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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
4章 地球からの来訪者
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83話 泉では無い、泉

友達になって欲しい、か……


心地良い響きだ





彼女の願いに僕は一度、空を見る





でもアレだな……


コレから戦争に赴く泉にYesと安心を与えるのはマズいかな?


一瞬の判断が生死を分ける戦いだ





会ったばかりに言われた失言も込みで、この答えにしておくか♪




【前向きに検討しよう♪】




僕はニヤニヤしながら返答した




「即決じゃないのね…… まぁ、最初の印象が最悪だったしなぁ……」



【まぁな…… ただ、67年と169日後にまた会えた時には世間話でもしようか♪】



「ん? それは?」



【この扉からお前が戻ってくる日だ】



「つまり? あ…… 寿命って事!?」



【そう♪ そして、咲子の命日の32日後だな…… お前らの暦の1ヶ月と1日後だ】



「私の方が長生きするのね…… ハハ……」



【そうだな……】





突如変化した彼女の表情


ん?


コレは疑問の顔か?


ソレを肯定する言葉を彼女は発した




「あ、もう1つだけ聞くんだけど、ダストが言ってたプルートゥって……?」



【あれか…… プルートゥは冥王だ】



「冥王? そういえば…… 冥王星って、英語でプルートゥって言うはずだけど……?」



【まあ、そうだな…… そのプルートゥだ】



「なんでダストがその名を?」




言いたく無い


思いたくは無い


僕が生み出した子供の様な存在


それでも、答えが出ちまった




【僕らの敵…… だからさ……】




言葉にすると…… ツラいな……




「プルートゥって奴の手下って事!? ダストが!?」



【結果、繋がりはしたな…… 冥王が魔獄領域だけでは飽き足らず、魔物を操ってるようだ……】



「何の為に!?」




そこまでの思慮を巡らせた事は無い


知ったのだって先程だ





どうだろう?


大昔に冥王星と地球と交換案を提示した事もあったか……


それにより地球は最悪の寒波、氷河期を迎えた訳だがな




【さて…… 他の星が欲しいんだろうよ?】



「は!? まさか地球も狙ってるの!? 私も手伝わなきゃ!!」





僕は大きく手を振った





【大丈夫だ! ありがとな♪ コレは僕と神、そして天人(アマツビト)の仕事だから気にするな!】



「そ、そう? てか、アマツビトって何?」



【僕は門番をしているだけで、この世界にも国や村は在る♪ この世界のヒトをアマツビトって言うのさ♪ そしてその精鋭は中々に強ぇーぞ!】




ムゥムゥを筆頭に、ニコやレイジ……


ポポンの案で各所に常駐させているダイヤモンド・アイ所持者



充分過ぎる手練(てだれ)が多い




「そっか♪ なら安心ね!」



【ああ、気を使わせたな…… すまない……】



「いいのよ♪」




僕に笑顔を向けて扉に歩き始めた彼女



だが不意に感じた違和感により、僕はソレを止めさせた




【何度も悪い! 今度は僕が足止めしてしまったな…… そのままで良い! さっきレクチャーって言ってたが…… 僕はしていない…… それはどういう意味だ?】




泉は顔だけを僕に向け、言った




「私の中に居る私みたい」



【は?】




何言ってんだ?


意味が解らないが……





彼女の言葉を理解しようとしていた僕だったが、その後に言った言葉に……






僕の感覚は停止した






「直接教えてくれたのは()()()()()()()て人だよ」






お前……


今、何て言った……?






ラフレシア






そう言ったのか……?






【お前…… 何言ってるんだ……? あの子のわけが無いだろ?】



「そう言われたって……」



【あの子はもう……】




咲子の体の中に……


魂の中に……


いや、そんな事よりも先ず聞かなければならない!




