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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
5章 思い出話の終わりに……
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107話 伝えたい言葉

「ちょ…… 貴方!?」

「なんとぉぉぉ!?」




驚き動揺する侍女達


そんな事はお構いなしに僕の体内へ口移しで息を吹き込むニコ





その直後だった





嘘の様に(だる)さが無くなる


彼女が流し込んだ息はピュア・サファイアで創り上げた高密度の空気、酸素だと理解した





また助けられちまったか……


そして、なぜか確信となる心


《選ぶ時》が来たんだな


そう思った








ニコが僕から唇を離す


そしてニコリと笑い掛けた




「ノアさ、どや?」



【うん、とても晴れやかな気分だ♪】




そう言って僕は伸びをした


健康って大切だな♪





そして、ふと侍女2名を見る


彼女達はジトッとした視線を向けていた


どうしたというのだろう?




【どうした、お前達?】



「あの……」




そう言い掛けたのはムゥムゥだ




【ん?】



「晴れやかな気分とは…… ニコの…… その…… キスが嬉しかったからですか……?」



【ちょ! バカなこと言うな!】



「不潔です!! 不埒(ふらち)です!!」



【違ぁぁぁう!! ニコも何か言ってやれ!!】




振り向いた先に居たニコ


彼女は真っ直ぐ僕を見て微笑んで居た


そして口を開く




「嬉しかったんやもんね♪ でもさ、何はともあれノアさはニコのモノや!」



「あ……」

「確かに…… 勝負に負けましたね、ムゥムゥ様……」




そう言って、溜め息と共に2人は肩を落とした




そんな姿を見ていたレイジ達は笑顔だ




「良かったね、ニコにー♪」

「やったね! ニコちゃん♪」



「うんうん! ニコがノアさのお嫁さんや♪ ね! ノアさ!」



【お、おう…… そうなっち…… まったかな?】



「なんやその歯切れ悪い感じ!? ノアさは嘘つかんもんね?」



【嘘は…… うん…… ダメだな……】



「そやろ!? ほら!お嫁さんや♪」




どうしたものか……


確かにその結果がありきの競技だった




だが、これで良かったのか? という疑問もある




でも、何だろうな……




多分、見ちまったからかな?




そうさ、見てしまったんだ、僕は……




自分の痛みよりも僕を大切に想う、守る、助けようとするニコを……




こんなに一生懸命な彼女へ向き合わない訳にはいかない




うん




向き合おう




ニコの心に……





【ニコ】



「ん?」



【僕は…… 子供を産めないけど大丈夫か?】



「うんうん♪」



【それで寂しく無いか?】



「一緒に居るだけで良いんや♪」



【そうか…… なら…… ニコ……】



「ん?」






僕は大きく息を吸い込んだ



少しは緊張するかとも思ったが、思いの外、そうでも無い事に驚く



それは彼女の想いに応えたいという意思だったのだろうか?



いや、違うな……



プリンセス・桃花がよく口にした言葉、《覚悟》



多分ソレが僕の中にも形として残って居る為だ



だから僕はニコに、覚悟を持って応えたい



僕がいかなる時でも君を守ろう



君が僕を守ってくれるように、僕が全力で君を守る



だから……



だから、ニコ








【僕と…… 結婚して下さい】








ニコは目を真ん丸にして居た



珍しく動揺を見せていた



でも、ソレを整える



そして笑った








「勿論や! ニコはこの世界で、いっっっち番幸せモンや♪」




そう言って僕に抱き付く



誰からともなく、湧き上がる拍手が周囲を包んだ



それからの僕等はレイジ達を傍らに全員で女神の丘を下りた



そして宮殿へと向かう



皆にニコとの経緯を話すと一様に驚愕の表情を映す



だが、その後は祝福の言葉を次々貰った








時を見てニコへは純白のドレスを(まと)わせる


それは僕の娘、アースの生まれ変わりである藍と初めて会った中庭で彼女が着ていた物


サイズはピッタリだった


そして、宮殿大広間にて式が行われた





嬉しそうにはしゃぐニコを見ると気持ちが落ち着く





だがこれからもまた、ニコには苦労を掛けられるのだろう





鬼ごっこのあの日、帰ってから1番最初にしたのは…… 独房脱走時にニコが空けた壁穴修理だった





でも、良いんだ





考え方次第なのだから





何も特別な事が起きない、ありふれた日常に一石を投じる出来事





ニコがワクワクした感情を僕にくれる





そんな他の女性ではくれないエキサイティングな日々をこれから送る事になるだろう





毎日が罵声と怒声の連続だというのは目に見えている





でも、それもまた幸せな事だ





ずっと隣に居てくれれば、それで良い





僕が大切にするから……





だから……





たまに……





いや、毎日かも知れないが……





君を怒る姿位は許して欲しい





そんな事を思いながら彼女へ目を向ける





僕を優しく見る眼差しは今も昔も変わらない





今、彼女は藍のドレスをウェディングドレスに仕立て、纏う





誓いの言葉を彼女へ掛ける





頭に乗るヴェール





僕はソレに手を掛け、ニコに誓いの口付けをした





こんな事は初めてだったために順番が異なってしまった





慌てて開いて閉じた右手のゲートからリングを創り上げる僕





彼女の左手薬指へ、()()()()()の付いたリングを通した





その日、僕達は民にも祝福されながら共に生きる事を誓い、夫婦となった

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