表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
4章 地球からの来訪者
96/109

95話 再開の約束

それから僕達はまた少し談笑を続ける



話し込んで、話し込んだ



まだまだ話したい事は沢山ある



でも、僕のワガママだけでどうこうしていい物じゃ無い



僕は自分の心を戒め、彼女達に言った




【そろそろ色んな意味で限界だな…… もう少し話し込みたかったが、向かえよ♪】




これが今の僕の精一杯


全力の言葉と、全力の笑顔だ




「向かう? どこに?」




泉は首を傾げて問う




【あの河さ…… カタストロフィ…… この世界に()()()()()()()()()ずっとは居られない…… 生まれ変わりの時間だ】



「そっか…… あの時とは違うもんね…… 本当に死んでるんだから……」



【ああ…… 生まれ変わりを済ませなければ魂のみがコノ世を彷徨(さまよ)うからな…… 楽しかったよ…… 何百億年と生きてきた中で1・2を争う位にね♪】



「私も…… いえ、私達もだよ♪ ありがとね、ノア…… またいずれこの場所で♪」



「そうだね、泉…… いずれこの場所に…… 懐かしいコノ世界に戻ってきたら、また話そうね、ジャッジメンター♪」



【ああ…… 2人とも、ありがとうな♪ 良い来世を!】






良い来世を……



もう、行くのか?



もう、逝くのか?



今まで色んな魂を見てきたけどよ……



彼女達の魂を見送るのは……






いや、これ以上はダメだ



彼女達に《来世》は贈った



極上の来世を……








彼女達はニコリと僕に笑い掛け、立ち上がる



そして僕に手を向ける



微笑む彼女達との握手



今における最後で、最期の握手






2人は(きびす)を返す






広がる砂漠へ歩き出した






ザリザリと音を立てる砂の音






その背中に僕は居てもたっても居られず叫び掛けた






後悔はしたくない






僕はまだ先延ばしにしていた《ある言葉》を彼女に、泉に伝えていなかった






【なぁ、泉!】




彼女は顔だけ振り返り、僕に向ける




「何?」




僕は《姿》を現す



いや……



今までもココに居たが、影では無い



《ヒトとしての姿》を彼女達の前に現した





改めてソレを伝えるのは恥ずかしいものだ






藍が咲子と泉を買い物デートとやらに自ら誘ったという事を以前聞いている






これ程までに勇気が要ることだったのか……






僕にソレが言えるのか?






ダメだ、言わなきゃ伝わらない






戦いとは種類の違う勇気を今、心に携え…… 僕は泉へ言った




【前向きに検討した結果なんだがな……】



「ん?」




キョトンとした表情



その顔で妙に緊張感を掻き立てられる






言え……






言う事なんて簡単だろ?





そうさ……






うん






後悔は、絶対にしたくないんだ






コレが、今が……






今期では最期の機会






今を逃せば、次は遥か先の未来になってしまう






だから、勇気を……






恥ずかしいなんて言ってられない






今は……


今こそ……


今だけは、勇気を……








僕は固く真一文字に接ぐんだ口を開く



そして、彼女に…… 泉に告げた




【正式にさ…… 友達になろうか! いや、違うな…… なってくれないか? も、上から過ぎるか…… 友達に、なって欲しい……】




言えた……



少々おぼつかない言葉ではあったが……



僕は視線を足元に向けた



顔が異常なまでの体温を熱している



顔だけじゃ無い



体までもが熱い



どうしちまったんだ、僕の体は……



壊れちまったのだろうか?







ゆっくりと足元から目を離し、泉へと向き直る






彼女は僕に微笑んでいた






隣に居る咲子が僕に向けた拳の親指を真っ直ぐ空に向けて立てている



そして口が(わず)かに動いた



その動きを読む



《頑張ったね、ジャッジメンター》



そう語っている






泉もまた体を僕に向けて声を上げた





「勿論よ♪ また絶対に話しに来る!! 私、ノアの事…… 忘れないから!!」




スッと引く、体の火照り



コレが現世での最期だと解っていても、もう淋しくない



来世の君達に逢えるのはまだまだ先だと解っていても淋しくない



僕は多分……



一生を掛けた友に巡り会えた



とても大切な何かを君達から貰ったんだ



だからサヨナラは言わ無い



コレはサヨナラじゃ無い






コレは再開の約束だ






【咲子! 泉! 来世に幸ち有れ!!】






僕の掛けた最後の言葉に彼女達は手を振り、背中を向けて歩き出した






向かう先は《転生の門》






どんどん小さくなる姿






人影になり、淡く揺れる黒い何かになり……






そしてユラリと昇り立つ蜃気楼の先に消えた






彼女達との別れ






淋しく無い






淋しい訳が無い






僕達は再開の約束をした






それがずっと先の未来であっても、僕は忘れない








それでも、ただ僕は……








もう見えない彼女達の歩いた道を、砂漠に付いた足跡を立ち竦んだまま、眺めていた






その時だった






突如、僕の直ぐ両隣に感じたオーラ



爆発的に膨れ上がる巨大な力と存在感は《彼等》の物だと感覚で理解する






キュイィィン……






そんな耳鳴りの様な甲高い音を僕の頭の奥に響かせるのと同時に開いた2つの大きな穴



それはルビーとサファイアのゲートだった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