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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
4章 地球からの来訪者
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79話 面影

それからの彼女は素晴らしい戦いを見せていた



コレが才能と云うのだろうか……






ムゥムゥの様な緻密な才能



ニコの様な努力から生まれた才能



レイジを思わせる感性が開花した才能






どれにも似ていて、どれでも無い






全てを少しずつ含む才能が近い






今まで(つちか)った緻密(ちみつ)さ、努力…… そして、感性(センス)






上空の魔物の群れに跳び、自身が創った反重力の岩を跳び回る



特に多いエリアに跳んだと思われた瞬間、奴等の群れに大穴を空けた



手甲のみならず、脚甲を纏って大きく蹴り上げた



ラピスが馴染んだというのか?



もう、なのか……?



だとしたら……



何と美しい才能か……








見惚れる動き、見惚れる力








そんな中で、あるモノを見逃さ無い








魔物達が黒球を創り上げ、ソレを寄り集め……



僕の宮殿を丸飲みするレベルの巨大な黒い力を泉へ放った








手を貸そうかとの判断はあったが、僕は止めていた








モリサダ……


何故だと思う?








アイツは…… 泉は……








この極限で更に才能を開花させたんだよ








僕の纏う、レシアの名付けた《深影(しんえい)の鎧》



ソレをラピスで創り、自身に纏いやがったんだ








才能か……








なんて陳腐な言葉なんだろうな








ソレを持ち合わせないヒトは嫉妬するダケなのに、持ち合わせるモノからすればとても簡単な物事








ただ1つ…… 言える事はある








才能とは、持ち合わせただけのモノでは無い



少なくとも彼女、泉は……



多かれ少なかれその努力をしてきたのだろう



それに感性と才能が引っ張られ、手を貸した



努力に優る才能無し……



アイツは……



アイツの努力は……



世界を救う










僕は彼女の戦いを安心して見ていた



僕の深影の鎧の模造品(レプリカ)



いや、ソレは失礼だな



自身で生み出したラピスの鎧を纏い、奴等の黒球をその身で受け止め…… そして破壊した






だが、僕の安心と共に、彼女も安心したのだろう






直後、泉の()()()()()()()()事に気が付いた時、僕の感覚が一瞬止まった






マズい……


ヤめろ……




願いとは裏腹の黒光りを上げた魔物の手



彼女へ向けた禍々(まがまが)しい輝き





その光景に僕は凍結した感覚を()()け叫んだ




【《ホン》!《ツァン》! 喰らい尽くせ!!】




泉に向けた僕の両掌



彼女の両隣に【紅】と【蒼】の閃光が走る



それは天までを一直線に繋ぐ程の大きな光の帯



オーロラかと思える美しい輝きを放つ2色の巨大な円柱の様にも見える造作






双龍を召喚した






右手からは蒼い光


左手からは紅い光を迸らせた彼等は、泉の両隣の魔物を喰い千切りながら空の彼方へと閃光を散らす






その出来事に泉は驚愕の表情を僕に向けていた






無事の様だな……


安心したぜ


咲子にちゃんと返さないと友として怒られそうだしなぁ




ふぅ……




また咲子か……




つくづく孫離れ出来ないな、僕は……




ま、良いさ……




孫娘を大切にして何が悪い?




構わねぇだろ?




さてと…… 泉も無事の様子




【戻れ……】




僕は双龍に向けて告げる



キラキラと光を放ち、空に向かって飛んでいた巨大な円筒






ソレがピタリと静止した






直後、グニャリと曲がり彼女の両脇をかすめて戻る紅光と蒼光



僕の目前で大きく《く》の字に天へ飛翔し、動きを止めた双龍



空にうねり、鎌首をもたげた彼等が見下ろしていた







【ノア…… ソレは何ダ!?】




ダストが声を上げた




【説明する時間が勿体(もったい)無い…… 言うなれば《無》の化身と《呪》の化身だ】






甘ぇな、僕は……


無駄に説明しちまった


まぁ、そんな事はどうでもいい


今、僕の怒りに触れているのは《契約破棄》


ソレだけだ






【なぁ、ダスト…… ソコの愚物は僕の大事な客人だと言ったろう? 何やってんだ、テメェ……】






一時の間が空いた後、ダストは答えた






【コの人間は…… 仲間ヲ消しタ…… 許さナい】



【ソレはお前の理屈だろう? 僕の答えには成っていない…… ()めろと言ったら()めるべきだ…… そうだろ?】



【ダメ…… 許さナい…… 俺ガ喰うカら……】



【2度同じ事を言わせるな】



【うルさイ……】




お前……


僕のギリギリの恩情を蹴りやがったな




【…… もういい、解った…… お前、終わりだ】





ダストよぉ……


昔、お前に伝えたよな?


『契約破棄は万死に値する』と……






僕は空を見た



そこには鎌首をもたげた双龍



ホンとツァン



2匹に視線を合わせた





【だそうだ、ホン…… ツァン…… 終わらせるぞ】



【承知した…… 主様(ぬしさま)……】

【承知した…… 主様……】




僕は彼等にコクリと頷く


その時だった




「待って、ノア!」




僕に声を掛けたのは泉だった



どうかしたのだろうか?



そんな疑問を持ったまま、彼女へ問い掛けた




【あ? どうした?】



「その人…… ダスト…… 強いんでしょ!?」



【ああ…… 僕ほどでは無いがな】



「それは解るわ! でも……」



【だからどうした?】



「その人と…… ダストと私…… 戦いたい!!」






は?



何言ってんだ、コイツ?






【お前…… 本気で言ってんのか?】



大真面目(おおまじめ)よ!」




やれやれだな……




【お前は随分とラピスに慣れはしたが…… 馴染(なじ)むまでは少し時間が足りないかもな? 苦戦するかも知れねーぞ?】



「それでも…… 強くならなきゃ…… 地球に戻る時には…… 咲子に宛てにされる強さが無きゃ…… 私…… 咲子の隣に行けない!!」



【咲子の為……?】



「そうよ! この世界に来た意味…… ラピスだけじゃ無い! 私はホントの強さを身に付ける! 咲子の為にも! 世界の為にも!!」






咲子の為……


世界の為……






何だろうな……


お前を見ると……



咲子よりも、彼女を思い出す





レシアを……







真摯に僕を射抜く視線


感じる覚悟


自分の為よりも、他人の為に強く成ろうとする意志






なぜか、お前に…… ラフレシアの姿が重なる



なぜだろう……



妙だな



顔も声も違うのに……



お前にラフレシアの面影を感じるなんて……


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