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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
4章 地球からの来訪者
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68話 guidance of moon

「コレが…… ピュア・ラピス…… 神の力……」



【そうだ】



「ありがとうございます…… ジャッジメ…… いや…… ()()()



【お前……】



「間違い…… 無いスよね?」



【あ、ああ…… ()()()()()のか?】



「はい…… 俺は…… 貴方のレプリカ…… ムーン」



【そっか…… お帰り、ムーン♪】




そう言って僕等は笑い合った







ホンとツァン


双龍も改めて会わせた


龍達はカタストロフィへ紅蒼のゲートをくぐり出ると、すぐにお前が何者なのかを理解した様だった


顔形は違うのにな……






そして直ぐ、龍達は()()()()()()()()()()に気付いた






ルビーとサファイアのゲートは現実から隔離された異空間(ディメンション)


彼女の気配は届かない





僕は双龍へ事の経緯(いきさつ)を話した





彼等は泣いた





紅い体に光る、蒼い瞳から《紅い涙》


蒼い体に光る、紅い瞳から《蒼い涙》をボロボロと大粒の雨の様に溢す





彼等の悲しみは解るが、それよりも焦りを感じた





その涙はルビーの(シード)、サファイアの(シード)として砂漠に降った





僕とモリサダは必死になだめ、そして種を処分したっけな……





双龍の気持ちが落ち着いた頃を見計らい、僕は告げた




【ホン、ツァン…… レシアは最期の時に言った…… 《私は死なない》とな♪ お前達が泣いてちゃ母親であるレシアが悲しむ…… 違うか?】



【た、確かに…… 取り乱し…… すみませぬ】




そう言った双龍は深く頭を垂れる




「ノア様…… 彼女が…… レシアがそう言ったんスか?」



【そうだ、モリサダ…… 彼女は確かに、そう僕に告げた】




神妙な面持ちを見せる彼だったが、その口元は笑っているようにも見える




「なるほどな…… 今なら解るぜ…… 《時間と力の摂理》…… そして《在ってはならない時間の混在》か……」



【何を言っている? つーか、お前…… 何が見えたんだ?】




僕に目を向けたモリサダは大きく手を振った




「いや、まだ秘密ッス♪ 多分コレはまだ…… 話すべきじゃ無いんで」



【ふむ…… 良いだろう】



「それよりもホン、ツァン!」



【は! ムーン様】




見上げたモリサダの目に映るのは双龍


双龍達もまた、その瞳に彼を映す




「いずれお前達の力が必要な時が来る…… それぞれが元は1つの生命体だからよ…… 融合した元の姿、双頭龍アルトロン…… その練習もしときな♪」



【は? アルトロンとなる練習…… ですかな?】




彼等の疑問が宿る言葉であったが、表情にソレは(うかが)え無い


龍なのだから当たり前といえる




「そ! 双頭龍…… お互いの力を融合させる練習さ♪ その力で母親(ラフレシア)を救え」



【お母様!? 生きておいでなので!?】



「ああ♪ あの子は生きている! 今は魂だけだけどな…… だがいずれ、お前達の力を必要とするはずだ」



【し、承知しました!! 聞いたかツァン! お母様が生きておいでだ♪】



【さ、騒ぐなホン…… 隣に居るのだ…… 聞こえている…… すぐに取りかかろうぞ!】



【おうさ!!】



【ノア様、ムーン様! 失礼をば!!】




双龍達そう告げると、僕等の言葉も聞かず2匹で開いたゲートに姿を消した








【なぁ、モリサダ……】



「はい?」



【何が…… 見えている?】



「んーーーー……」




質問の答えに呻きだした彼は目を瞑り、腕を組んで上半身を左右にゆっくり傾けだした




「何がと言われると言葉に困るんスけど…… 言うなれば……」



【言うなれば?】



「希望の未来…… っスかね♪」



【希望の未来、か?】



「ま、そんなトコッスね」



【信じて良いんだな?】



「もち! 皆が幸せってのが1番っしょ?」



【間違い無ぇな♪】




そしてまた僕等は笑い合った









「ノア様…… 色々本当にありがとうございます…… そして捜し者が増えたッス」



