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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
3章 各々の成長
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40話 強き獣

僕は横たわって居たレイジを引き上げ、立たせる


そして、彼の問いに答えた




【ムゥムゥは覚悟を心でコントロール出来る…… だから唱えなくても発動出来る…… ニコにはまだ覚悟を感じた事が無い、だから発眼出来無い…… そして、お前は今、覚悟しか無い…… そういう事だ】



「よく解らないのですが……」



【別に今、解れとは言わない…… いずれ解る時が来るだろうからな】




そう言って僕は笑った


レイジは少し、自分の体を眺めていた


そして口を開いた




「リンリン…… コレが君の持っていた力…… か?」




呟くように言ったレイジはリンリンへと顔を向ける




「私は持って無いよ?」



「持って無くて、あの力なのか!?」



「そうなるね?」



「何て事だ……」




驚くレイジに向けたリンリンの顔は笑顔だった


リンリンから目を離したレイジ


次に見たのはムゥムゥだ




「ムゥムゥ様…… 今の俺の力は…… どれ程のものです……?」




ムゥムゥもまた笑顔を見せる




「そうですねぇ…… 中…… ですかね♪」



「俺は…… リンリンを超えたのですか?」




ムゥムゥは首を振った




「いえ、リンリンは先程伝えたように神位です♪ 貴方は王位の中…… ですね」



「何段階あるんです……?」



「私の目安ですからね、3段階…… 『人』、その上に立つ『王』、そしてそれらを統べる『神位』です♪ あくまでも目安です」



「まだ…… 随分リンリンとの差があるのですね…… この力を持っても到達できないなんて……」




ムゥムゥは笑った


それに釣られるかの様にリンリンも笑う


そして彼女が言った




「私はダイヤモンドを持ってないけど、()()()()()のあるからね♪」



「リンリン!!」




リンリンの口から出た言葉を即座に制するムゥムゥ




「すみません! ムゥムゥ様!」




ムゥムゥの表情に萎縮したリンリンが頭を下げた






何だ?






コイツら……






そのやりとりを僕は見逃さない






【お前ら…… 何か僕に隠してるな? 答えろ、ムゥムゥ】



「いえ…… そんな事は……」



【黙れ…… さっき言ってたよな、『アレ』は使うなって? 『アレ』とは何だ?】



「そんな事…… 言いましたっけ?」



【とぼけるなよ、お前……】




僕はムゥムゥから視線を外し、リンリンを見た




【リンリン】



「は、はいぃぃぃ!!」



【……何動揺してんだ?】



「けけけけ、けっしてその様な事は……」



【明らかに動揺してるなぁ……】



「そそそそ、そうですかね!?」



【お前、()()()()()()()()んだよな、さっきの戦いは?】



「ま、まあ……」



【なら、もう一回戦え…… 本気で戦え……】



「で、でも……」




リンリンはチラリとムゥムゥに目を向ける




【リンリン、僕を見ろ…… 僕はな、2度同じ事を言うのが嫌いだ…… だから本気でもう一度レイジと戦え】



「は、はい……」



【本気じゃ無かったら……】






ゴクリと彼女の喉が鳴る






僕はニヤリと笑い、言った






【今後一切、リンデロイの肉料理は抜きだ!】






大きく仰け反ったリンリンの表情が固まった






「無理です! やります! 本気です! 戦います! 誓いますぅぅぅぅ!!」



【それでいい♪】




ホッとした顔に変わるリンリンが、またムゥムゥへと視線を向ける


少し溜息に似た物を口から出したムゥムゥは自分の()()()()()()()()()()()()()()()




コクリと頷くリンリン




【今のは何だ…… 何の合図だ…… 言え、お前ら】



()()()()()()()()()()…… そういう意味です……」



【ホントだな? リンリン……】



「ち、誓いまして……」



【ふーーん…… ま、良いだろう】






僕は(きびす)を返し壇上の椅子、神座に座る


ソレを追うかの様に、ムゥムゥが隣に立った




【では、もう一度戦え】




大広間中央の2人が無言で頷く


さすがに状況を察し、無言だったニコも侍女達の列へと加わった



先程と同じ武器、大剣



そして苦無(クナイ)2本をそれぞれが持つ






レイジが構えた






その瞬間だった






一気に跳んだ



リンリンの元にレイジが!



速い!



緊張へと顔を変えたリンリン



彼女が振られた大剣を受け流す



そして後方に跳んだ



それをレイジが追う



飛び跳ねる



空中で振り下ろした剣



体を捻って振り切った



が……



ソコにはもう、()()()()()姿()()()()()()






急ぎ振り向き構えるレイジ



息を飲むスピード



素晴らしい成長じゃ無いか、レイジ……






彼は無表情だった



リンリンには少し、笑顔が見える






「いいね、レイジちゃん…… 良い追い込み…… それより何より不意打ちが良いよ、スゴく♪」



「ありがとう…… 俺はもう後戻り出来ない…… この世界を救う事に…… 決めたんだから」



「カッコイイよ、とても♪」



「フッ…… 俺な…… 久しく忘れてた」



「何を?」



「さっきも言ったろ? 獰猛(どうもう)な獣と戦ってたって」



「言ってたね♪」



「獰猛な獣よりも強い者を知ってるか?」



「さぁ? ヒト?」



「いや、人じゃ無い…… ソレに喰われる側の()()()だ」



「何で?」



「肉食獣は食べる為に狩る」



「ん? そうだね?」



「だから、腹が(ふく)れてれば食べないのさ」



「だから?」



「草食獣は肉食獣の気持ちなど知らない…… いつ喰われるか解らない…… だからいつも気を張ってる…… 精神力(メンタル)()()()()()()



「ふーーん…… で?」



「俺は草食獣とも生活した…… 彼等の強さを知りたくてな…… スゲーぞ、奴らは♪ 生きる為のセンス…… 必要なら肉食獣にも立ち向かう」



「へぇ…… ソレが私達の戦いとどんな関係が?」



「ああ…… 今の俺は草食獣だ…… 君は肉食獣だな」



「えー!! ヒドくない!?」



「ハハハ…… 俺の感覚を研ぎ澄ませた結果が見てみたくてね」






違う……






話は本当だろう






でもコイツ……






多分、リンリンを揺さ振ってる……






挑発してるんだ……


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