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2章 2 傭兵ギルド

目の前に立ちはだかる壁、壁、壁。自国の南側の門なのに、なぜここまで高く、頑丈に作ってるんだ?・・・そう、今まさにフレーロウの門の前で壁を見上げていた


「脆い所が狙われるのは世の常さ。だから、どこの門も等しく強固にする必要があるんだよね。まあ、人員の数とかは他国の危険度によって変えてるけどね」


ナキスの説明を聞きながら、ボーと外を見てると門がゆっくりと開く。この馬車が誰が乗っているのか分かっているのだろう。止まることなくすんなりと街に入れるように門が開くと、馬車は街の中へと吸い込まれていく


「・・・」


言葉にならなかった。今までの街も村に比べて人の数、家の造り、景観・・・どれをとっても素晴らしかった。が、ここは違う・・・別世界だ


まず道の広さ。大型の馬車がすれ違う事が出来、更には人も行き交う事が出来るほど広く、馬車が通っても人は避ける必要が全くない。そして、荒れた石畳の道とは違い馬車で通っても揺れがほとんどない。


次に建物だ。ほとんどが二階建ての建物で木と石が組み合わさり出来ているように見える。村は木造り、街は石造りだったが、2つのいい所を合わせた完成系なのだろうか?


更に景観。街の中に木があるのは今までの街と変わらないが、溜池みたいなものがあり、中央部分から水が溢れ出ている。ナキス曰く『水の流れを利用して歯車を回し水を送り出してる』だそうだ。今度見せてくれるらしいから楽しみだ。


あれだけ高い壁に囲われてるのに閉塞感はなく、ここにいれば街の外に出る必要などないのではないかと思ってしまう


「どうだい?フレーロウは」


ナキスが誇らしげに言うが、お前が作ったわけでもあるまい・・・が、素直にここは賞賛してやろう


「凄いな」


「だろ?まだまだ発展途上だ。アイデアもいくつも出てるし、他の国もどんどん発展している」


「他の国も同じ感じなのか?」


「ふふ・・・聞きたいか?デニスなんかは・・・」


「若・・・そろそろ・・・」


ジェイスが外から窓に近づき、ナキスに伝える。ナキスは語りたいのか、渋い顔をするが馬車のスピードが少し落ちた事に気付き、ため息をついた


「僕は王城に行かなくてはならない。君たちも王城に招きたい所だが、今は無理なんだよね・・・アシスとシーラ・・・君たちは傭兵登録を?」


リオンとシーリスは既に傭兵登録をしており必要ない。傭兵登録していれば、稼げるのはもちろん街へ入る時の身分証として提示すれば割引されたり、入場がスムーズになったりするらしい


「ああ、そのつもりだ」


「なら、これを持っていくと良いよ」


言うとナキスは懐から一通の手紙を取り出し渡してくる


「傭兵登録の場所は傭兵ギルド。そこの受付に渡せば便宜を計ってくれるよ」


「便宜?」


「うん、赤の称号くらいにはなれるかもね」


「はぁ?」


割って入ってきたのはシーリス。眉毛を8の字にして、ナキスを軽く睨む


「赤の称号って、私ですら最近なれたのに、登録の段階で赤~?」


「それだけの実力はあると思うよ」


「実力だけじゃないでしょ?経験、実績、色気・・・そういったものが積み重なって上がるもんでしょ?」


色気関係ないだろ


「そうだね。でも、例外はあるんだよね・・・そこのリオンに勝った経験と実績は一瞬で赤の資格を得るに充分だと思うよ」


色気はないのね


「じゃあ、シーラは黄色か?」


自分の名前が出て起きたリオン。こいついっつも寝てるな


「色気で赤かな」


・・・色の意味は分からないが、価値がないことは分かった。とりあえず呆れているシーリスとリオンを尻目に話を進めるとしよう


「傭兵ギルドの場所は?」


「今馬車で走っているのが中央通り。中心に王城があるんだけど、そこに向かう途中で西に行くとすぐに大きな建物があるからそこに向かうと良いよ。リオンとシーリスが知ってると思うけど・・・」


