とっくに見捨てていたので、改心なんていりません。
授業が終わってすぐにシャーリーは席をたって婚約者のランドルの元へと向かった。
ランドルのそばには魔法学園に入ってできた友人たちがそばに寄ってきており、話を始める。
「今日はどのあたりに行く?」
「やっぱり中央通りが一番なんでもあるだろ?」
「でも大通り外れの店もコアなのが多くて――」
「あの!」
その全員に聞こえるようにシャーリーは声をかけた。
瞳はランドルを見据えているが、彼の友人たちにも意思表示するつもりで大きな声を出したのだった。
「ランドル、二人きりで話をしようと呼び出しても来てくれないので、この場で言わせてもらうわ」
「……シャーリー」
彼は忌々しげにシャーリーの名を呼んで表情をこわばらせた。
「魔法学園は、規律を守りながらたくさんの人が学びを受ける場所。遊ぶために来たわけではないはず。あなたたちの素行不良は、特に目に余ると教師からも言葉をもらっています」
「……」
「……」
「具体的に言うと、普通の貴族としても看過できないような平民たちの酒場で豪遊、その後の問題、遊びによる出席率の低下!」
ランドルもその友人たちも、シャーリーのことを見つめてとても嫌そうな顔をしている。
図星を突かれたと言うよりも、シャーリーのことを軽蔑しているらしかった。
「これでは、そのうちに学園での本分を忘れて、授業について行けなくなってしまいます。ランドル! 私はあなたの婚約者です。どうか私の顔を立てて折り合いのつくところを見つけるための話し合いに応じてくださいませんか」
シャーリーだってなにも、言いたくてこんなことを言っているのではない。
シャーリーはランドルの実家が特別厳しかったことを知っている。
昔からの婚約者だ。
彼が育ってきた環境を考えると、実家を出て寮で暮らすことになり箍が外れてしまうことだって仕方がないと思っている。
しかし、楽しいのはわかるけれど、ここでそればかり優先してしまっては実家からの自立という彼の目標も達成することができなくなる。
それは彼だって避けたいと思っているはずだ。だからこそ、両立をするべきだ。
すべてを悪いとはいわない、遊びだって時に重要だろう。けれども同じく箍の外れた人たちと群れて遊んで、ずっとそのままではなにも好転しない。
だから大きな声を出した。
たとえ、多くの人から疎まれようとも野放しにはできなかった。
そして、ランドルにシャーリーの気持ちは伝わるはずだと強く思っていた。
きちんと向き合えば、彼にだって伝わると信じていた。
「…………」
ランドルの反応を伺うように、彼の周りにいた友人たちはチラリと彼を見てその場には沈黙が訪れる。
「……ハッ、うらやましいなら、君にもなじみの店を紹介してやろうかぁ?」
そしてランドルはあおるようにシャーリーに言った。
「馬鹿真面目、石頭、君のような人間のことを表す言葉だ覚えとけ。私たちは賢く楽しく遊んでるだけだ、君に迷惑なんかかけたか?」
「……」
「かけてないだろ? 自分はここにいない親の反応が怖くて遊べないからってルールを持ち出して縛り付けようとして、うざったい婚約者だな。な、そうだろ?」
そうして周りの友人たちに話を振る。
すると彼らは待ってましたと、ばかりに口を開く。
「よく言った!」
「さすがランドル」
「うざい婚約者なんか無視だ、無視!」
「正論なんて腹が立つだけだよな」
彼らはケラケラとシャーリーのことを笑って、口々に罵った。
あまり面識のないランドルの友人たちにもそこまで言われるとは思っておらず、シャーリーは口をつぐむ。
「そういうわけだ。シャーリー、他人を説教して気持ちよくなろうとしていたところ悪いが、誰も君の正論なんて興味ない、せいぜい一人でわめき立ててろ」
ランドルはシャーリーの肩をぽんとたたいて、すれ違って去って行く。それは明らかな拒絶であり、二人の間の断絶だった。
話し合いの余地すらない、ランドルにはシャーリーの言葉など届かないし、むしろ疎ましく思っていると言うことがありありとわかった。
