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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
3章 各々の成長
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58話 ポポンの考え

「ポポンお爺ちゃんが!?」




驚きの表情で駆け寄るリンリン


彼女にポポンは笑顔を向ける


そして優しく頭を撫でた




「おお! リンリン♪ 大きゅうなったのぉ!」



「エヘヘッ♪ 大きいだけじゃないよ! 強くなった! ムゥムゥ様から強さを貰ったんだ♪」



「そうか、そうか! 世界を守っておくれ♪」



「うん!」




宮殿に仕えてから随分成長したリンリン


それでもポポンから見れば孫ほどの差がある


どれほどリンリンが大きくなったとて、やはり孫は孫、子は子なのだろう


頭を撫でられるリンリンもまた、ポポンを実の祖父のように慕って居ることがよく解る




「ポポさー!」




そう言ったのはニコだ




「おお、ニコ! 元気にしてたかね?」



「うんうん!」



「急に集落から居無くなったから心配したぞよ! 無断で居無くなるもんじゃ無い! 肝に銘じなさい!」




コッチには普通に怒りやがった……


いや、当然の事だな


集落の先にまで探しに行ったと言っていた


心配し、そして今は安心したのだろう



そんなポポンにニコは、



「あやや! ごめーーーーん!」



と、何度も頭を下げた




スタスタとゆっくり聞こえる足音


ソレはレイジ


そして背後にはムゥムゥが居た




「ポポン爺ちゃんが外政を任されたの?」



「うむ…… 何度も断ったのだが…… ノア様がどうしてもと……」



「そっか! 爺ちゃんなら出来るよ!」



「そうかのぉ……」



「絶対出来るって! ポポン爺ちゃんだからな♪」



(わし)の名は役職名じゃないぞよ……」



「ま、まあまあ!」




苦笑いを浮かべるレイジ


そんな彼に微笑み掛けたポポンは、その後、神妙な顔付きに変わった


そして、言った




「レイジ……」



「ん?」



「遅くなったが…… 本当に有り難うなぁ」



「何が?」



「ノア様から聞いたんじゃ…… 集落の無念を晴らしてくれて…… 有り難うなぁ」



「いいんだよ…… コレで少しは…… 皆も救われれば良いさ」



「救われたさね♪ 集落の勇者よ……」




優しく彼の肩に手を置き、ポポンは……



いや、ポポンとレイジは悲しみの混ざった表情を交わした








一時の後、レイジの背後から前に出てポポンに頭を下げたのはムゥムゥ




「ポポン殿」



「はい」



「私は宮殿内を仰せつかっております、ムゥムゥと申します」



「儂はポポンと申しますじゃ…… なにぶん集落の事以外は何も解らぬ輩ゆえ…… この様な大役、務まるかどうか……」




ムゥムゥは笑った




「ポポン殿は他の集落、街からも名が通っている優しき御方と存じております♪ その様な御方の集落だからこそノア様の耳に入れた次第です」




そうだ



良い集落、文武両道を兼ね備えたレイジを薦めてくれたのは他でも無い、ムゥムゥだった




「そんな勿体ない御言葉を…… そして儂の耳にも届いておりますぞ! 宮殿を任された凄まじい強さの女性が居ると♪ 《閃光》とは貴女様の事だったのですなぁ! お会い出来て光栄ですじゃ」



「いえいえ、私などまだまだ♪ それに《閃光》とは?」



「む……? ホッホッホ……! いえいえ、なんでもごいませぬ♪」




お世辞なのか、本気なのか……


2人は、お互いを持ち上げながら笑い合った






そんなやり取りを見ていた僕もポポンへと声を掛ける




【外界の件は頼んだぞ、ポポン】




僕に改めて向き直り、深く彼は頭を下げた




「ノア様…… 本当に儂でよろしかったのじゃろうか?」



【勿論さ♪ お前のやり方で構わない…… 優しい世界を創ってくれ】



「優しい世界…… お作り致しまする…… ですが……」



【なんだ?】



「ですがノア様の考えとは…… もしや別方向から創り上げる可能性も(いな)めませんぞ?」



【皆が優しい世界なら構わない】



「で、あるならば良いのですじゃ♪ 必ず良き世界をお作りしまする」



【楽しみにしているよ♪ もう何か予定がありそうな言葉だしな?】




目を丸くし、そして笑ったポポン


実に穏やかな表情だ




「さすがはノア様じゃ! 見透(みす)かされておりましたか♪」



【いや、なんとなくさ♪ せっかくだ、聞かせてくれるか?】




コクリと頷くポポンが一度深く呼吸をし、語り始めた




「ノア様…… ならびに宮殿を守る方々…… この世界が安定し、安寧(あんねい)な生活を送るのに必要なモノは何でしょうな?」





僕は考える






ヒトがヒトとして生きるには……


んーーーー……


身を守る?






そこまで活発では無いといえ、獰猛な獣だって居る




起きていれば対処も出来るが、寝ている時は無防備……




つまりは……






【家か? それぞれの民に家を渡すって事か?】




ポポンは微笑んだ


そしてチラリとレイジに目を向ける


僕もつられ、レイジへと視線を向けた


そんな彼は笑って答えた




「違いますよ、ノア様」



【ほう? レイジは答えを知っているのか?】



「はい…… 多分ですが、()()()()()()()()()()




そう言ったレイジにコクリと頷くポポン




「レイジには答えが解っておりまする…… ですが、多分…… この()殿()()()()()()()()()()()()()()と思われますじゃ……」



【ふむ…… 教えてくれ】



「儂も、これ以上歳を取らない…… 死なない体にして頂けるのであれば忘れてしまうかもしれん…… 御役に就いてからは早々に実行せねばなりますまい」



【それは?】



()()()()でございます」



【食? 食料か?】



「この宮殿に仕える方々は歳を取らず、万一、食べなくても餓死はしますまい…… 外界では違いまする…… 食べねば死ぬ…… 住居よりも優先して与えねばならないのは食料ですじゃ」



【なるほどな…… 確かに食は楽しみの一環程度な僕等では考えつかん】



「ですので、この世界の至る所でも安定して栽培出来る食料…… 街や町、集落が交流し、より良い物を交換出来る事が必要ですじゃ」



【交換…… 食料の種や、食物自体をか?】




ポポンは笑顔で頷いた




「はい、そしてそれだけでは無く、獣の肉とて大事な栄養源♪ それらも多く住む場所に(かたよ)りがある…… 物々交換もさることながら価値に値段を付け、売買と云った物も必要と考えまする」



【金銭での交換…… 地球では主流になった貿易って奴だな…… 面白い…… やってみろよ、ポポン♪】



「有難く♪ そしてそういった安定がニコの様な者を減らせまする」




首を傾げる僕


ニコと貿易……


どういう事だろう?


僕はポポンへ問い掛けた




【ニコとどのような関係があるというんだ? ポポン】



「ニコは……」




一度ニコへと視線を向けるポポン


そして陰りのある表情を浮かべた

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