「わたしも知ってるから、大丈夫。姉さんとリオンは宿をお願い」


片手を上げて了承するシーリスと頷くリオン。何も決めずにここまで来てしまったが、今日1日で決まるほどやる事がある訳でもない


まずはカムイの動向だが、これは潜伏している場所にヤニムを送り出し、今後の展開を静観するしかない。また動くようなら潰すし、動かないなら・・・様子見か


後は俺の母親の件だが、カムイを目標に来た時から探すのはそっちのけ・・・いざ探すぞーってなった所で当初の予定の作戦がシーラにことごとくダメ出しされたし、暴れて逆探知は不発に終わりそうだし・・・


色々考えてると、馬車は完全に停止し扉が開かれる


「しばらくお別れだね。ココに書いてある宿屋に泊まると良いよ。僕の顔が効くし、王城より近い。今度お願いしたい事があるから、泊まってくれると嬉しいね」


「お願いしたいこと?」


「まだ決まってないし、公表するには少々不味い内容なんだ・・・とりあえずはここフレーロウを満喫してね」


「ふーん」


さして気にならなかったが、違う所が気になった。なぜこいつは俺らに対して警戒心が薄かったり、お願い事を頼もうとしたりするんだ?好青年、元暗殺者、現暗殺者、戦闘狂・・・言葉にするだけでも避けて通りたくなる組み合わせなのに・・・


「若・・・」


「うん、馬車はここまでだ。では、また会おう」


爽やかな笑顔で手を振るナキス。手を上げて返した時、足下に溝があるのに気づいた。ナキスの馬車はその溝の切れ目の所で止まっている


「揺れなかったのはこういうことか」


車輪より少し広いくらいの幅の溝・・・その溝は綺麗に掘られており、起伏がほとんど見られない


「これもアイデアの1つだね。馬車の揺れはもちろん、溝に沿ってしか走らないから歩いている人への配慮にもなっている。街の中で馬車が縦横無尽に走ってたら危険だからね。トラブルもあるけど事故が減ったのは確かだよ」


ナキスは自慢げに言うと近衛兵に即され、王城の方に向かって歩く


「困った事があれば僕を頼ると良いよ!じゃ、また!」


手を振りながら歩いてくナキスの横で見えないようにジェイスがシッシッと睨みながら手を振る。えらく嫌われたもんだが、ナキスには逆らえないから問題ないだろう


「あら、ステキ」


ナキスから受け取った宿屋の紙を見たシーリスが呟くとこちらに渡してきた。内容を確認すると宿泊費は全て王家が支払うとの旨が書いてある


「なるほど・・・是が非でもココに泊まって欲しい感じだな」


「そうね。別に悪意がある訳でもないし、しばらくはこの宿屋を拠点にしても良さそうね」


シーリスとリオンは宿屋を目指し、俺とシーラは傭兵ギルドへと向かった。ふと後ろを見るとヤニムが近衛兵から解放され、東の方へ向かって行くのが見えた。あちらの方に仲間がいるのだろうか


「宿屋で部屋を確保したらギルドに向かうわ」


シーリスは言うとリオンと共に喧騒の中へ。俺らは大きな建物前で立ち止まる


「ここが?」


「ええ、傭兵ギルドよ」


俺の問いかけにシーラが答え、2人で中へと入った。中は厳つい奴らで溢れかえっており、各々が武器を携帯している。掲示板に何枚かの紙が付けられており、それを見てあーだこーだ言ってる連中や、テーブルに座り話してる者もいる


俺らは奥のカウンターに向かうと、カウンターの奥で座ってた女性が立ち上がりニコリと笑う


「ようこそ傭兵ギルドへ。ご依頼でしょうか?登録でしょうか?」


「これを・・・」


早速ナキスからもらった紙を渡すと、女性は目を通し顔を強ばらせる


「しょ、少々お待ちください」


カウンターの奥にある階段へ一目散に向かうと駆け上がって行った。愛想の良い清楚な女性と思ったが、意外と俊敏な動きを見せる。程なくして身なりを整えたすらっとした男性と下りてくる


