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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
3章 各々の成長
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45話 風林火山

僕達は歩き出した








西を目指す








最西端に位置するオレンジ・ホーム








そこから更に西へと……








山しか、無かった








僕は足を止めるが、レイジは進み続ける








その後を僕は追った








山の麓に歩き進めた時、蜃気楼の様に()()()()()()



これか……



レイジが言っていたモノは……






更に進むと晴れた蜃気楼



ソコには……








《巨大な穴》が、山に空いていた





【本当に…… デカい空洞だな……】




聞いていた事とは言え、あまりの大きさ……



大空洞に目を疑う




「はい…… 多分…… いや、確実に奴らが……」



【だな…… 足を踏み入れなくても感じるわ】



「感じる…… ですか……」



【ああ】




オーラが……


禍々(まがまが)しい劣悪な気配


ソレを僕の五感……


いや、第六感までもが感じていた




「突っ走って…… 捉えた敵から排除しましょうか……」



【別の入り口が在るとは思えん……】



「ですね……」



【だから突っ走るのは万一を考えた時には危険(リスク)だ】



「リスク……?」



【ああ…… どれ程の軍勢が居るか解らない】



「確かに…… 足音を聞きつけ、大群が押し寄せるのは危険ですね…… 中は相当に暗いでしょうし…… 対応が遅れるかもしれない」



【ああ】



「どうします……? (さく)が有りますか?」



【ふむ……】




先の見えない暗黒の大空洞


ソコに目を向けながら僕は考える





どの様な事態になっても冷静で居る事が最善


生半可な奴らに、僕が倒されるとは思え無い


とはいえ、進む先は暗闇


対応が遅れるのは軽視出来無い


魔物達の全力が図れない今、万一にもレイジの身に何か有ってはレシアに申し訳も立たん








索…… 作戦……








そういえば……








【索…… というわけでは無いがな】



「はい?」



【戦い方の理念、なんだろうな…… 僕の娘、アースが大切にした地球という星でソレを説き、実行に移していたジェネラルが居た】



「理念、ですか?」



【ああ…… 元は双龍にレシアが名を付けた国の言葉、中国…… だったかな? ソコの兵法家の戦法だ】



「それがジェネラル……」



【いや、ジェネラルとは将軍の意味だ】



「はあ……」



【地球にある小さな島国…… ソコのジェネラルが、その戦理念を実行し、恐れられた】



「ど、どのような……」



【風林火山】



「フウリンカザン?」



【ああ…… 風の様に(はや)く、林の様に静かに、火の様に攻め入り…… そして、動くべきでは無い時は山の様にドッシリと構えとけ…… そんな言葉だ】



「凄まじいですが…… 極論では?」



【まぁ、そうだな…… 都合良く全てが上手く行くとは思えんが……】



「はい…… でも…… 心に留めておきます」



【そうしとけ♪ 識る事は無駄にならないからな】



「そうですね♪」



【あ……】



「はい?」



【ん…… 風林火山というのは4つに絞った言葉で、もう少し長かった様な気がするが…… 悪い、ド忘れした】



「アハハ♪ ノア様が珍しいですね!」



【笑うなよ…… ククク…… いいさ…… 先ずは状況が見えない今、《山》は無い…… 疾く、静かに…… そして、見つけ次第殲滅だ】



「了解! 風林火、ですね♪」



【ああ…… 行くぞ、レイジ】




結果、当たり前の様に、当たり前の倒し方をする


ソレだけの事ではある


だが、それでも会話を終え、見合わせた顔にはニヤリと笑顔があった


別段緊張していたわけでは無いが些細なコミュニケーションがプラス思考、もしくは気を紛らわす程度にはなったようだ






その気持ちのまま、僕等は大空洞へと歩みを進めた






僕とレイジは視線を交わす






そして、大きな空洞に足を踏み入れた先……






奇妙な気配が所々から感じる






そんな闇の中をひたすら静かに進んだ






何も見えない






それでも周囲に気を配りつつ、極力気配を消して歩いた






たまに聞こえる足元の石






完全なる漆黒






ドコに何があるかも解らない






そんな時、耳が捉えたチョロチョロと鳴る音






「コレは…… 水の音……?」



【その様だな】




レイジの問いに僕も応える




「かなり進んだと思うのですが…… 何も…… 見えませんね」



【ああ…… 灯りを点けようか……】




僕は手を閉じる


そして大昔にやった、アレを創り出した


実に小さい


豆粒の様な小さな光の塊








()()()()()()を創った








その時だった








ゾワリと全身に立ち上がる鳥肌



一気に感じた劣悪な気配



小さくとも、周囲を照らし出す太陽



ソレに映し出されたのは……








足の先には実に浅い、小川(おがわ)








山の中、全てを《くり抜いた》かに見える有り得無い程の()()()()()








ゴツゴツとした、幾つも転がる岩の塊








そして、その岩の上、(かげ)、周囲









そこに、()()()()()()()()()だった








翼を広げ、宙を羽ばたき廻るモノも居る








ソレらの数を合わせても100や200では無い








大空洞を()()()()()()()()()の量だった








【やれやれ…… こんな近くに居て気が付かないとは…… なぜだ? まぁいいさ…… とりあえず、囲まれたな……】



「構いませんよ…… なんていうか……」



【ん?】



「幸せです」



【何が?】



「解り易いじゃないですか♪ ()る事をヤる…… 明確な行動ですよ」



【ククク…… イイねぇ…… 確かに解り易い♪】




レイジと僕は笑った


その時だった




「誰ダぁ、貴様ラはぁァ?」




魔物の一体が……


(しゃべ)った!?


言葉の知識があるのか!?




【ほう…… 言葉が解るか?】



「黙っテ聞イた事にダけ答エろヨ」



無礼(ぶれい)は…… まぁ、許してやる…… 名前だったな? 僕の名はノアだ】







隣に居るレイジが僕を見る


その目は、理解が出来無い……


そんな色を映していた




「ノア様…… 会話など…… 早く殲滅(せんめつ)しましょう!」




そう言い、構えたレイジを僕は制する




【待て、レイジ】



「待てません!」



【待てっつってんだろーが! 奴等の思惑(おもわく)()りてぇんだよ!】



「お、思惑……?」



【ああ、行動理念だ…… だから今は抑えろ】



「くっ…… 承知……」




僕は話し掛けた魔物へと向きを変える


そして、聞いた




【さて、次はお前の番だ…… この山の近くに集落がある…… お前ら、ソコを襲ったな? なぜだ?】



(おぼ)えテ()ぇナぁ……」



【ふざけるなよ、お前】




僕は別の魔物に目を向ける




【なら、ソコのお前…… 答えろ】



「知ラんナ……」



【テメェら……】



「何ヨり、解っテるのカ? 我等ノ城に乗リ込ンだのハ貴様らダ」



【だから、何だ?】



「喰わレテも文句は言えナい…… ソうイう事ダ」



【まぁ、そうだな…… じゃあよ、コレだけ答えろ】



「何ダ?」



【テメェらは、何を《摂取》して生きている?】








シンと静まり返る空洞内








一匹がプッと笑いを吹き出したと思われた時、ソコに居た魔物全てが下卑(げび)た笑いを上げた


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