それが誰に言われたどの言葉よりも重くのしかかってそのままうつむいたのだった。
シャーリーはしばらくそうしていて、それからぐわっと顔を上げて、覚悟の決まった目をしていた。
「うわっ……なに急に驚いた。涙がこぼれそうになったの? ハンカチ貸そうか?」
すると様子を窺うにそばに来ていたクライドという男子生徒が目をまん丸にして、持っていたハンカチを差し出す。
彼は同じクラスで唯一出身地方の出身で、同じ寮の男子生徒だ。
仲がいいという訳でもなく、たまにするべきことがないときに話をするぐらいで絶妙な距離感の相手だった。
しかし、こんな婚約者とその他数人の男子生徒に拒絶されてぽつんと残された惨めな状況で声をかけてくれるとは思ってもみなかった。
「あ、いえ、ハンカチは大丈夫。持っているし、あ、違うの。泣いてもいないので」
「そう。……それにしても、無謀なことするよね。驚いた」
シャーリーがクライドと平然と話を始めると、ランドルたちとの対立で、様子をうかがうように静まりかえっていた教室の空気が変わる。
少しまだこちらを伺っているような雰囲気はあるものの、表面上は通常の放課後だ。
それにシャーリーも少しほっとしつつ、言葉の意味を問いかけるように「無謀?」と聞き返した。
「そうだよ。真っ向から否定して、一人で立ち向かうんだもの。そりゃ、言っていることは正しいよ。でも賢くない」
賢くないと否定されて、シャーリーはとても微妙な顔をした。
それはよく言われる言葉だ。シャーリーもたしかに賢いやり方ではなかったと思っている。
だから行動は慎重にと決めている。しかし今回に限っては前提があったからああいうことをしたのだ。
「……その、それはそうかもしれないけれど、前提があったからこうしたの」
「前提?」
「うん。その、ランドルが……婚約者が私の言葉を重要視してくれるっていう前提」
「……ああ」
「だから真っ向から……でも前提から瓦解してたみたい。情けないことで、たしかにその可能性を考えたら賢くない、傷つくだけのやり方でした」
「そだね」
「でも、クライドさん」
「……」
シャーリーは自分の行動を恥じつつも、瓦解がわかっていたとしてもこの行動をとったと思う。
だから後悔はしない。
それに後悔しなくていいようにこれから行動するしかないのだ。自分は時たま間違える。だからこそこれからだ。
「転んでくじけて諦める訳ではなく、これからなので。私の行動を何らかの成果にするためにただでは起き上がらない、ので」
「そうなの、割とバイタリティーあふれるタイプだったんだね、君」
「割と、というか全力でバイタリティーに振っている方です」
「おお、そうなんだ」
「うん。なので、前提が瓦解したし、なによりあの人の本性もわかった。これからもきっとランドルはああなのだと思う」
シャーリーはランドルが去った教室の扉を見つめて、少し息を吐き出した。
拒絶されたことはショックだった。あれはもう修復は不能なほどの断絶だった。
そしてあの人のやり方考え方はとても悪辣で、シャーリーは彼とともに未来を歩んでいけるとは考えられない。
正論に対して、論点をすげ替え、ただの感情論にし、ばかにしてあざ笑う。
そんなことをする人など、シャーリーの人生には必要ないし、敵意を向けられて攻撃されたからには、シャーリーだってやり返す。
つらいことがあったって、叩きのめせばチャラなのだ。
「であれば、私もあらがいます。救いようのない人が私の婚約者なんて嫌なので」
「なにするの?」
「彼らの嫌がることです」
「?」
クライドは首をかしげて、返したが、シャーリーの中ではもうやることなど決まっている。
それにはもう少し協力者がいた方がいいだろうと考えたとき「あの……」と控えめな声がかかった。
振り向いてみれば、一人の女子生徒が友人を引き連れてシャーリーを見つめていたのだった。
声をかけてきたエイミーという女子生徒とシャーリーは協力することにした。