「お待たせ致しました」


男性は俺らの前に立つと、スっと姿勢を正したままお辞儀し笑いかけた


「手紙・・・拝見させて頂きました。お望みの階級・・・と、言っても赤までですが、お選び頂ければと・・・おっと、失礼致しました。私、当ギルドのマスターをやらせて頂いておりますサレスと申します」


サレスと名乗った男性は再度お辞儀しながら言った


そう言えば、色の事は結局有耶無耶だったな。この際聞いておくか


「色が違うと何かあるのか?」


「ええ・・・色は階級を表しております。正式名称は『色』の称号・・・となります。『黄の称号』『青の称号』『赤の称号』と順に上がっていき、『黒の称号』『銀の称号』『金の称号』となります。ただし金の称号はロウ家のみ。銀の称号はロウ家に認められた者のみとされていますので、ギルドで得られる最高位は黒となっております」


「お、おう」


この人・・・サテスさん臭がするな


「ちなみに階級は強さではなく貢献度と思って頂ければと・・・商人、鍛冶屋、大工・・・様々な職業でも、称号を得ることは可能です。与えるギルドが違うだけです」


「へ、へえー」


「ちなみに、何もしなくても我らは称号を持っているとされています。それが『白の称号』と言われてますが、生まれた瞬間から持っている為、発行などは行っておりません」


この人・・・ちなむな


「ちなみに、黄色は称号についた証、青は従事した証、赤は熟練の証、黒は秀でてる証、銀は最強の証、金は無二の証とされており、黄色より上になると様々な特典が追加されます」


質問の答えがやっと返ってきた。下手に質問するとやばそうだから、とっとと色を決めて退散するか


「んじゃあ、二人とも赤で・・・」


「黄色だよなぁ?」


後ろに厳つい男が立ち、俺の言葉を遮ってきた。デカい斧を背中に担ぎ、無精髭を生やした筋骨隆々のオッサンだ


「・・・知り合い?」


「いや・・・のわ!」


シーラの問いかけに答えた瞬間、毛むくじゃらの腕が首に絡みついてきた。絞め落とそうとしてるのか喉の部分に腕を当てようとしてたが、念の為手を滑り込ませていたのでセーフ・・・

でも、毛のせいで悪寒が凄まじい


「バッ、バッカス君!」


サレスさんが出したのは毛むくじゃらの名前だろう。隙あらば絞め落とそうとグリグリねじ込ませてくる


「サレスの旦那・・・ちぃとおふざけが過ぎないかぁ?こんなチンチクリンがいきなり『赤』とかよぉ?」


チンチクリンじゃない・・・お前がデンデカリンなだけだ


「やめなさい!ギルド内での争いは禁じています!剥奪しますよ!」


「別に仲良く肩組んでるだけじゃねぇか・・・なあ!」


うへ・・・鼻に毛が・・・腕毛が入った


「・・・やめなさい」


「そんなちっこい短剣で何するつもりだよ!夜の相手でもしてくれるかぁ?」


シーラがいつの間にか短剣を取り出していたが、腕毛野郎は意に介さず更に力を込める・・・いい加減うざくなってきたな


俺が動こうとした時、俺と腕毛の間にヌッと刃が置かれる。殺気がないので気付くのが遅れ、危うく切られそうになったが、刃は動かずジッとその場に存在するだけだった


「フェンか・・・」


腕毛の腕がジトリと湿る・・・勘弁してくれ


「・・・」


フェンと言われた男は無言で刃を動かさず、そのままの姿勢を崩さずにいた。すらっとした佇まいに紫の髪の毛は頭の上で束ねてるにも関わらず腰まである。装備は軽装だが、持っている長槍は装飾も豪華に施され刃の部分も良く研いである


