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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
3章 各々の成長
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43話 違和感

「これからも宜しく頼むよ、インフェルノ♪」




そう大剣に声を掛けたレイジは鞘にソレを納める


そして腰に(たずさ)えた




【お前にはストックゲートを準備した…… 想いで開き、想いで閉じる事が出来る倉庫の様な物だ♪ 不必要な時には、大剣を入れておけばいい】




レイジは一度、剣に目を向けた


そしてまた、僕を見る


その顔は笑顔だった




「いえ、大丈夫です♪ ムゥムゥ様は俺に言いました…… この剣は俺と共に歩むと…… だから俺は、この剣と共に進みます! 俺の生き様を全て見届けさせる為に♪」



【そうか♪ いい主人に出会えたな、インフェルノ】



「ハハハ♪」



【ん? なぜ笑う?】



「インフェルノが《ありがとうございます》と、伝えてくれって言ってますよ♪」



【ん! そっか♪】




僕は剣に微笑み掛ける


その姿を見ていたレイジは改めてピンと背中を伸ばし、その後、頭を下げた




「ノア様…… では…… 向かいます」



【行くのか? 奴等の元に】



「ええ! 決着を着けてきます」



【少し待て】



「え?」



【僕も行く】



「それはとても安心出来ますが……」



【なんだ? 含みのある言葉だな?】



「いえ、宮殿の事はよろしいので?」



【この宮殿はムゥムゥに一任してある】




彼にそこまで伝えた僕はムゥムゥへと顔を向けた




【頼めるな?】



「はい♪」




彼女は笑顔でそう言った


気持ち良く了承してくれた事には感謝もある








が……








僕には()()()()()()()








なぜ、お前はそんな《笑顔で了承出来る》のか、だ








あの日のムゥムゥは、共に集落へ行きたいと願った



叫び、願った



レシアを救う為にだ



もうレシアが居ないからか?



お前は復讐したくないとでも……



全て整理はついた、とでも言いたいのか?



それに……



他にも……








何かが引っ掛かる……








少し、()()()()()()()()か……








【なぁ、ムゥムゥ?】



「はい?」



【リンリンは素晴らしい強さだった♪】



「ええ♪ 成長が早いですね! 素晴らしい逸材です♪」



【だな♪ ラピスの件もしようが無い…… 偶発的に発動したなら僕が取り去るが、双龍からの謝礼品では…… 彼等の恩義を取り去る事になってしまうからな】



「フフフ…… そうですね」



【でな、ムゥムゥ?】



「はい?」



【リンリンは神位の下、なんだよな? じゃあ僕はどの辺だ?】



「ノア様は神位の上に決まってるじゃ無いですか♪」








やはりか……


僕が上、リンリンが下


ムゥムゥは言っていた




《私の力に近付いている》のがリンリンだと




つまりは、()()()()()








【そうか♪ じゃあムゥムゥはどの辺だ?】



「私は神位の中ですね♪」








だろうな……


分かり易い構図だ





あの日、《僕に席を外して欲しい》と言われた日……





双龍が《守り龍となった日の御礼》が、ラピスか……



待てよ?



いや、まずはもう1つ聞かねばならない……



もしやとは思うが、な……








【ほう…… 神位には他に誰がいるんだ?】



「神位の中にニコが♪」








考えが当たったか……




やはり、《あの日》の3人……








もういい、あらかた理解した



聞きたい事は充分聞き出せた








【なぁ、ムゥムゥ……】



「はい?」



【何で()()()()()()()と言わない?】



「この宮殿の事もありますからね♪」



【ふーーん…… 随分、物分かりが良くなったじゃないか?】



「そうですか?」



【でな……】



「はい?」



【僕は神位の上…… リンリンは神位の下…… 間違い無いよな?】



「はい♪」



【ムゥムゥとニコ…… 2人が神位の中……】



「ですね♪」



【さてと…… でな、()()()()()()()()()()()()()()……】



「はい? ……えっと」








ムゥムゥの声



その質が明らかに変わった








言いたい事が解ったのだろう








僕はムゥムゥへと顔を向ける



彼女は……








僕から顔を背け、後頭部を見せていた








【なぁ、ムゥムゥ…… 僕が上、リンリンが下…… お前とニコが神位の中…… なぜ、()()()()()…… なんだろうな?】



「さ、さぁ…… 強いから…… じゃないですかね……」



【うん、強いからだな…… 言葉を変えようか…… なぜ、()()()()()()()()()()が神位の中で、()()()()()()()()()()()()()()()()んだろうな?】



「さ、さぁ…… 戦いの…… 経験値の差…… じゃないですかね……」



【経験で到達出来る差ではないぞ? お前、だんだん言い訳が苦しくなってきたな……】



「そ、そうですか……?」



【ムゥムゥ…… まずは僕を見ろ…… 顔を(そむ)けたままじゃ何も見えないからよ】



「えっと…… 最近…… 首が痛くて……」



【ふざけるなよ、お前…… 永命の儀を済ませてるだろ…… そんな異常が体に起きるわけ無ぇだろーが】



「いや、でも…… ですね……」



【コッチ見ろって…… さっきまで普通にしてたのに突然かよ?】



「そ、そうなんですよ……♪」



【もういい、解った…… そっち側に僕が行こう】




僕は彼女が顔を背けた側に歩き出す


表情が見えそうな所まで回り込んだ辺りで、ツツツと足を擦らしてまた彼女は顔を背けた




【わざわざ僕が回り込んだのに…… なぜ、お前まで回るんだよ……】



「こ、この体制が落ち着くんですかね……」



【テメェ…… ったく! まぁいい…… じゃあ、コレだけ答えろ…… ムゥムゥ、お前《ラピスを持ってる》な?】



「いえ、持っておりません」




僕に表情を見せぬまま、彼女は言った



ただ、意外にも今までのような《狼狽(うろた)え》が無い、断定した言葉



本当に持ってないのか?




【ムゥムゥ…… それ以上は質問しないでやるから、僕を見てもう一度コレだけ答えろ…… ラピスを持ってるな?】




顔を背けたまま、彼女の溜息が聞こえた




だが一時の間の後、ムゥムゥは僕に向き直り、言った




「ちゃんとお答えします…… 私は神の眼、ラピス・ラズリを持っておりません」




随分な自信が見える



本当の事なのか……?



いや、全てを信じる訳にはいかない



ムゥムゥは立ち回りが巧いからな……



自信を持って嘘がつけるかも知れない



そう思った僕は、大広間の壁際に移動していたニコに声を掛けた




【なぁ、ニコ…… お前、ラピスを持ってるな?】



「ん? ニコ? 持って無いよ?」




本当か……?



いや、ニコは嘘がつけない女だ……



嘘をついても顔に出る



それが、今、()()()()()……



あんな真っ直ぐな表情で嘘を言えるとは到底思えない……



本当に僕の思い違いなのだろうか……




【本当だな? ニコ……?】



「ラピスって紫色の眼やんね? うん、持って無いよ?」




有り得ない程に真っ直ぐ、そして歪みの無い表情



本当に僕の思い違い……



勘違いだったのだろうか……



これ以上は質問しないと言った言葉だ



これから先を聞くのは僕としても約束に反する



双龍がリンリンにだけラピスを授けたとは思えないが……



まぁ、ムゥムゥはともかく、ニコの表情に嘘は無さそうだ




【いい、解った…… ではレイジ、向かうとしようか】



「はい!」


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