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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
4章 地球からの来訪者
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81話 泉の戦い

ダストが泉へ射抜く様な劣悪な眼差しを向けて口を開く



【オ前…… 本気カ?】



「本気よ……」



魔物の威圧感に泉も負けては居無い様子だ




良いねぇ♪


こんな超接近で自己に被害の及ばない《死合い》観戦が出来るなんてそうそう有りはしない


まぁ、泉が本当にマズい状態になったら、手を貸そうとしているのは秘密だ






だが彼女は『勝つ』と断言した






だったら特等席から見守ろうじゃないか♪





【俺は強いゾ…… ダが、有リ難イ…… オ前ヲ殺したカっタかラな……】



「そうなのね…… お互い丁度良かったわ♪」





泉が答えた直後



ダストの羽根がピクリと動く



泉の目の前へ飛ぶ



速い!



彼女は両腕で受け止め、直後、蹴りを振り上げた



が、横に(かわ)した!?



また拳が襲う



速い!



受け止め切れない!



バキャン!!



体が吹き飛んだ泉



足元にまた岩を創り体制を整える



ドキリとしたが、ダメージは…… 無いようだな






瞬時にラピスの鎧へ力を流したか?


ほう、スムーズだな……






ん?


ダストが手を向けている!?





多分、黒球を放つ!



彼女が纏う両腕の手甲の色味が増す



奴が放った!



一気に吹き飛んできた黒球



泉が両手を前に向ける



掌で受け止めただと?



直後、黒球を鷲掴みにした



分解か!?





いや、してない!?





そのまま黒球を両手に収め、一旦後ろへ後退し、足元に岩を創った




【ソレは俺の力の塊ダ…… ダメージは無いゾ!! 俺に放っテも無駄ダ!!】



「解ってるよ! そんな事は!!」




腰を低く下ろした泉は足元の浮遊岩をダストに向けて蹴り跳んだ



ダストは棒立ち



随分余裕だな……



ダストが手を上げる



その手は握られ殴り下ろす初動



無策で勝てる程の余裕は無い



大丈夫なのか?



彼女は叫んだ





「貴方は私より速い!! ソレが()()()()()なのよ!!」




タイミングを見計らったダストの手がビュッと風斬り彼女へ振り下ろされる



直後だ



ダストに跳んだ泉の右前方、そしてソノ前方、左に【岩】が現れた!?



右前方の【岩】に肩を当てる



跳躍の()()()()()()()!?



ソコには、その奥に作った左の岩



ソコにまた左肩を()らせる!



ダダン! と連続した衝突音と共に彼女は岩の間で己をバウンドさせた






なんて面白ぇ戦いしやがるんだ、この女……






タイミングがズレたダストの拳が空を切った



驚き、表情を歪ませたダストは逆の手を振り上げる



ダストの手前まで到達した瞬間、体を捻る彼女



そのまま体を回転させた時だった







【ギャゃゃやャャャャァあァアアアァァァァァァァァァ!!!!!】







突如、ダストが上げた絶叫



それと同時に落ちたダストの両腕…… 下半身……



そして上半身から()()()()






何が起きた……


訳が解らない!





【貴様ぁぁァァ!! 何ヲしタぁァぁァァ!?】




僕の疑問と同じ言葉を出したダストは苦悶の表情を映す




彼女はダストの手前にも岩を創り、静止した



目の前にはダスト



もう、手を伸ばすと触れる事が出来る程の至近距離



泉の両手には奴の放った黒球を抱いたままだ




「マントよ」




泉は言った




【なンダと!?】



「だから、マントで斬ったのよ…… 貴方の前で旋回した時にね! 甘いんじゃ無い!? ノアの鎧…… そのマントと、私のノアに似せた鎧は別物! 私の、この()()()()()()()()()なのよ!」






確かに僕の鎧は防具だ



そうか、そういう事か!



泉の鎧は違う



()()()()()だ!



つまりは力そのもの!



全てが攻防一体



()()()()()()()か!



触れれば斬る!






凄ぇぜ、お前……


こんなトリッキーな攻撃は見た事が無い……





「アンタの黒球持ってるからって安心したでしょ? コレを当てられてもダメージは無いからね……」




そうか……


奴の黒球は偽物(フェイク)か!




【チィ!!! 見誤(みあやま)っタか!!】



「そうね…… 全てを見誤ってる」




何だ!?


まだ何かあるのか!?




【ナにをダ!?】



「全てがフェイクなのよ!」





彼女が視線を向けたのは、手に持つ黒球



その闇色の所々から【別の色】が生まれた





パリパリと小さな【紫色】の稲妻が走り殻を破る




泉の持つ黒球が紫色に変化した…… だと!?




「私は体外に離してラピスを精製出来ない! だけど、貴方の黒球の【内部】なら別! 接触しながら貴方の黒球の中を分解して、【中】に私の力を貯める事は可能!!」



【貴様!!? まサか!!】



「今頃気付いた!? 今まで抱えてた黒球は殻からだけよ! 私は最初から私のラピスを抱いてダストの前に来たって事! ()()()()()()()()()()の、私のラピスをね!!」




こ、コレが才能なのか……



ヒトの意志



彼女の心



それにラピスが応えたのか!?



あり得ない事が起きている……



こんな簡単に馴染む訳が無い



早過ぎる……



これじゃまるで……



以前所持していたラピスを取り戻しただけの様な……



使い慣れた力を持つかのようなスムーズさじゃ無いか!?






彼女は大きく振りかぶり、真紫の球をダストの頭部に向かって押し込んだ




溶け込む様に、奴へ吸い込まれた紫色の塊




なんの変化も見当たらないと思われた時、ボンと軽い爆発音




ダストの頭部が変化し、丸い突起物が額に現れたのを見逃さない




そしてまたボンと鳴った次の瞬間、頬から顎に掛けて大きく歪んだ





【ギュァオォォォぉおぉ!!!】





突如、声にもならない声を吐き出す





【いイいいズれぇ!!! 《プルートゥ》がオ前を殺ぉォぉスぅぅゥぅ!!!】





プルートゥ!?



確かに今、そう言った!



どういう事だ!?



僕が問い掛ける間も無く次の瞬間ダストの頭部が…… 弾けた






プルートゥが……


奴が暗躍しているのか……?





何が起きている……?


何が目的だ……?





何を考えているんだ、プルートゥは……





ただ、確実に繋がったのは、プルートゥと魔物達に何かしらの協定か、主従関係が結ばれている事だ






何だ?


解らない……





疑問が目まぐるしく脳裏を巡る



だがその後冷静を宿し、泉の戦いを見届ける為に空に置いていた僕の意識



ソレを体に戻した



見上げたままの姿だった僕の瞳に映っていたのは、笑顔で空から見下ろしていた彼女の顔



泉のバトルセンス、それより何よりプルートゥの反逆に驚きの表情を映していた僕ではあったが……



それでも極力の平静を装い、彼女に向け微笑んだ






今は考えていてもしようの無い事だ



直接プルートゥに問いたださなければ解決には成らないだろう






今は…… 今だけでも……


泉の進化を喜ぶべき時だから

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