8話 会議室にて
「皆、忙しいところご苦労。集まってもらったのは他でもない、エリオットのことだ。」
アルフェード前国王が会議用の部屋に集まった大臣達をねぎらいつつ、早速本題に入る。
「お体の方は順調にご回復なさっている聞いていますが、何か問題でも出たのですか?」
内務大臣のミラーが尋ねる。
「いや、手足の痺れも無くなり、日常生活には問題ない程度まで回復したらしい。問題は記憶喪失だ。極端に人格が変わったとか、言葉もしゃべれないと言った酷いモノではないが、皆の事は覚えて居らん。」
「ふぉっふぉっふぉっ、エリ坊には世話が焼けるのう。これでは一人前に育てなおすまで死ねないでわないか。」
アルフェードの言葉で重くなった空気を全く気にしないかのように外務大臣アルマードが言う。
アルマードは会議室に集まった大臣の中で最年長であり、貴族あっても60歳で長生きと言われるのに対し、77歳であった。
年齢に見合った皺の多い顔の割に、背筋はピンっと伸ばされており、そこらの若者よりも生気が溢れた雰囲気があった。
彼はエリオットが生まれた時点で既に60歳となっており、教育係でこそないがエリオットの事を孫のように可愛がっていた。
「爺さん、まだ生きるつもりですか。まぁ長生きは良いですが、次代の事も考えてくださいよ。」
(年の功か・・・)
アルマードとは逆にここに集まる最年少のジグラル技商大臣が内心で感謝しつつ憎まれ口で返す。
「幼少のころよりの蓄積が失われたのは痛いですが、今後の実践で鍛えていくしかないですな。」
「エリオット様なら大丈夫でしょう。それより、いつ頃謁見できるのかしら?」
軍務大臣のスペラールと司法大臣のガーネシアがそれぞれ発言する。
「ふむ、オッフェルトの話では特に容態に問題は無いので3日後辺りを予定している。ただし、最初の謁見はここに居る皆だけだがな。」
「まぁ、王位継承の儀の時のことを考えれば、その方が良さそうですね。」
「作法や手順に問題は無いが、ゴーレムのようにカチコチじゃったからの。ふぉっふぉっふぉっ。」
「まだ、大勢の前に出るのは苦手であられるのか・・・。」
アルフェードは彼らの言葉に苦笑いをしつつ、会議の解散した。
回廊の窓から青い空を見上げて、アルフェードはため息をつく。
「ハァ・・・。まったく、これからどうなるのであろうな・・・。」
いい加減テンポよくと考えているのですが、なかなかできません。
やはり、一気に書いて要らない場所をバッサバッサと切り落としていく方が良いのでしょうが、唯でさえ更新が遅いのに・・・orz