チャっと音が鳴ると、刃の部分は平行になり、左右に振れば俺と腕毛の首が吹っ飛びそうだ。そうなると腕毛は舌打ちをして俺をようやく離した


「おめえも面白くねえだろ?いきなり『赤』だぜ?俺がどんだけ苦労してなったか・・・それを登録の段階でなるなんて有り得ねえだろ!」


「・・・」


ひたすら無言だな・・・フェンだっけか?腕毛が引いた後は長槍を収め、興味無さげにギルドから出ていこうとしている。スカした奴だが、悪い奴ではなさそうだ


「ちっ・・・まあいい。てめぇがどうしても『赤』になりたいなら、俺が試験をしてやるよ!」


背中の戦斧の柄を持ち力を込める腕毛・・・どんだけ俺の赤が気に入らないのか


「フェン君!バッカス君を!」


「遅せぇよ・・・ぐっ!」


フェン君がバッカスの斧を槍で押さえ込んでいる。おかげでバッカスは振り上げようと力を込めるもピクリとも動かない


「フェン・・・てめぇ!」


バッカスが後ろを振り返ろうとした時、ギルドの扉が音を立てて開かれた


「フェン!いつまで依頼書見てんの!?早く・・・え?なにこれ?」


入ってきたのは小さな女の子?槍2本を背中に担ぎ、赤色の髪を左右の中央で束ね、フェンと同じような軽装に膝上のスカート。腰に手を当ててふんぞり返ってるが、子供にしか見えない


「・・・」


「うっ・・・レンカ・・・」


フェン君は相変わらず無言だが、バッカスは腕毛のくせに少しビビっている


「まーた暴れてるのか?バッカス・・・あんたは体だけでっかくなっても、おツムは足りてないみたいだな」


「んだと!?」


「レンカ様!バッカスに対し称号剥奪及び守備隊への連行を致します!御力添えを」


「サレス・・・てめぇ!」


『○○・・・てめぇ』が大好きだな、バッカス


「称号剥奪?大袈裟にすんじゃないよサレス。見たところ死人どころか怪我人すら出てないじゃないか」


毛がニンッ!ってなったけどな


「し、しかし、ギルド内で・・・」


「それを制すのがあんたの役目だろ?揉め事くらいでガタガタ言う前に、自分を磨けカス!」


「レ、レンカ様」


口悪いな。ギルドマスターが様付けするってのも不気味だな・・・何者なんだ?


「何見てやがる・・・ほう、なかなか」


目が合った瞬間に絡まれたが、数秒見つめ合うと顎に手を当て舌舐めずりしてる


「お子様には興味無いぞ」


「ハーハッ!誰がお子様だ!こちとらあんたより10以上離れてるわ!試してみるか?」


「試すって何を・・・!」


「経験の違いってやつを」


レンカと呼ばれた少女の短槍の先が目の前に置かれていた。突き出されたのではない・・・いつの間にか置かれて存在していたのだ


「そんな・・・」


「分かったかい?」


「10以上離れてるだと!?」


「あんた・・・刺すよ?」


「殺気のない刃が目の前にあったとしても、それはただの置物に過ぎない・・・それで経験の違いと言われてもなあ」


「・・・いいねぇ・・・男の子はそうじゃなきゃね・・・怖くても前に出ないとな」


「レンカ様!彼はナキス様の紹介状をお持ちになられました!ナキス様縁の方です!」


「ナキスの?・・・・・・あ」


短槍を突き出したまま俺を眺め、何かに気付くと短槍を収めるレンカ


「フェン・・・行くよ!後、バッカス!あんたも付き合え」


「・・・」


「は?・・・あ?」


突然踵を返し外に向かい、フェンはその後に無言で続く。バッカスは何が起きてるのか理解不能みたいだ・・・俺もだが


「おら!ボケっとしてないで来い!あとサレス!今回の件はアタイの権限で不問だ!分かったな?」


「ちっ」


「は、はい」


バッカスは頭を掻きながら舌打ちし、俺を睨みつけた後レンカの後を追う。結局なんだったんだ


無事登録も終わり、明日またギルドに来て登録証を貰えば完了だ。シーリスとリオンを待ちながら依頼書を見てると・・・


「すみません、お願いがあるのですが・・・」


「うん?」


声の方に振り返るとそこには1人の男性・・・年の頃ならナキスと同じくらいか?が、立っていた。薄い金髪が無造作に伸びて目を隠しているが、鼻と口元を見る限りそこそこ美形っぽい。身長は俺より少し高いくらいの中肉中背・・・これと言って特徴はないが不思議な雰囲気を醸し出していた


