表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
3章 各々の成長
26/109

25話 祝いの食事

「はぁはぁ……」




そして、ゼェゼェとニコは息を吐き出した



そして大きく深呼吸をする



少し落ち着いたのか、彼女はそのまま、(うつむ)いた




【大丈夫か……?】




その問いに気付き、僕に目を向けたニコは笑っていた



そして、言った




「プッハー-!! メッッッッチャ痛かったぁーー♪」




凍りついて居た壁際の侍女達



コック長、リンデロイを始めとする料理人達



誰もが息を飲んだかと思われた時だった



誰かがプッ! と、噴き出す



ソレにつられるかのように、この大広間は笑いの渦に飲み込まれた



やれやれ……



ホント凄ぇよ、お前♪



あの凍りついた時を一瞬で笑顔に変えるかね……




(とどこお)りなく済みましたね♪ お疲れ様です、ノア様」




そう背中に声を掛けたのはムゥムゥだった




【ああ♪】




振り向いた僕は彼女にそう言う




「お次は()()()()()()()ですね」



【だな】




僕達の話を聞いていたニコ




「ストックゲートって何?」




僕はまたニコに顔を向け、説明を始めた




【ストックゲートってのは、ダイヤモンド・アイ所持者に1つ与えるゲート…… ()()()()()()()()みたいなもんだ】



「異空間の引き出し?」



【ああ♪ ()()()()()と考えても良い♪ 普通はソコに使い慣れた武器を入れる…… ムゥムゥの様に自己所有の武器が有ればソレを入れれば良い】



「でも、ニコは自分の武器とか持ってないよ?」



「大丈夫ですよ、ニコ♪ 持ってなければノア様が創って下さいますから」




僕の隣まで歩を進めたムゥムゥがそう言った




「そなんや♪ 楽しみー!」




嬉しそうな顔を見せるニコだったが、僕は首を振った




【お前には…… 武器は創らない】



「ガーーーン…… 何でぇ…… グスッ……」



【落胆を言葉にするなよ…… ヤレヤレ…… ま、お前には()()()()()()が有るからな…… だからソレをやる…… 多分、お前にしか使いこなせないだろうから……】




不意に目を向けたムゥムゥの表情が一瞬堅くなったのを見逃さなかった



宮殿の事は全て任せてある



()()()()()を知らない彼女では無いだろう



だが、僕から()えて言いはしない



コイツなら…… ニコなら使いこなせると僕は思ってしまっているのだから




「じゃ、ニコにくれる武器はドコにあるの?」




彼女はそう言う




【お前にやる武器は、お前のストックゲートに入れてあるよ】



「え? もう貰えたの!? やったーー!!!」




そんな笑顔を疑問の表情へと変えるニコ



そのままキョロキョロと周りを見だした




「でも…… ドコにストックゲートってあるの?」



【ダイヤモンドを発動させれば、お前の望むときに姿を現すさ】



「ふーーーん?」




首を傾げる彼女



そんな彼女は手を高らかに上げる



そして叫んだ




「出ろ! 武器!!」








ゴクリと誰かのノドが鳴る








だが、何も起きない








「あれ? 出ろ! ほら、出ろ! コノヤロー! 出ろぉ!!!」








何も起きない








「ノアさ…… 出ないんやけど……」




ニコは涙を浮かべて問い掛ける




「ニコ、才能無いの……?」




今にも泣き出しそうな表情だ




【ニコ、才能が無いんじゃ無い…… 《覚悟》が無いんだ】



「覚悟?」



【見たいだけで()べる物じゃ無い…… お前の心に反応する…… お前が必要な時に姿を現す】



「必要な時……」



【ああ、そうさ♪ それに今のお前はダイヤモンドを持っているだけで、ダイヤモンドを《発動》していないから尚更だ】



「どうすれば良いの?」



【覚悟を持って《ヴァジュラ》と唱えればいい】



「ヴァジュラ?」



【ダイヤモンドの語源となった言葉さ♪ 《堅固》と《摧破》…… 堅き者、砕く者の意味を持つ…… お前がダイヤモンドを本当の意味で必要とすれば…… 誰を傷付けても守りたい何か…… その覚悟があればダイヤモンドは力を貸す】



「だから、覚悟?」



【そう言う事だ♪】




僕は優しく彼女の頭に手を乗せた



ニコはエヘヘと笑みを溢す






覚悟か……



本当なら、そんな時は来なければ一番幸せなんだがな……






僕は心の中で、そう思った








【さて、(めし)にしよーじゃないか♪】



『『『おーーー!!!!』』』




僕の提案に周囲が歓声を上げる



僕はコック長に顔を向けた




【リンデ! 今日のメインは何だ?】




リンデロイは一歩前に出ると頭からコック帽を取り、(かたわ)らに持つ



そして軽く会釈を見せ、笑顔で言った




「本日のメインはビーフ・ストロガノフに御座います♪」



【おお! 良いねぇ♪】



『『『ヒャッホーー♪』』』




高らかにガッツポーズを見せる者達



それらにグルリと顔を向けた僕




【おし、皆! ダイニングルームに移動開始だ♪】



『『『おーーーーーー♪』』』







リンデロイを先頭に部屋を出る



すぐ後ろには僕、そして左右にムゥムゥとニコ



そして侍女達、コック達が続く



僕は歩きを止めずにリンデロイへと言葉を掛けた




【リンデ? ビーフ・ストロガノフなんて久しぶりじゃ無いか?】



「ええ、そうですね♪」



【だよな? 良い肉でも手に入ったかね?】



「まぁ、それもありますが……」



【ん?】




彼女は少し言葉を濁した



どうしたというんだ?




「今日は…… ダイヤモンド・アイは予定外で御座いましたが、永命の儀はお聞きしておりました♪」



【ふむ? だから?】



「ええ♪ フフフ…… あの料理をこの宮殿で()()()()()()()()()()()()に、彼女の最高の祝いを、と、思いましてね♪」




そう言うとリンデロイは歩きながら、僕の斜め後ろに振り向いた



視線が合った彼女が声を掛ける




「ん? リンデさ? 何?」



「んーん、ニコちゃん…… おめでとうね♪」



「ありがとーー♪ リンデさのビーフ・()()()()()()、メッチャ美味しいから楽しみや♪」



「スト《ガノロフ》じゃなくて、スト《ロガノフ》だよ…… ニコちゃん……」



「あや?」




歩きを止めずに皆が笑う



そんな笑顔のままリンデロイはニコへと語り掛けた




「まぁ、うんうん♪ 丹精込めて作ったから堪能してね♪」



「はーーーーーい♪」






ふふ……



そう言う事か……



良い肉が手に入ったんじゃ無く、()()()()に良い肉を()()()()()()のか……



ったく……



この宮殿の奴らは良い奴ばかりだな♪






僕の心がフワリと温かさを感じた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