エイミーは羽目を外しすぎているランドルとその友人たちの内一人が婚約者でエイミー自身も婚約者の素行について困っていると言う事情があった。
そんなエイミーと、他クラスや他学年にいるランドルの友人たちの婚約者や身内に当たってさらに協力者を募っていった。
そうして集まった数人でなにをするかというと、彼らにたいする徹底的な声かけと説教だった。
特にシャーリーは先陣切ってランドルたちの元へと向かった。
一度やったことは二度も三度も変わらない。
「親が悲しむ」「教師も心配している」「あなたのためを思って」「今からでも間に合う」「責めているんじゃない」「手伝ってあげるから」
顔を見れば向かっていって、朝でも夜でも放課後でも食堂でも教室でも、彼らに声をかけ続けた。
顔を見かけなくても学園内を捜索して、ランドルの友人が一人でいても声をかけた。
シャーリーに習って、協力者たちも必死になって自分なりの言葉で彼らを説得した。
何度も何度も繰り返し繰り返し。
言っている側もうんざりするほど、けれどもとてもきれいな言葉を使って、折れない姿勢を示し続けた。
そうして彼らは改心――ではなく、あっけなく退学していった。
そろいもそろって、学園でひたすら正論を説かれるストレスを発散するために派手に遊んで、派手に借金をして、派手に全員いなくなった。
それから二週間ほどたったある日のこと、退学したランドルがシャーリーの元を訪れた。
教室での事件から、少し仲良くなったクライドと学園街の方へと向かって暇を潰そうかと話をしている時のことだった。
呼び出された相手の名前を聞いてクライドは「同行するよ、君の騎士になるんだ」と楽しげな様子だった。
クライドには聞かれなかったのでランドルとのことについて詳しく話をしていないが、クライドはきっと気にはなっているのだと思う。
そういうわけで、シャーリーとクライド、そしてランドルは寮の応接室に三人集まって話をすることになったのだった。
ランドルはシャーリーのそばにクライドがそばにいるのを見て若干の嫌悪感をしめしたが、それでも頭を切り替えるよう目をそらして、それから座ったまま頭を下げた。
「……まずは、君に酷い言葉を投げかけたこと、謝罪させてほしい。シャーリー」
「……」
「申し訳なかった。あのときの自分はどうかしていて、自分が正しいと思って疑わなかった」
頭を下げたまま、そうして申し訳なかったと言う彼は本当に、後悔しているように見える。
膝の上で握られている拳は、真剣さを表しているみたいで、シャーリーは静かにランドルの言葉を聞いた。
「私は、君の言葉が正しいとわかっていながら、それでも賢くうまく楽しんでいるのは自分だと思っていた。しかし、それは大きな間違いだった」
「間違い、ですか」
「ああ。ある程度のことまでは許されるだけであって、許容されている訳ではない。いざという時にそれが足を引っ張ることもあるし、周りの人間も同じようにしているからと言って大丈夫だという保証はどこにもなかった」
「……」
「だから実際に……どんどんと遊びは苛烈になっていってお互いに足を引っ張り合って、私たちはここにいる限り許されていた自由を失って、それぞれ危機に瀕している」
ランドルは頭を上げてそう言った。
「……私も学園を落第するような人間を他家へと嫁がせることなんかできない。君との信頼関係も壊れているのだろうと両親から言われて……跡取り令嬢の君との婚約すら危うい」
謝罪に来た理由は、厳しい彼の両親に不信感を持たれ、地位が危うくなったからということだった。
「ただ、父と母には決断は待ってもらっている。私は確かに愚か者で、間違いを犯した。しかし……君との信頼関係すらなくなった訳じゃない。それを君からも証明して欲しいんだ」
「……それは、なぜ?」
「君は……私のことをわかってくれているだろう? だって君はずっと私のことを見捨てなかった。ずっと声をかけて、私が考えを改めるのを待っていてくれた。それは、わかりきってることだ」