「仲間を待っているんですが、それまでの間に依頼書を確認したくて・・・」


「ああ、すまん」


依頼書が見たかったのか。相手にも見えるように横に避けると男は手を突き出して横に振る


「いいえ!・・・その私はこうでして・・・」


言うと前髪を手で上げる。瞳は閉じられ確認出来ない・・・そういう事か


「・・・読みあげれば良いの?」


俺の後ろからひょこっと現れたシーラが男性に言う


「御手数ですが、よろしければ・・・いつもは仲間が一緒に来て確認してくれるのですが、今日は遅れているみたいなので・・・」


男は困った顔で言いながら、頬を指で掻く。物腰柔らかく人を惹きつける何かを感じる。シーラは丁寧に左から順に依頼の内容を伝える


「ありがとうございます・・・あ、失礼しました。私は傭兵団『二対の羽』を率いるグロウと申します」


「傭兵団?」


「ええ。お恥ずかしながら、私はこういう身ですので1人で出来ることに限りがありまして・・・」


目が見えないのに傭兵団を率いてるのか、凄いな・・・で、傭兵団ってなんだ?ただの傭兵の集まりか?


「なるほど」


「グロウ!」


ギルドに入ってきた男性はグロウの元に近づき小言を言うと俺らに会釈してその場を後にする。グロウも会釈をしていたが、明後日の方向にしていた。よくアレで率いれるもんだ


「二対の羽・・・聞いた事あるわ。様々な所に現れて実績を上げてる傭兵団。今、注目されているけどメディアに居たのね」


「ふーん、ところで傭兵団って?」


「・・・サレスさんに聞いて」


面倒くさそうに言うシーラ。最近俺の扱いが酷い


「傭兵団は30名以上でギルドに登録する事が出来る傭兵集団です。リーダーが赤以上、30名以上以外の条件があり、登録の際に傭兵団名を付けることが出来ます。ちなみにメリットは多人数が必要な依頼の時に指名されやすいのと名声によっては戦争時など好待遇だったりします。デメリットはほとんどありませんのでどこかに所属される事をお勧め致します」


「デメリットがない?」


「はい。各国有事の際にどれだけ人を集めれるかが重要となります。ですが、何も無い時に兵を抱えていると費用がかかりますので、傭兵に頼る事も多いのです。ですので、まとまった人材の確保の為に傭兵団を囲っておきたい・・・という事で、各国は傭兵団を推奨し、デメリットを無くしているのです」


「にしては、条件があるのな」


「前はもう少し緩かったと聞いております。ですが、仕事がない傭兵団が野盗化するケースが増え、ある程度の名声を持つものに限り傭兵団を結成出来るようにしたそうです」


バッカスも赤だったよな・・・


「ちなみにバッカス君は赤ですが、30名集める程の人望がなく・・・根は良い男だと思うのですが、あの様に粗暴な一面がございまして」


「なるほどね。ありがとう、サレスさん」


「いえ、分からないことがありましたら、なんでもお尋ね下さい。ちなみに先程の『二対の羽』ともう一つ『鋼の剣』は評判が良いですね。前者は各国を渡り歩いているみたいですが悪い噂は聞きません。後者はメディア国を中心に活動している傭兵団でして、国内最大級の傭兵団となっています。リーダーのガレスさんは国内唯一の『黒の称号』の持ち主でもあります」


「あ、ああ、考えとくよ」


サレスさんに圧倒された後、シーリス達が来てから宿へと向かった。なんか登録だけでどっと疲れた


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