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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
2章 孫
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10話 大丈夫

僕の決定に安心し、表情を和らげた2人が席を立ち上がる



ソレを僕は遮った




【待て、座れ】




キョトンとした目を僕、そして相方に向けてまた、席に着く2人




「どうかなさいました?」




そうアースが本題の口火を切らせた




【ああ…… 実はな…… レシアをこの()()()()()()と思う】




目の前の2人は驚きの表情へと変えた



そしてムーンが口を開いた




「レシアが何か問題でも起こしましたか!?」



【まあ、待てムーン…… 話は最後まで聞けよ…… 見聞(けんぶん)の為さ…… あの子は優しい、そして力も持つ…… 僕はいずれレシアに()()()()()()()と思う】



「それは…… ()()()()()…… と、いうことに……?」



【その通りだ】



「それは…… 光栄至極ですが…… なぜ外界に?」



【うん、城の中に居ただけでは理想だけが歩き出す…… 外で…… 民に接することによって見えてくる現実は、彼女にとって必要不可欠だ】



「それは…… そうですが……」



【ムーン…… 理想だけでは世界が完成し無いぞ? アースと2人で地球を創ってるんだ…… その位は解るだろ?】



「はい…… しかし……」



【何だ? 不服か?】



「いえ、ただ……」




そう口ごもるとムーンは言葉を選ぶかのように少し視線を下げた



そして少々の沈黙の後、奴は言った






()()()…… ()()()()()()()?」






ほう……



()()()()を選んだものだ



《何が》大丈夫か、では無く、《大丈夫か?》と聞くか、お前は……



《この》不安は大丈夫か?



という意味では無い



《全てにおいて問題は無いか》と()()()()()()()()……



問題がある点が有るなら全部話せ、って事かよ……



良い父親に成ったものだ



嬉しく思うぞ、ムーン……




【大丈夫だ、僕は何度もその集落を訪れた…… 温かい集落だよ、あそこは♪】




僕の目をジッと見るムーン



そしてアースもまた、同じ様に僕の目



その奥を刺すかのように視線を強く向ける




「ノア様が…… そう決断されたので有れば…… それが最善なのでしょう…… 解りました…… よろしくお願いします……」



【ああ♪ 心配するな!】



「はい……」



【まぁ、だから次にカタストロフィに戻る際には、その集落に立ち寄ると良い♪ 大河カタストロフィの下流…… 最西端に位置する()()()()()()()という集落だ】



「承知しました」



【オレンジホームだぞ? 二度言わないから集落の名前、忘れんなよ】




そう言った僕は一呼吸置いて言葉を繋げた




【それにな、その集落には優秀な子供が居る…… レイジと云う名の子供だ♪ いずれはレシアの婿(むこ)に欲しいと思っている】




ガダァァン!!!




「ちょ!! 待った!!! ノア様、幾ら何でも、それは早いでしょ!!! レシアはまだ6歳ですよ!?」




勢い良く立ち上がった瞬間に()()()()()()()()



その後に言葉は無く、パクパクと口を動かしながら意味の有無が無さそうな手振りを見せた



動揺する気持ちは解らんでもない




【まぁ落ち着け…… 僕もな…… そんな時が来るとは思ってなかったんだけどな…… レシアは人並みの幸せを与えてあげたいと思ってるんだ】



「いや、だとしても…… まだ子供ですよ!?」



【だから、だとしても、なんだよ……】



「どういう意味です!?」



【レシアがな…… ()()()()()()()()と言ってるんだわ…… でも、そりゃ無理だろ? だから婿候補も勉学の場所ついでに探したんだ♪】



「そんなぁ……」



【まぁまぁ…… いずれ()れるさ♪】



「はぁ……」




そう溜め息をつくムーンは力無く立ち上がり、蹌踉(よろ)ける



それを支えるアース



2人が一礼をし、部屋から出る間際、耳に届いた会話




「そんなぁ……」



「どうしたの? さっきから《そんなぁ》ばっかり……」



「俺だって()()()()()()()()()んだぞ……?」



「何がよ、ムーン?」



「お父様のお嫁に成るって…… ノア様が先に言われるとか…… 何て事だ……」




お前の落胆はそっちかい!!!








ある日の昼、宮殿の中庭に僕は居た



そして隣にはレシアが居る



僕はレシアの手を取った



周りには宮殿侍女達が立ち並ぶ



そして一同に()()()()()()()



いつもチャキチャキと仕事をこなすムゥムゥまでもが瞳から雫を落とす



この宮殿の姫であるレシア



それを()()()()()()()()のだろうか



皆にとって妹の様な存在だったのかも知れない



実に……



本当に幸せな環境だったのだろうと、つくづく思う



僕の飛び立つ間際、ニコが駆け寄り言った




「レシアちゃ…… またね♪」



「うん、ニコちゃんもね!」




2人は笑顔を見せる



次いで話し掛けたのはムゥムゥだった




「レシア様…… お体にはお気を付けて…… コレは()()()()ながら……」




そう言って()()()()()()()を手渡した




「コレは何?」




()()()()()()とムゥムゥを交互に見るレシアが問い掛ける




「コレはですね……」




ムゥムゥがスラリと伸びた指を巻いた布に絡ませた



そしてヒラリ、ヒラリと布を開く



ソレを見たレシアが驚きと喜びの表情を見せた




「コレって!? いいの!?」



「ええ♪ 私の愛刀《闇断(やみだ)ち》…… 有事の際には御身(おんみ)(まも)ってくれる事でしょう♪」




開かれた布、ソコに在ったのはムゥムゥが有事、つまり()()()()()使()()()()()()の姿があった



ダガーに似た武器



彼女は【苦無(クナイ)】と言っていた



ナイフよりも少々長い両刃



そんな武器



そしてそれは両手に一本ずつ持つものであり、大切な苦無(クナイ)、その分け身を(ゆず)るという心境はいかほどの物か……



あまり表情に出さないムゥムゥでも、レシアを大切にしてくれて居たのだと今尚ながら感じずにはいられない




「このクナイは私の持つ《魔断(まだ)ち》と対に生まれた姉妹刀…… レシア様の身に何か有れば、この《闇断ち》が教えてくれます♪」



「そんな大切な物を…… いいの?」




ムゥムゥは目を優しく細め、レシアを見ていた




「この世に御身ほど大切な(かた)はおりません♪」




そう告げる




【良かったな、レシア♪】




僕はそうレシアに言った




「うん♪」




彼女は笑顔で応えた

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