ランドルはチラリとシャーリーを見つめて少し笑った。
切なそうに、と言うか悲しそうな笑顔というかそんな感じだった。
自分は間違いを犯してこうなってしまったけれど、まだ大丈夫。
シャーリーがあんなに自分のことを気にかけてくれて更生させようとしてくれていて、シャーリーは自分にぞっこんなのだから。
そんな余裕が見て取れるような表情をしていた。
「いつだって気にかけて声をかけてくれただろう? それでも私は気がつかずに退学にまでなってしまった。けれど、こうなって初めて君の大切さに、正しさに気がついたんだ」
「……」
「シャーリー、これからは、もう間違えないようにする。私は君が大切だ。私を見捨てないでいてくれる君と、私はこれからもやって行きたい。もう二度とこんな間違いは犯さないようにする、だから――」
最後のお願いをしようとしたランドルの言葉を遮って、シャーリーはパチンと手をたたいた。
それから手を合わせたまま指先を頬に当てて小首をかしげた。
「わざとです」
「え?」
「だから、わざとなので」
「は?」
「口うるさくしたのも、あなたに正論をぶつけ続けたのも説教を繰り返したのも、全部、わざとで、ただの嫌がらせなの」
「…………は?」
ランドルは前のめりだった体を少し後ろに、引いてぽかんと口を開けた。
「だからとっくに見限っていたの。あなたのことなんて教室で私のことを笑いものにしたとき、この人はもうだめだって切り捨てたの」
「……」
「私を攻撃したのはあなただもの。私だってあなたを攻撃する。もちろん、悪いことはしたくないから、自分のできる範疇でのことをね」
「……」
「あなたたちが口うるさく言われたら、反発することぐらい知ってました。わかっててやったんだもの。このまま宙ぶらりんで同じ学園に残ったままあなたみたいな人と将来結婚するなんてまっぴらごめん」
「え、え?」
「だから、度が過ぎるように仕向けた。正論で後ろから小突き続けて崖から飛び降りるように仕向けた。それだけです」
シャーリーはニコニコしたままランドルにネタばらしをした。
隣でクライドは感心したような顔をしている。
「そういうことなので、改心なんて必要ありません。謝罪も、後悔もいりません。もうとっくに見捨てていたのだから信頼もなにもありません。そんな無駄なもの結構です」
「……」
「あなたのご両親は厳しい方たちですから、退学したあなたを見捨てるでしょう。それも知ってました。だから忠告したのよ」
「……嘘だろ?」
「嘘だと言って欲しいんですか? その方があなたにとって都合がいいものね」
「……」
「本当のことです。嘘偽りなく、陥れたわ。でも、あの行動をあなたは愛情として受け取っていた。ならばそれを受け入れる選択肢もまたあったはず。無視して私を裏切り続ける選択をしたのはあなたで、自爆したのもあなた」
シャーリーはニコニコするのをやめて、ふうと息を吐き出し、静かな声で告げる。
「私はなにも悪いことはしてないの。ただ、こうしてそれを頼りにやってきても、なにも意味はないと言うだけで、あなたはもう手遅れと言うだけで、ね?」
「っ……は、は?」
「あなたへの信頼の証明なんてしない。あなたがそれでどうなるか知りませんけど、手なんて貸しません。あなたが私にしたことを思い出してください。ないがしろにして、笑って、寄り添ってくれたこともないのに私がするわけないでしょう」
「…………嘘だろ?」
「本当です」
「嘘、だって言ってくれ」
「できかねます」
「は? こんなこと、あり得ないだろ。嘘だろ?」
「……」
「嘘だって、嘘だ……」
ランドルはあまりのことに現実逃避を始め、嘘だ、嘘だとつぶやくだけだ。
彼はどうやらシャーリーの愛情と手助けを確信していたらしく、それが命綱だったらしい。
突然すでに命綱は切れていたと教えられた彼は、まるで死んでいたことに今気がついたばかりの幽霊みたいだった。
