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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
2章 孫
19/109

18話 少女達

新しい風か……



オレンジ・ホームの民達に感謝せねばな♪



そう思い、僕は散歩を続けた



スタスタと歩いた先は厨房(キッチン)



別にリンリンを追って行った訳では無い



気が付くと()()()()()()()()歩き、ソコが厨房だった



その辿り着いた厨房内では戦争の様な声が響いていた




「お嬢さん! 次はそっちのフライパン! その後は調味料の(かご)頼むわ!」



「承知です! コレですね! 次は何が必要です!? どんどん言って下さい、リンデロイ様!」



「やるわね♪ お嬢さん! なら次は、お肉持ってきて! その先の保冷棚にあるからね♪」



「んーーー…… ありました! コレはドコに!?」



「オーケー♪ 大したものよ! コッチに頂戴な♪」



「了解です♪」




正に戦争……



僕の寝ている間に()()()()が行われていたとは……



宮殿を切り盛りする者達に感謝が尽きない






うん……



早起きはするものだな♪






邪魔してはいけないと思った僕は、その場を後にした



またスタスタと歩く



僕は倉庫を訪れていた



ソコに目をやり、一度目を閉じる






ココには、()()()()()……






()()()が……






この倉庫の奥の奥



最奥に厳重に仕舞っている、形となった罪だ



もう…… 消す事は無い



消されはし無い



もう……






ガチャ!!!






驚ろいた僕は、その音がした方を即座に見る






扉だ






倉庫の扉が()()()()()!?



誰だ!?



中から出て来たのは……






リンリン!?






僕は()()()()()()()を交互に見ていた






あれ!?



さっきまで厨房に居なかったか!?






「あ! ノア様♪」



【う、うん…… リンリン…… 頑張っているね】



「はい!」



【と、ところでリンリン…… さっきまで厨房に居たような?】



「はい! よくご存じで♪ 私の食器がまだでしたので、倉庫から取ってくるようにとリンデロイ様が♪」



【そ、そっか……】



「はい♪ あ! では急いでおりますので失礼します!」




そう言うと彼女は走り去った






は……



速い……



ムゥムゥの()()()()()()並みに速い……



あ、ダイヤモンドか?



それはもう少ししたら話すよ、モリサダ……









何事も無く日々が過ぎる



意外にも覚えは良いようで、リンリンは宮殿内の事を次々身に付けていった



彼女がこの宮殿に仕えてから5日もした頃にはもう全ての動きを熟知する



それもこれも()()()()が指導に当たっているのだ



当たり前ではある



ムゥムゥこそ、この()殿()()()()()()()()()()なのだから



ただ、そんな少女であっても()()()()()は有ると見えた






それはホンとツァン



2匹の龍の存在だ






もはや大きさは想像に足るものでは無い



この広い宮殿、その広い中庭に狭さを感じる程の成長を遂げていた



そんな龍達と頑張って……



極力目を合わさず……



最小限の会話で龍達と接する



時には桶に汲んだ湯を持ち、その中に入れた濡れ布で龍達を拭く



そんな些細な事でも彼女の仕事となっていた



龍がその気になればパクリと一飲みされる怖さは有るだろうが、彼等はそんな事はしない



ただひたすら懸命に励む少女の姿には使命感と共に、健気(けなげ)さも感じた






まあ、特に龍達の世話をしているのはムゥムゥとニコ



ムゥムゥが紅いホンを……



ニコが蒼いツァンを……



どうしても手が空かない時にリンリンが世話をする



それでも無理なら他の侍女がする



そんな日常だった









リンリンを見るとレシアを思い出す



あの子は頑張って居るだろうか……



勉強は順調だろうか……



幸せに暮らしているだろうか……



そんな事を毎度思慮する



そしてまた、今日の一日が終わる









空が陰り、夜が姿を見せた



侍女達も姿を部屋へと移し、宮殿内には足音が無い



その中に響かせる僕の足音



カツカツと……



夜中の宮殿内に響く



静かな夜だ



そう思い、僕は、僕の部屋の戸を開けた






その中央に()()()()()()()






何故だ……!?



何故ベッドがある!?



僕の部屋の様相では無い






実は、僕の部屋には《何も無い》



何も置いて居無い






必要な者があれば、その際に()()()()()()()()()()






だからこそ、僕の部屋には窓以外、()()()()()()






その部屋に……



その中央にベッドがあるだと?



片付け忘れたか……?



そんな結論に至り、僕はベッドに歩み寄った







いや、やはり不自然だ……



僕のいつも使うベッドと、()()()()()()装飾に目を向けた



しかもその寝台の上には布が掛けられて在り、()()()()()()()()()がある






誰だ?






僕はその掛け布に手を伸ばす



そして一気に()ぎ取った








そこには()()()()()()()()()



その子がフワリと口を開いたと思われた瞬間、クシュン!と鼻を鳴らす






そしてゆっくりと、その(まぶた)を開いた






僕は何が起きたのか想像も付かず、ただ思い浮かべた言葉を彼女に送る




【何やってんだ…… レシア……】




僕の部屋で寝ていたのは()()()()()()




「あ…… おはよう、ノア様♪」



【いや、まだ夜だが……】



「そーなんだ……? じゃ、もう一眠(ひとねむ)り……」



【イヤ、待て…… 僕は集落(オレンジ・ホーム)はどうしたと聞いてる……】



「ん? 何も無いよ?」



【じゃあ何故ココに居る?】



「何だか淋しくなっちゃった……」



【そっか……】




ホームシックと云う奴か……



ココでの生活は楽しかったろうからな……



僕は何も言わず、彼女の隣に腰を下ろす



そして優しく頭を撫でた




【レシア…… オレンジ・ホームはどうだ?】



「うん♪ 皆が優しくしてくれるよ!」



【勉強はどうだ?】



「色々教えて貰ってる♪ ノア様の言ったとおり、外だと色々な事を覚えられるね!」



【ほう…… 例えば?】



「農業とかも教えて貰ってるよ! 今は《シャロンの葉》の収穫時期なんだよ♪ それにね、《ツーンの果肉》も美味しいの!」



【そうか♪】






そこまで口にして、レシアの顔が少し歪んだのを僕は見た



彼女はその表情のまま、呟く様に……



話し始めた






「私ね…… ココに居る時には食事が…… 時間になると出てきてた……」



【うん】



「皆は食べ物を作ってるんだね…… それで生きてる…… それを食べて生きてる…… 私、何も知らなかった……」



【うん…… 外界は勉強になるだろう?】



「うん、すっごく♪」



【良かったよ♪】



「だからね…… ノア様の創ったコノ世界…… いっつも晴れてる…… コレを私は崩しちゃいけない…… 皆が笑顔で居られるように…… コノ世界を守らなきゃって…… 皆が笑って暮らせるように……」



【そうだな…… 頼んだよ、レシア】




そう伝え、僕はまた、頭を撫でた


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