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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
2章 孫
15/109

14話 伝えたい想い

老人を見ながらレイジが声を掛ける



不思議そうな面持ちだった




「ポポン爺(じい)ちゃん…… 病気治ったって……? それに奇(・)蹟(・)の(・)女(・)神(・)って何?」




今尚、両手をレシアに向けて擦り合わせる老人がその手を止める



そしてレイジに顔を向けた




「この世界の神であるノア様の力をお継ぎになられたお方じゃ」




その言葉に首を傾げる少年




「じゃあ、レシアは神様なの?」



「いずれは…… そうなるじゃろうて♪」




そう言葉にしたポポンはレシアでは無く、僕を見た



僕はYesともNoとも現段階では言葉には出来無い



そうなれば良いと思っているのは確かだ



でもイレギュラーは考慮しなければならない



だから僕は、その問いには答えず、笑顔で首を少し、斜めに向けた



その答えで充分だったのだろうか



ポポンは膝を地に着けたままの姿で笑顔を見せた




「しかしレシア様…… 如何様(いかよう)にしてお治し下さったのじゃて……?」




そう今度はレシアに顔を向ける



彼女も笑顔を見せた




「要(い)らない物…… 病気だけを取り出して、元のポポンお爺ちゃんの体を持ってきたんだよ♪」



「その様な事が……」



「うん! ノア様がア(・)ル(・)ト(・)ロ(・)ン(・)を(・)救(・)っ(・)て(・)く(・)れ(・)た(・)時(・)の事を思い出したの♪」



「あ、アルトロン…… で、ございますか?」




僕はそこまでの会話を遮(さえぎ)った




【待て、レシア…… あ(・)の(・)力(・)は説明が付くものでは無い】



「あ、そうだね……」




そう悲しそうな表情を浮かべるレシア



僕はその頭を撫でる



そしてレイジを見た



今も何が起きたのか解らない表情を浮かべる少年




【レイジ、恐かったろう……? アレは…… あ(・)の(・)魔(・)物(・)は何だったのか僕にも解らない……】



「うん…… あ! いえ、ハイ……」




僕は笑った




【今まで通りの会話で良いさ♪ う(・)ん(・)、で良い】



「うん……」



【レシアを…… 子供達皆を助けようとしてくれた事に感謝するよ♪】



「でも…… 当たり前の事だし……」



【良い子だ…… なあ、レイジ?】



「ん?」



【当たり前の事を、当たり前の様に出来る人間は少ない…… 今回の場合は特にだ♪ 自分よりも他人を救う事に向けられる人間は少ないんだ】



「……うん」



【君は大した者だよ♪ 恐怖も持ちながら…… でも…… 正しい事をした…… 僕はね、レイジ……】




そこまで言って、僕は口を閉じた





レイジに言って良いのか……





そう、考えてしまった





でも……





やはり……





伝えたい





そう思う





【僕はね…… 本当は君(・)の(・)噂(・)を聞き、君(・)に(・)会(・)い(・)た(・)い(・)と思ってこの集落に来たんだよ】



「僕に? 何で?」



【それは……】





君が噂通りの子供だったから



そして優しさも兼ね備えた者だったから



レシアの婿(むこ)に欲しいと……



いや……





【レシアの大切な友達になってくれるかな…… って思ったのさ】



「僕が…… 良(い)いのかな……」



【何故(なぜ)だい? レシアが恐いか?】




大きく何度も首を振るレイジ



そして口を開いては、また口を閉じた



そして考えが纏(まと)まったのか、言葉にした




「でも…… レシアは…… レシア様は……神様なんでしょ……? そんな方(かた)と…… 良(い)いのかなって……」




本当に聡明(そうめい)な子だ



子供には似付かわしくない礼儀まで持っている



やはり……



お前だよ、レイジ




【君がレシアを大切な友達と思ってくれるなら…… 僕は嬉しいよ♪】



「うん」



【それにな、レイジ……】



「ん?」



【レシアを特別扱いしないでくれ♪ レシアに《様》は要らない…… 友達に《様》は付けないだろ?】




レイジは無言でレシアを見た



そして表情を明るく変える




「うん! そうだね!」



【うん、そうさ♪】



「ねぇ、レシア……」




そう言った彼はレシアに向き直る



レシアはキョトンとした顔をレイジに向けた




「僕と…… 僕達と…… ちゃんと友達になろう!」



「うん♪」




レシアはレイジに笑顔を向ける



そして子供達にも同じ様に笑顔を向けた



誰から発したのか解らない



でも所々で



集落民から自然に……



実に自然に……



拍手が湧(わ)いた



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