もう詰んでいて手遅れで、シャーリーにはそのうち関係がなくなる。
なので、どうでもいいので勝手に立ち上がって応接室を後にした。
寮監に話をすれば、もう学園の生徒でもない彼は早々に追い出されて、顔も見ないうちに婚約解消の話が告げられたのだった。
クライドはなにを考えているのかよくわからない人だった。
けれども基本的には優しく、少し素っ気ない態度ではあるものの、美形で媚びない気高い雰囲気が一定の令嬢たちの心をわしづかみにして離さない。
そんな彼はランドルの一件の結末を確認してからよりシャーリーを選んでそばにいることが多くなった。
幸い、クライドを素敵だと感じている女性たちは、ニコニコしながらクライドを見つめるだけなので、嫉妬をされたシャーリーが酷い目に遭ったということもない。
シャーリーも不思議な人だけれど新しい友人を嬉しく思っていた。
そんな日々だったのだが、休日支度を終えて、待ち合わせ場所の談話室へと向かうとクライドは大きな花束を抱えていた。
こちらに気がついた彼は、それをつかんで「おはよう、シャーリー」と声をかけて押しつけるように渡した。
「っ、え、な、なに?」
「部屋に置いてきて、遊びに行くのに邪魔だもの」
「んえ、ち、違う。意味を聞いてる」
「君に婚約を申し込んだから、一応用意したけれど、よく考えたら町に降りるのにそんなものがあったら邪魔だって思ったんだよ」
「き、聞いてないです」
「言ってないから」
「…………」
どうやら、その抱えるほど大きな花束は、クライドが思いつきで用意して、それからやっぱりいらないかと思い直して乱暴に渡された祝いの品だったらしい。
祝いの品というかプレゼントだろうか。
婚約祝いのプレゼント、彼との婚約。
その話だって聞いていない、彼は侯爵家の出身だ。伯爵家の跡取りのシャーリーの元へと婿に来るなんて妥協もいいところだ。
せっかく魔法使いになるための学園に通っていて、卒業すればもっといい結婚の話が舞い込んでくるはずだ。
それなのになぜ、シャーリーなのか。
どういう意図なのかまったくわからない。
「……」
「面白そうだから。君に興味があるんだよ。それに少なくとも、気に入ってる。好きなときに触れられる方がいい」
「は、はい?」
「それよりほら、行こう。新しい店なんだから早く行かないと混んでしまうし」
「強引、と言われませんか」
「そんなのいちいち覚えていないよ。……それとも、私みたいな人間を君は好きになれそうもない?」
手を取られて、驚きのあまり返すと彼は、ふと少しだけ悲しげな表情をして聞いてきた。
その言葉は真剣なものであり、クライドなりの配慮のように見えた。
そしてその言葉に、肯定で返せばきっと婚約の話もなくなるだろうと思う。
きっとクライドは人に嫌な思いをさせてまで自分を突き通すほど、自己中心的な人間ではない。
しかし、シャーリーだって唐突すぎて困っているだけで、簡単に握られた手が、大きな花束が嬉しくない訳なんてない。
気分が変わって乱暴に渡して、早く遊びに行こうとするところもクライドらしいと言えばクライドらしいのだ。
だから、いろいろと考えるべきことやうだうだとした悩みなんかもある。
しかし、シャーリーはぐっと彼の手を引いて、それから言った。
「う、嬉しい! 嬉しいけれど、私もあなたが嫌いではないし、むしろ好きです。好意はある」
「そう」
「でもだからこそ、もらい物は大切にしたいですから、少し待ってください。侍女にきちんと部屋に飾らせて、婚約についても両親から話が来てから改めて対応します」
「そっか」
「はい。それで、できるだけ急ぐ、ので。待っててください。私も楽しみにしてたの」
「わかった」
そうクライドに告げて、一つずつ処理してから彼と休日を過ごす。
いつも通り楽しい日々で、両親から婚約の話が来て、彼とやっていこうと決意を固めたのだった。
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