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ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
5章 思い出話の終わりに……
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100話 騒動の予感

僕が状況判断のみで選んだ元宮殿侍女達から成る金剛騎士団(ダイヤモンド・ナイツ)



彼女達は彼女達なりの自我があった



ある意味、一国を任された立場



力のみならず、心も強くなければならない



そして()()()()()()()()



心が強かったからこそ、宮殿に居た頃には仲が良かった侍女達よりも《自分の方が上》という考え



それぞれが強大な個々の自我



それをプリンセス・桃花(モモカ)は繋いだ



力で押さえ付けるのでは無く、心で説いた



まさしく泉と咲子の曾孫



彼女達の想いを受け継いだ者だった



本当に、本当に感謝が尽きない



多分、僕でも為し得なかった和解と秩序を彼女は創り上げたんだ



世代交代という嬉しくも悲しい現実



でも、泉と咲子の心と覚悟は確かに桃花と樹の中に息づいている




【良いもんだな、子供っていうのは……】




不意に僕は呟く


そんな言葉に目の前で座る2人は目を丸くした




「ノア様は……」




そこまで口にしたレイジは一度言葉を詰まらせた




【ん?】



「あ、いえ…… 結婚などはしないのかな、と」




突如、口にした物事に僕の心の中の何かが揺れる


僕にヒトを創る力はあっても、ヒトを産む力は無い


だからヒトを産む力を持つヒトと婚姻を結んだとして、子供が産まれる事は無い


それは伴侶(パートナー)として迎えたヒトが悲しむだろう


その者が子供を欲すれば如実な悲しみ






だから考えた事も無かった






【特別…… 結婚とかは考えて無いかな……】



「えーー!! 良いよ、結婚って! ノア様もした方が良い!」




僕の言葉へ即座に言い放ったのはレイジの妻だ




【んーーー…… でもさ、その者が子供を欲したらどうする? 悲しいだろ? 僕は力でヒトを創れはするが……】



「でもソレって()()()()じゃない?」



【どういう事だい?】



「必ずしもソレが全てじゃ無いって事! ノア様を大切にしたいって言ってくれる人が居て、その人が必ずしも子供絶対欲しいって人じゃなければ大丈夫でしょ?」



【そりゃ、まあ……】



「だからね、話し合いだと思うよ! 話してダメならダメだろうけど、話す前からダメって決め付けるのは…… やっぱダメじゃないかな?」





僕は何も言えなかった


とても素直に核心を突く言葉へ言い訳の様な事を言えなかったんだ




多分、僕は逃げていた




ヒトをとても好きであるが故、大切にしているソレらを傷付けたく無かったのかも知れない




だから僕は上辺だけを好きで居たんだ




内面まで触れずに、外側だけを……




安全な部分だけを好きで居る




なんて卑怯な神だったのだろう





【そうだな…… 君の言うとおりだ】



「でしょ? だったら誰かを本気で好きになってみたらどうかな?」



【……は? 今から?】



「善は急げっていうでしょ♪」



【この世界の言葉じゃ無いだろ……】



「そ! 地球の言葉♪ でも正論で極論よ!」



【そ、そう言われても……】



『では私がノア様の妻になります』




ソコまで口にした僕達の()()()()()()()()



僕等3人は声がした山道へ顔を向ける



その先から()()()()()が歩み寄っていた




()()()()()!」




レイジの妻は彼女の名を呼ぶ



姿を見せた彼女は紛れもなく宮殿侍女長であるムゥムゥだった



【ムゥムゥ…… お前……】




僕は直ぐ傍まで歩み寄った彼女へ語り掛ける


ムゥムゥは僕に笑顔を向けた




「ノア様を1番理解しているのは私だと思いますよ」



【本気か……?】



「ええ♪」




この場合は何と答えればいいのだろう?


結婚などという大それたモノを考えた事が無い



ありがとうと素直に答えれば良かったのかも知れないがソレは即座に了承したと云う事に他ならない


そんな僕の不安とは裏腹の表情のレイジと彼の妻




「ソレは良いですね! ムゥムゥ様なら良い夫婦になれますよ」



「だね! ムゥちゃんならピッタリだよ♪」




なかば強引とも取れる2人の言葉


何と言おうか迷いがあった時だった




「皆さん、お揃いなんですね♪」




そう言い現れたのはリンリン


彼女もまた山道を軽い足取りで歩いて来ていた




「リンちゃん♪ お久しぶり!」




レイジの妻はリンリンへと語り掛け、




「ホント久しぶりだね! 体の調子はどう?」




そんな言葉を返す


先程までの妙な緊張感はどこ吹く風といった感じで彼女達の会話が進んだ





だが……


元はある意味大事な話



逃げ切る事が許されない言葉を発したのもまた、リンリンだった




「ところで何の話をしていたの?」



「ノア様の奥さんにはムゥムゥ様が良いんじゃないかって話さ!」




問い掛けに答えたレイジ


その言葉にリンリンの表情は固まっている




「あの…… それで…… ノア様の答えは?」




彼女は呟く様にそう問い掛け僕を見た


一度空に目を移した僕


別に視線を外したかった訳じゃ無い


ただ何となく……


ゆっくりと流れる雲を見たくなったんだ




【結婚なんて考えた事もなかったからな…… 少し…… 考える時間が欲しいかなってね】




空から下ろした視線の先にあるリンリンの表情が少し変わった様に感じる


なんと表現して良いか解らないが、ホッとしているようにも見えるのは気のせいだろうか?




「なら…… まだ大丈夫ね……」



【大丈夫? 何がだ?】




僕は聞き返した


だが、聞き返さなければ良かったと後悔する


だってリンリンが答えたソレは、状況をより複雑にするものだったのだから






そう






彼女が答えた言葉は……





「なら私もノア様のお嫁さんに立候補する!!」



だった

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