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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
4章 地球からの来訪者
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70話 咲子

レシアの魂を継いだ娘



モリサダは彼女を《咲子》と呼んだ



『花にまつわる名に生まれたい』



彼女、レシアの願い



良かった…… (うま)く叶えられた……








早く会いたい



会って何を話そう?



いや、余計な事は言うまい……



彼女の戦いが間もなく始まる



彼女、咲子の時間で…… 明日だ



今、必要の無い知識は混乱させる事になりかねない



だから、彼女の聞きたい事だけを話そう








永遠とも感じる長い時間



それでもモリサダの言う時は来た








彼女が、来た








足元からザリザリと音を立てて砂漠を僕へと、終焉の門へと歩いてきた



生前のレシアの様に、美しいというよりは可愛らしい女性



君が…… 今の君か……






僕の前に立ち止まった彼女に、居ても立ってもいられず声を掛けていた




【キミが()ばれし者かい?】



「喚ばれし者?」




力を求め、この世界に招かれた者


いや、そこまでは知らなくて当然だ


先走ったかな……


まぁいい、はぐらかしておこう




【あれ? 違ったかい?】



「よく解らなくて…… ごめんなさい……」



【あれれ? 随分と腰の低い媒体(ばいたい)だね……】



「媒体……?」




地球人の器


ある意味、誰しもがレシアの魂を宿す権利があった


花の名であれば、だがね


これも話してもしようの無い事だな




【まぁ、でも、いいや】



「どういう事?」




既に困惑気味の咲子


余計な事を言い過ぎたかな


なんにせよ門の外が騒がしい……


これ程に大きな力


咲子の蘇生に全力を使っている奴が居るな……


門の外側に居る者






多分、この力は()()()()()()()()()()



ラインフェルトか……?



そっか……



モリサダと僕のサファイア・アイを混ぜ合わせる事に成功したんだな



大した使い手になったもんだ♪



嬉しいぜ……



実に頼もしく感じるよ



いや、先ずはまた、咲子へは()()()()()()おくか……




【その質問もいいや…… キミには抵抗力が働いてる】



「ねぇ、どういう事? ごめんなさい…… 何が何だか解らなくて……」




僕は天高く聳える門へ指を向けた




【だから、この扉の外から君を引き戻そうと創造の力が働いているんだよ】



「創造の力……?」



【そう、創造の力】



「それは、何?」




彼女は首を傾げる


僕は静かに彼女へ告げた




【世界を形作る力…… サファイア・アイ】




本当はディープ・サファイアだが……


まぁ、モリサダの事だ


多分そこまで伝えては余計となるだろう


とはいえ彼女はサファイアの知識位は持っていそうだからな




「ライ…… ライ……! ライ!! 貴方なの!?」




やはりな……



ラインフェルトを知っている



サファイアはラインフェルトが持っていることを知っている



危ねぇ危ねぇ……



言い過ぎは禁物だな




【なるほど、神の生み出した片翼(かたよく)か…… 友達かい?】



「いえ、多分、私はもう気付いて居る」



【ナニをだい?】



「彼は私の信頼する…… 好きな人よ……」




ラインフェルトを愛している、か……


人前とはいえ、よく言ったものだ




【ほう…… そうか…… 恋人かい?】



「そうなれば良いと…… 思ってるわ」




彼女は素直に答えた


良い関係だな♪


だってラインフェルト……


いや、




【片翼は君を愛してるようだよ】



「え?」



【でなければ、コレ程この扉の()()()()()()()()()()()()()()()


「そうなのね…… ライ…… ()いたいよ……」



【逢いたいかい?】



「うん」



【君が逢いたいと願うなら、逢わせてあげても良い】



「貴方は…… 誰?」



【ジャッジメンター】



「ジャッジメンター…… 審判者……?」



【そう】



「神様なの?」



【違うよ…… 門番さ】



「地獄の門番なら、三つ首狼のケルベロスってのが普通だと思っていたわ……」



【神話と僕を一緒にするなよ…… 面白い子だなぁ♪】



「フフフッ……」




僕達は笑った


足元には砂漠


今日の空には雲1つ無い晴天


そんな場所で自然に笑いが溢れた








さてと……




【キミは感謝するべきだね】



「何に? ライに?」



【片翼にもそうだが、もっと感謝するべき人が居ないかい?】




何を言っているんだ、僕は……


ノアの名でも聞きたかったのか?