【僕の娘の事だな……?】




モリサダは笑顔で頷いた




「うい♪ 嫁さん、()()()を捜したい…… そしてダチ4人も守る」



【欲張りだな、お前は】



「勿論スよ♪ 俺はノア様のお創りになった……」




【突然変異だからか?】

「突然変異ですから♪」




【ククク♪】

「あはは♪」




【いいぜ! 捜せよ♪ お前にはその力がある】



「うし! やってきますわ!」



【だが待て、この世界も(おろそ)かにすんじゃねぇぞ】



「ん? 何か問題があるんスか?」




そう言ったモリサダには疑問の表情が映る




【ああ…… その問題の為に僕はココを守護している】






僕は彼に事の経緯を話した



魔物の事



大河カタストロフィの御祓(みそぎ)



奴らの食料、ヒトの魂



空席の神座



僕の門番としての役割



それら全てを話した






何を考えて居るのか


何も考えて居無いのか




そんな無表情で聞いていたモリサダだったが、その後、彼は言った




「なんだ! そんな事なら大半は解決ッス!」



【は?】



「とりま、神座を貰ってくるッスわ♪」



【宮殿を守護しているのはムゥムゥだ…… そんなに簡単な事じゃねぇぞ】



「大丈夫、大丈夫! ムゥムゥさんって人は昔から宮殿に仕えるムゥムゥさんっしょ? なんとか説得するッスわ♪ それにもっとノア様が楽になるように世界を創り変えれば良いんスよ」




そう言って僕への説明も程々に、モリサダは宮殿方面へと飛翔した








しばらくして少し大きめの地震



地が揺れた



モリサダが何かしたのだろう











後で聞いた話だ



モリサダは宮殿、中庭に降り立った



ちょうど近くに居たムゥムゥから問いただされ、彼はムゥムゥと戦った



いや、戦ったというのは語弊がある



端から見てただの人間に見えるモリサダ



故に全力では無かっただろうが、狼藉者(ろうぜきもの)の対処に多少なりとも本気のムゥムゥ



彼女が振ったのは稲妻では無く、疾風までレベルを落としたクナイ



しかしソレを両手で、無表情で、指先だけでつまんで受け止めたらしい



以前のムーンとは人としての器…… つまり顔が違えども、明らかに僕の力を受け継いだ者である事が明白な状況に、彼女はそのクナイを引いたという事だった



力試しを敗北という位置付けする訳にはいかないが……



まぁ、まだ気持ちの整っていない彼女にモリサダは深く頭を下げ、自分の考えをムゥムゥに話す



何事かと声を荒げもした彼女だったが、モリサダの《ある言葉》に考えの拒否はし無かった





《優しい世界の為に》





それにより、世界は形を変えた





位置だ





位置が、変わった





最西端にあった集落、オレンジ・ホーム






この世界の中心にあった僕の宮殿





その両位置を《交換》した





世界の中心に集落を、最西端に宮殿を設けたのだ





これにより、魔物の動向を探る速さが格段に上昇した





妙な悪意を持つ魔物は即座に排除する





直ぐ西にある魔獄領域から奴等が出れば、必ず宮殿近辺を移動する





山を包んだ僕のサファイア



そのセンサーに引っかかると僕に伝わる



それを極力小さなノイズにし、宮殿には直に伝わるセンサーを設置



そして、ダイヤモンド所持者に与えて居た武具を惜しみなく侍女達に与え、宮殿のみならず、城下町までもを守護させる








圧倒的なスピードで……



アイツは行動していった








その日、この世界に革命が起きた事を皆は感じていた




guidance(ガイダンス) of(オブ) moon(ムーン)




後世、そう呼ばれた出来事




新しき神の生まれた日




モリサダ……




いや、ムーンが起こした優しい革命




言葉の意味の通り《月の導き》と皆が語った





そしてもう一つ、これも後日知った事だ



滞り無く、順調に事が進んだのは幸運といえる








僕は知らなかった








聞いたのは随分と後になってからの事だ



お前が神になった日の晩



冥王星の神、プルートゥがムゥムゥとニコの部屋、そしてモリサダの元を訪れたと聞いた



結果、《アレ》に繋がったのはこの日なのだろう



事が順調に行き過ぎて気が抜けていたのかも知れない



すまなかった、モリサダ


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