【てか、なんでラフレシアを知ってるんだ!?】



「いや、だから……」




その時、笑った



泉が笑った



今までの()()()()()



笑顔の雰囲気がまるで違う優しげな微笑み




【え?】




僕はそう呟いていた



懐かしい微笑みに心を奪われる



レシアを思い出す



顔は全く違うのに……



まただ……



妙に泉の雰囲気へ、ラフレシアが重なる





彼女は、扉に振り向いた








僕に見せた後ろ姿








なぜだろう……








その姿だけでも……


レシアを思い出すのは……








一時(いっとき)の間の後、振り向いた泉








もう一度見せた、笑顔








ゆっくりと開く唇








ソレが、言葉を…… 紡いだ








「ノア様…… またね♪」




違う


違う……


そうじゃ無い








コレは……


()()()()()……








重なるオーラ


重なる雰囲気


重なる笑顔


思い出と重なる、言葉








【お前…… まさか……】








レシアだ……


ラフレシアだ……


咲子じゃ無い、もう1人のラフレシアだ






間違い無い


解る


今なら解る






僕が腹を魔物に穿(うが)たれた意識の海の底でも呼びに来てくれた彼女






あの場でも言っていた






『僕が死の淵に立った時、助けに来る』と……





【そっか…… ホントに助けに来てくれたんだな…… また会えるとは…… これを奇蹟と呼ぶのか…… なぁラフレシア、そこでは幸せか?】



「うん♪ もう1人の私と幸せに生きてるよ♪」




もう1人の?


ああ、咲子の事か……




【そっか…… 何百年と持ち続けた後悔…… アノ判断で良かったのか心配だった…… その言葉で救われた気がするよ…… ありがとう…… ソコに居てくれて……】



「今度はノア様の本当の笑顔が見れて良かった♪」



【そっか♪】




そうだな……


君は言っていた


最後に僕へ『笑って』って






随分と心配掛けちまったね






君のお陰で、僕は生きている






ありがとう、レシア






彼女はまた微笑む



そして、言った




「じゃあ、67年後に…… また♪」






もう行ってしまうのか……?


いや、これから泉の……


咲子やアーサー、ラインフェルトの戦いがある


これ以上引き留めるわけにはいかない…… よな





【ああ…… またな♪】





充分だ



うん、コレで充分だよ



本当に幸せだ



同じ時代にレシアの魂を持つ女性2人と同時に会えるなんて……



なんて奇蹟だ



レシア……



行っておいで



そして世界に幸せを与えておくれ






僕は、僕の表情が解らない






でも、満たされた笑顔を浮かべている事は認識出来る






だって、レシアが言ったんだ



『本当の笑顔が見れて良かった』って






暖かい気持ちを感じ、彼女に目を向ける






その時、僕にも聞こえたレシアの声



懐かしい彼女のまま、心地良く耳に届く



僕の心が泉の心に、魂に……



()()()()()()()





《ありがとう、泉…… 貴方のお陰で、またちゃんとノア様と話せた…… もう後悔は無い…… 行こう! 咲子が待ってる!》



「ええ、行きましょ! 一緒に…… 世界を救いに!」



《あの世界ではサポート出来ないから…… 2人で…… いえ、4人で頑張って♪》



「勿論♪ 私は信じる者をトコトン信じる! 行こう! 懐かしいあの世界へ♪」



《ええ♪ 出航よ!》






彼女達は扉に手を掛けた






ギィ……






そんな音を立てて、扉が開く






泉は振り向いた






そして僕に手を振った






僕も彼女に手を振り返した






扉から溢れる光に手を伸ばす






その光が腕に、足に、体に(まと)わり付く






《あ、泉……》



「ん?」



《言い忘れてたんだけど、私ね……》



「どうしたの?」



《私…… 泉の…… 前世なの♪ そして咲子の前世♪ そして【ホン】の母親で、【ツァン】の母親♪ ノア様は一応、地球で言うと私の祖父よ♪》



「このタイミングで言うかね!? そんな大暴露(だいばくろ)!!?」



その時、彼女の全てが光りに包まれた








行ってらっしゃい



そして、頑張っておいで



僕の大切な…… ラフレシア……


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