今の彼女が知るわけ無い


何を聞いてるんだ、全く……




「うん、勿論よ…… パパとママね」




そう、それで良い


感謝するべきは、優しく、そして心を強くしてくれた両親


それで良いんだ




【当たりだ…… そして聡明な子だ…… 即座に解るとは、愛されてるね♪】



「ありがとう♪」



【キチンと逆向きに辿り着いたのは君が3人目だ】



「1人目は?」



【モリサダという男だよ】



「日本人?」




そうか……


地球生まれだが、日本生まれとは聞いていなかったな……




【さてね…… 生まれた経緯に興味は無いから】



「そっか…… その人はどこに?」



【地球の…… アメリカという国だったかな?】



「ライ…… 片翼…… そっか…… ()()()()()()ね?」




なんだと!?


この娘…… 素晴らしい


即座にソコに行き着くかよ……




【ほう…… 大した勘の良さだね♪】



「親から受け継いだ物だからね♪」



【ふむ、良い子だ…… もし彼に会えたら言伝(ことづて)を頼むよ】




まぁ、いつでも話し掛けられるが、僕の言葉は軽く流して聞くだろう


アイツはそういう奴だ


第三者……


というより前世であっても、娘に言われた方が納得するだろうしな




「なんて?」



【少し魔獄領域が騒がしい、ちゃんと処理しろ、ってね】



「自由奔放な神様なのね……」



【そうなんだよ…… ちゃんとして欲しいものだ…… ま、ベースは人間だから、簡単に行き来が出来ないのは承知しているが、僕はココを離れられないからね】




なにしろモリサダは大学教授とやらを楽しんでやがるからな……


咲子には関係の無い話だ


これは完全に不必要だな




「なるほどね♪ あ、辿り着いた2人目は?」



【ラインフェルト】



「ラインフェルトさん?」




は?


お前、愛してるって……


好きって言わなかったか?


フルネームすら知らねぇのかよ……


ホント勘が良いだけなのな……




【何を言っているんだ? 片翼の名前じゃ無いか】



「え? あ!! そっか、ライってしか呼んでないから解らなかったよ……」



【やれやれ…… まぁいいさ】



「あれ? そういえば、アーサーって人は来なかった?」



【ん? ああ、アノ子供か…… 来たよ…… でも意識を無くしていた…… ラインフェルトにおぶさって来たよ】




「そっか…… 確か4,5歳の頃って言ってたもんなぁ……」



【そんな年頃だったな…… ま、どちらにせよ少し反則だったのでね…… ラインフェルトにだけディープをくれてやった】



「反則? ディープ?」



【ああ…… 彼らには神の道標(みちしるべ)が有った…… だから辿り着けた…… でも、まぁ神のやる事だ…… 僕が何か言うつもりも無い…… だが……】



「だが?」



【真のサファイア…… ディープ・サファイアをくれてやるには意識が無いとどうしようも無いからね…… それに残念なのは、彼は一般人だって事だな】




あ……


ディープをラインフェルトが持っているというのは言うべきでは無かったかな?


ま、いっか……


モリサダが困るだけだろうし、困る前に奴なら対処するだろう





それに真のサファイアとはいってもヒトが持てるギリギリの力がソコまでってだけだ


ピュア・サファイアなんぞを子供に渡したら宇宙をもう1つ、気軽に創りかねん


何よりニコがソレを持っている事すらいまだに恐怖だ


いや、また脱線した……


今は咲子が欲しい情報を渡さねばな……





「残念? なんで?」



【神になるには一度死を選び、世界と一つにならねばならない…… 彼は確かに死んで、そして戻った…… だが、神の才能は無かった】



「神の才能? ライすら持てない程の物なの?」



【ルビーアイ所持者さ】



「ルビーアイが無きゃダメって事?」



【そう…… でもルビーはそれだけで才能なんだよ】



「ふーーん…… でもルビーは呪の穴(ルビーのゲート)を通ると手に入るハズじゃ無いの?」




面白い……


どこまで調べたのか、もしくは聞いたのか解らないが中々に博識な娘だ


もう少しだけ知識を与えても良いかもしれない




【よく知ってるな♪ 当たりだ! でも、外れだ…… そんなに簡単じゃ無い…… 才能と、体力と、精神力と、何にも負けない意志…… 何て言うか…… いわゆる、それに特化した天才が成れるんだよ♪ 実際失敗例もあるしな】



「失敗例?」




おっと、ココまでは言い過ぎたか……




【いや、何でも無いよ】



「そうなんだ…… 貴方は色々識ってるのね…… ジャッジメンター…… 貴方は相当強いんじゃない……?」



【まぁね…… 2番目に、ね】



「1番は?」




今は間違い無く、奴の方が強いだろう


僕が育て上げた男だ


モリサダ……


いや、僕自身も認めている


だから咲子には、あえてこう言おう




【神】




と……


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