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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
4章 地球からの来訪者
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84話 双龍の心

泉が地球へ戻った


咲子の元へ、恋人の元へ……






そして、母なるアースの元へ






この世界から祈ろう


そして信じよう






彼女達の戦いを……








僕はこの戦いに()いての部外者


立ち回るのはモリサダだ


奴と、友と、その意志を継ぐ娘達の戦争





モリサダ、清算してこい


お前の後悔を……








僕はまた終焉の門の足元に腰を下ろした








しばらくした頃だ




ピリッと背中に感じたオーラ




《何か》が《何か》を()()()()()……




力の度合いが大きい……




このゲートからの吐出感、オーラ総量、質量は……






【フフフッ……】




僕は笑っていた






アイツらがやりやがった♪



間違い無く《双龍召喚》の気配






感じる力で位置は分かり易い


僕は両の掌を合わせ、中央をゆっくりと開く


そこにはバチバチと稲妻が迸る紫色の穴(ラピス・ゲート)が生まれ、その空間に力を流し、そして広げた





こんなもんで良いかな、と……





広げた穴から直接届く不安感


コレは彼女達、そして彼達の物だろう





まぁ、なんにせよアルトロン発動とは切羽詰まる状況である事は理解出来る



僕はラピスのゲート、紫色の穴に向けて話した




【咲子か……?】




一瞬止まった後の歓声




「ええ! 咲子よ! ジャッジメンター♪」




声の感じからは無事の様だな♪




【フフッ…… そうか…… お前なら喚び出せると思っていたよ】



「ありがとう♪」




咲子は1度、呪の穴の生物を助けた件があったからな



彼女がラフレシアの魂の半分を持つとすれば、考えられるのは《技》にあたる部分を継いでいる



特に勘が良い娘だ



それも相まってラピスのゲートを開けた事のある彼女なら不可能では無い





さて、と……




【ソコに泉は居るか?】




咲子じゃ無い、別な女性の声


もはや聞き慣れた《泉》だ



「ええ! ココに居るわ!」



【よくやった、泉♪ 頑張れ! お前達の未来の為に!】



「ありがとう…… 私…… 私達…… 頑張る!」




ああ、頑張れ…… 泉!



お前もラフレシアのもう半分を継ぐ者



僕に見せた戦いから簡単に推察出来る、彼女の《力》を魂に宿した娘



咲子だけじゃ召喚ゲートを開くのはラピス総量的に無理だった



元は1つの魂



泉の《力》を流用して咲子の《技》がゲートを開いたのだろう



生きたいと願った彼女



優しい世界を創ると言ってくれた彼女



ラフレシアの想いが双龍達に届かない訳が無いよな……




【ああ、期待しているよ、泉♪ 僕を楽しませろよ? お前との67年後の世間話(せけんばなし)…… そちらも楽しみにはしてるのでね♪】



「うん!」



【そこにはラインフェルト、アーサーも居るかい?】



「ゴ無沙汰シテオリマス…… ジャッジメンター様!」




急に耳へ届いた声にドキリとした


以前会った頃は子供だ


幼い声だったのに……




あの時と変わらず澄んだ声だが、実に大人びた心地の良い声色が頼もしさを感じさせる




【ああ、ラインフェルト…… 16,7年ぶりか? 声で解るよ、(たくま)しくなったな! アーサーは僕の事を覚えて居ないだろうがね? フフフッ♪】




すぐに届いたもう1つの男性の声




「ハイ…… スミマセン……」




こっちがアーサーか♪


さすが双子…… 声が似ている




【良いいんだ、謝る必要は無い♪ 2人とも泉、咲子を大切にな!】



「ハイ!」

「ハイ!」




良い返事だ


実に頼もしい


それに迷い無く答えたって事は恋人同士に成れたんだな♪






良かった……






だが、()()()()()()()()は果たして貰わなければならない


改めて伝えておかなければな……


昔の事だ


忘れられていても困る




【この現世では自由に幸せになれ♪ だが、来世は手伝って貰うからね、その際はよろしく頼むよ、神の片翼達♪】



「承知シマシタ!」

「承知シマシタ!」




憶えて居てくれたか……


有難い♪


君達には期待しているんだ、アーサー、ラインフェルト








おっと……


先にホンとツァンへ話しておかないとマズいな


彼等は事の成り行きを知らないハズだ




【少々、内々(ないない)の話がある…… 《ホン》と《ツァン》を借りるぞ】



「え? ええ……」




僕に答えた泉


少々不安が感じられた語尾ではあったが、優先せざるべきは双龍だ



今後の戦争の成り行きに支障が出てはマズい



余計な事は聞かせないように、僕は双龍にのみ直接話し掛けた




【ホン、ツァン…… 面倒を掛けてすまない…… だがコレはお前達でなければ果たせない役目だ…… それに泉からは対価としてガムを受け取っている】



【しかし…… 主様…… 】

【ソウは言われましても……】




解るよ……



ガムを受け取った程度で地球を破壊するつもりかって事だろ?



だからお前達へ優先して話せなければと思ったのさ



その件だけが僕の総意じゃ無いんだ




【ガムがどうだのだけじゃ無い…… コレはモリサダの意志でもある♪ 彼女達の敵は簡単に倒せる者じゃ無い…… 双眼の覚醒ルビー、そして本日終焉の門を大量のヒトが通る可能性…… ヒトを操り、共鳴させた部隊が居そうだ】



【はぁ…… 主様がそう申されるのであれば…… 断る理由はございません……】




ま、この程度で納得はしないわな……




【勿論、僕は地球破壊を考えてなど居無い…… 彼女達ならアルトロンを使い熟せると信じているからだ】




そう、僕は信じている


力も技も使い熟せる


彼女達の強さを、神の片翼となる青年も…… 僕は信じているんだから




【なあホン、ツァン…… お前達がアルトロンを修練したのはモリサダの意志だろ? その時、何て言われたか憶えてるか? お前達の母親、ラフレシアは生きている…… そう言ってたろ? 彼女達が…… 咲子と泉がラフレシアの魂を受け継ぐ者だ】




声で解る


双龍達は固まっていた


僕の言っている事が理解出来無いだろう


でも理解しようと努力してくれているのも解る



だから僕は続けて語り掛けた




【信じられないのは無理も無い…… 僕だって、特に泉に関してはつい先程知ったんだからな…… そしてもう1つ言っておく…… 近くにもう1人の女性が居るハズ…… 彼女は…… レシアの母、アースの魂を受け継ぐ者だ】



【お、お(たわむ)れを…… この者達が……? (まこと)で…… ございますか……?】



【ホン…… 確かにコノ者達の中に…… 感じるぞ……】



【ツァン…… 確かに…… 感じるな……】



【解ってくれたか? 多分この時の為にモリサダはアルトロンの修練を積ませたんだ♪ 先の終焉の門前、魔物掃討の為じゃ無い、今…… 今、ココで必要なんだよ♪ それが、モリサダがお前達の想いを汲み取った…… 母親との再開だ!】




双龍達は無言だった


でも心は伝わる


ホッとしているような、安心したような……


温かみの感じるオーラ




【なぁ…… だから助けてやってくれよな♪ ラフレシアを救えるのはお前達以外に居無い…… 頼んだぜ】




彼等から整えた心、そして意志、覚悟が伝わる



その心持ちのまま、僕に言った




【主様…… 承知しました…… (おお)せのままに……】

【主様…… 承知しました…… 仰せのままに……】



承諾してくれた双龍に感謝し、僕はラピスのゲートを閉じた


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