かあるか?」


ノイスさんが千人長を紹介して、アシスは全員を見つめて宣言する


「俺の軍になったからには簡単に死ぬな!殺られそうになったら逃げろ!俺が何とかしてやる・・・後・・・」


話の途中でアシスが私を引き寄せた・・・そして・・・


「シーラは俺のだ!手を出した奴は生きてる事を後悔させてやる・・・以上!」


姉さんが呆れ顔をして、ロングが「え?」と驚いている・・・私は・・・


今日は少しサービスしようかな・・・あのパンツは履かないけどね────

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