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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
番外編 思い出話の小休止 2
22/109

21話 ムゥムゥ

明らかに殺傷力があるとは思えぬ()()()()()()()()を確認した僕は、一気に振り向いた



ソコには()()()()()が僕に()()()()()()()()()()()、もう片手にも()()()()()()()()()()()






【お前…… 何してんだ……】




僕はその女性に問い掛ける




「はい? 霞千鳥(かすみちどり)を飲むためのグラスが必要と聞いたのですが?」






いや、そりゃそうなんだが……






【だからって…… なぜ、無言で僕の背後に居た…… なぁ、()()()()…… 答えろ……】



「お話に夢中の様でしたので、止めては失礼かと」






ソコに居たのは()()()()()()()






何故、僕が苛立(いらだ)ちを見せているのか疑問の表情を浮かべている






【なら、それはそれで声くらい掛けたらどうだ? てか、お前…… いつからソコに居たんだよ?】



「そうですねぇ…… レイジ殿を婿(むこ)か判別しにオレンジ・ホームへ行き始めたところ…… からですかね?」



【かなり前からじゃねぇーーか!!! とっとと声掛けろや!】



「しかしながら、夢中でお話され……」



【解った、解った!! もういい!! 正しい!! お前は正しいよ!!】






ったく……



これ以上話していても()()()()()()()



話が平行線に向かう事が容易に予想できた僕が、その場を引いた




【やれやれ…… 僕の背後を気配無く取れるのはお前だけだよ…… ジャパニーズ・忍者か? お前は……】




彼女は目を大きく見開く



そして、かすかな声で聞き返した




「ジャパニーズ…… 忍者…… で、ございますか?」



【ああ…… 所変わればアサシンだな……】



「そ、そそそそそ…… ソレはどういう意味なのです!?」






なんだ?



狼狽(うろた)えてんだ、コイツ……?






【まぁ…… 忍者ってのはモリサダの生まれた国の…… アサシンってのは、その外の国のどちらも《暗殺者》だな…… ま、()(てい)に言えばだが、忍者ってのは…… 何だっけな…… ああ! 《(しの)びの者》とも云って、スパイの様な諜報(ちょうほう)活動もするそうだ】



「すすすす…… スパイ……」



【さっきから何に狼狽えてんだよ?】



「なんと……」



【あ?】



「なんと…… 美しい響き……♪」



【は……?】



「忍者…… アサシン…… スパイ……♪」






そんな言葉を呟き、ムゥムゥは両手を頬に当てて()()()()()()()()……






その後だ






ムゥムゥが突然声を上げる






僕を突き刺すかのような視線を向けた彼女






「私…… 今日から()()()()()()()!!!」



【ダメだ! お前はメイドだ!】



承伏(しょうふく)出来ません!」



【コラ! 訳の解んねー事、言ってんじゃねぇ! つか、お前を(した)う侍女は1人や2人じゃねーだろ? どうすんだよ、ソイツら……】



「ムムム……」






そして口元に手の甲を付ける



彼女は真剣に悩んでいる様子






妙な姿だなぁオイ……






口元にある手にはシャンパングラスがキラリと光る



これから使うグラスに()()掛けんじゃねぇよ……






そう言おうとした僕に、彼女はクルリと僕に背を向けた



そのまま頭を左右に何度もゆっくりと傾ける



そんなに迷う事かね……






「そうだ!!」




またもクルリと僕に向き直ると今もグラスを持つ両手を大きく広げた




()()しましょう、ノア様!!」



【あ?】



「私は()()()()()になります!!」



【お前…… 何言ってんの……?】



「だから、メイド忍者ですよ!」



【適当な職業(ジョブ)作んじゃねぇよ】



「適当では御座いません! 本気です!!」



【本気なら尚更メイドやれ!】



「承伏出来ません!」



【…… ココは承伏するべき所だろーが…… もういい…… 付き合いきれん…… やりたいようにやれば……?】






話疲れてきたのは言うまでもない



だが、それでも承認という結果に満足がいったのだろうか





「有難う御座います♪ あ、いや…… この場合、忍者なら何と言うのでしょう?」



【さあ……? 御意(ぎょい)…… とかじゃねーの?】



「なるほど! さすがノア様は博識(はくしき)ですね! では……」




そう、一呼吸置くと……




「御意に♪」




彼女は満面の笑みで、そう言った









【とりあえずグラス!】




そう言い放った僕に




「御意♪」




と、返すムゥムゥ



ニヤニヤしながら言いやがって……



どうせ直ぐに()きるだろう……






ムゥムゥが足元に置いてあったトレーに片手のグラスをコトリと置いた






ん?



片方だけか?



そう思ったのも束の間



手に持つグラスを天に掲げ、指先でクルリと(まわ)



そして、おもむろに手を入れた服のポケットから()()()()()()、拭き上げた






ん?



ああ……



チッ……



細かな所に気が付く奴だ……



アレはつい先程、口元に持っていったグラスの方だな……



コレだからコイツには中々キツく言えん……



拭き上げたグラスもトレーに置いた彼女は大吟醸・霞千鳥へと手を伸ばす






そして、キュ……



ポン……






そんな軽い音を栓から立てて、コポコポと注いだ






ユラリと揺れる酒



香りが芳醇に漂う



そのグラスを僕に手を添えて手渡した



受け取る僕は鼻を近付ける






うん……



出来の良い匂いだ……






ムゥムゥに目を向けると、もう片方のグラスを僕の隣に差し出す



モリサダの分……



そして彼女は静かに口を開いた



「ムーン様…… ご機嫌麗しく…… ただ…… 失礼かとは重々承知ですが、まだ宮殿内の諸々(もろもろ)が残っておりますので…… また改めてご挨拶に伺います」



そう言って彼女は僕の隣へと深く頭を垂れた


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