7話
すみません、設定説明で尺稼ぎが多いです。
「さて、エリオット様。一般的な知識を今までお教えしてきましたが、これからは王族として重要な事をお教えします。」
「はい。よろしくお願いします。」
手足の痺れが無くなったので、オッフェルトと対面する形で机に座っている。
「では先ず、口調です。エリオット様は丁寧ですが、どこか下手に出ているところがあります。
良いですか? エリオット様は王族、それも現国王であられるのです。もう少し威厳と言うものを・・・」
「オ、オッフェルトさん? 口調は習慣によるものなんですから、おいおい直すと言うことでね?」
オッフェルトさんの説教兼愚痴は長くなるので、早めに切り上げてもらうことにする。
「はぁー。記憶を無くされても、そう言うところはお変わりありませぬな。」
何処か諦めたような、呆れた感じだ。
「先ず、この国についてご説明します。」
・・・
説明を聞いた感じでは、このダーストン国は2つの大陸に渡って国土があるらしい。東側にオーリオ大陸、西側にエテリケ大陸。
オーリオ大陸の西の端はイベリア半島のようになっており、その海岸沿いが国土で、内陸部はロンダルス国がある。
エテリケ大陸の東の端もイベリア半島の半分ほどの半島があり、こちらは大陸との付け根の部分までが国土となっていた。
そして、両半島の周辺には数多くの諸島があり、それらも領土としいる海洋国家とのことだ。
国土が接しているのはオーリオ大陸ではロンダルスのみ。
エテリケ大陸では半島の付け根部分で接している北半分がムスタルク国、南半分がガズジック国となっている。とはいっても、ヒマラヤのような山脈が付け根部分にあるらしく、海岸付近しか行き来ができないらしい。
・・・
「さて、国土と地理に関しては大まかには説明しました。政治的な詳しいことは複雑ですので、政務の都度にご説明します。
最も、エリオット様が国王になられて半年も経っておりませぬからな。基本的にはアルフェード様と大臣の方々が政務を取り仕切ってくれます。」
「オッフェルトさん。質問良いですか?」
前々から気になっていたのだ。
「何故、対して政治も解らぬ子どもを国王にしたのですか?」
「子どもと言ってもエリオット様は17歳ですからな、成人と成られているため国王と成られてもおかしくはありません。普通ならば30代以降に成られますが。」
17歳で既に成人か。
「エリオット様がそのお年で国王と成られたのはロンダルスと合併するためです。ロンダルスの現国王はケリーシア女王陛下です。王子、王女同士で結婚なされる予定でしたが、ロンダルスの前国王陛下がご病気で崩御なされたために女王位に就かれました。国同士の結婚となるため、両者は対等である必要があるため、エリオット様にも王位を継いでいただいたと言うことですな。」
こちらで初めて目覚めた日に見た婚約者は女王だったのか、気の強そうなところとか正にって感じだな。
「王家同士が結婚して国を合併させると言うのは良くあることなのですか?」
地球では聞いたことが無い話だ。
いや、王族と貴族の境が曖昧だった昔、中世頃ならあり得るのか? 国家という感覚より領主の財産と言う感覚が強かったらしいし。
「ふむ、頻繁にはないですが、全く無いわけではありませぬ。
有名な例ではオーリオ大陸の東の方に小国家群があったのですが、7ヶ国が何代かかけて合併して今では大国と言われる国ができております。
また、大国が相手国の国民から反感を買わず、平和裏に他国を吸収する手段として用いられることもありますな。」
うろ覚えなのでちょっと違うかもしれないが、ハプスブルク家とかも似たようなことをしていたと考えればおかしくはないのかな?
「話がそれてしまいましたが、今後、エリオット様にしていただきたいこととして、まずは家臣達の顔と名前を覚えてもらいます。お体も歩けるまでに直られましたし、そろそろ回復祝いのお披露目がありますので心してくだされ。」
お、お披露目ってなんだ? 国王だし、広間にずらっと並んだ人達の前に出てなんか演説しなきゃいけないのか??
会社でプレゼンは良くやったが、4年経っても慣れずに、毎回緊張していたのに・・・
く、口調とかこれだとマズイのか?
どうすればいい? 何をすればいいんだ??
良ければ、レビューとかコメントよろしくお願いします。