表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルビーアイ Noah's memory ~神の追憶~  作者: アゲハ
序章 ノア
1/109

プロローグ 神の呟き

黒い、闇より黒い鎧



頭には同じ闇色の兜



背にはマント






僕の名はノア


この世界を創った神だ






そんな僕が歩いていた



スタスタと……



ジャリジャリと……



足元から鳴る音色



砂利が敷かれた坂を登り、森に入る



空を遮る木の葉



木々から覗く光が心地良い



僕の上部を埋め尽くす緑が清々しさを感じさせる



見上げた木には、何かの実が成っていた



いずれこの実も育ち、またこの世に住む人々を潤すだろう



これが世界だ



僕の求めていた世界……









ただ、ひたすらに歩みを進めると周囲の光量が増す



僕は森を抜けた



そこには下界を全て見渡せる程の高い丘



また少し歩くと、柵も無い断崖絶壁



後には、抜けてきた森



右には大きな岩



左や正面には美しく広大な平野が視界を埋め尽くす



田畑も見える



人が居るようだが、姿など米粒にしか見えない



そしてその平野を2分するのは大河



名は、カタストロフィ



現世と黄泉との完全な狭間



何とも美麗な光景だ




【やはりココの景色は最高だな…… この《女神の丘》ほど美しくこの世界を見渡せる場所は無い……】




そう誰に言うとも無く、僕は言葉にした



何度か顔だけでは無く、体ごとを各方面に向け、黒いマントをなびかせ世界を眺める



僕は少し、この世界の壮麗さに酔いしれていた



不意に僕は呟く




【なぁ…… 話したくなった事があるんだ】




僕はソノ世界を見ながらそう言った




【ああ…… 聞いてくれるだけで良い…… なんてゆーかさ…… ただ、話したくなったダケだ】




空を見た



蒼天が僕を見下ろす



雲一つ無い空



風も無い



ただ、青々とした姿を見せている




【黙って聞いてくれよ…… なんかさ、色々あったなぁ…… そして、全て終わったな…… 大きな仕事は全て…… 気が抜けたよ、ようやくさ…… だから…… うん…… 独り言なんだ、コレは……】




空に



平野に



大河に魅せられる



その丘に僕は腰を下ろした




【聞いてくれるか? 僕の話を……】




僕は笑う




【そんな顔するなよ…… ただ、そこに居るだけで良い…… 独り言なんだからさ】




また、僕は笑った




【ありがとな…… ()()()()……】



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