50話 ピュア・サファイア
ニコが双龍から受け取った力は……
サファイア・アイか!!
ディープ……
いや…… 《ピュア・サファイア》!!
世界を創る者の力!!
「うっわ! 筋肉ゴツゴツや! コレを、と…… ダイヤモンドさ! 筋肉圧縮してくれん!?」
更に密度を上げるだと!?
てか、何で自分の意識で自動発動するダイヤモンド・アイに頼んでんだ!?
「あ! 良い感じや♪ 筋肉ゴツゴツやと可愛く無いモン!」
そっちかよ!!!
こんな時に格好にこだわりやがった!
ニコらしいといえばニコらしいが……
「おお! なんや、メッチャ軽いやン♪ 羽みたいや!」
軽い!?
お前の《ソレ》がか!?
本当に使い熟しやがった!
「ニコ! では頼みましたよ! 貴女じゃ無きゃ…… 貴女と《ティラノ・クラウン》ならば倒せるハズです!」
「オケ! ムゥちゃ行くよ! ティラノさ、よろろ!」
ザッッッッ!!
地を蹴り上げる音
それがピタリと止んだ
異様な静けさ
だが……
来る!
上! 空洞内、上方!!
マズイ!
このオーラ量はマズい!!
【レイジ、跳べ! 後方だ! 全力で跳べ! 躊躇無しで壁にぶつかる位まで速く!!】
「え!? は、はい!!!」
直後
ズッッッ…… ドッゴォォォォオオオオオォォォォォォォォオォォォォンンンンン!!!
山が、揺れた
いや、多分……
この世界、カタストロフィ…… 全体が!
その爆音の後は、全くといっていい静けさ
カラン……
小石の音だけが妙に響く
終わったのだろうか……
敵の気配は…… 無い
もう、火を灯しても大丈夫だよな
その時だ
カンッッ…… カララ…… ン……
ん?
また石の音か?
だが、石が転がったというよりは、落ちて跳ねた音……
ソレが止まった様に聞こえる
なんにせよ暗くて何も把握出来無い
魔物の気配も無いのだ
僕はまた、小粒のアレを手から創作した
フワリと現れ、周囲を明るく照らす小さな太陽
状況が解った時に僕は心の中に、驚きを持った
ソコに在った景色
無数に転がる魔物の骸
その全ての頭部に見える突起物
うつ伏せになる者からはキラリと光り、尖る武器の先端
仰向けに倒れた者からは持ち手、柄と思われる部位が姿を見せる
そして、広い空洞
その中央に……
転がるソレらよりも遙かに大きな魔物
それが頭部から足先までを二分され、山が左右に2つ出来たかのようにも感じる
分かれた巨体を繋ぎ合わせるかにも見える真ん中
地に刺さり、聳え立つ剣
地を埋め尽くす魔物から出た突起物よりも大きく、悠然とした姿を現すソレは……
魔物達の墓標にすら見えた
地に刺さり立つ巨剣ティラノ・クラウン
その持ち手を右手で掴み、右足は鍔に掛かる
左手、左足はダラリと下ろす女
ニコ……
その地に突き立てられた切っ先から無数に伸びた激しい《地割れ》
先程聞こえた石の音
あの地割れから落ちたのか……
待て……
小石が底へ辿り着くまでに相当の時間があったぞ……
なんて深いヒビを世界に入れるんだよ、お前……
ニコ……
お前ならティラノ・クラウンを使い熟せると思っていた
だが、ソレよりも素晴らしい事だ
その剣自体が……
お前を主と認めやがった
どんな力で振り回そうとも、ソコのまでのパワーを有するわけが無い
世界を壊す剣を創ったわけじゃ無い
それなのに……
そのレベルまで力を引き出すかね、お前は……
全く……
いちいち大した女だよ、本当にな
そんなニコがキョロキョロと辺りを見回した
そして、顔が強張り、震え出す
何が起きた!?
その様な考えを持った時に、彼女は言った
いや、叫んだ
「何コレ!? 高ぁぁ!! 降りられないよぉぉぉぉ!!!」
なぁ、ティラノ……
お前、ソレが主で大丈夫か……?




