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New myth【ニューミス】  作者: キンキン。
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新たな神話

―前書き―


貴方は魔法、超能力、異世界、こんな部類の非現実的な現象を信じますか?


 こんな事を言われれば大抵の人間は鼻で笑うか、唖然とするか、同情の念を抱くか。

 要は”信じない”だろう。


 何故一方的に”有り得ない”と言い切る事が出来るのだろか。


 人間の脳について現時点で判明しているのは約20%である。


 これは長年の研究を元に研究している一部の人間が理解している事であって、自分達の様な一般人は1%もわかってないのではないだろうか。


 ならば何故自分の事さえも僅かしかわからない人々は、非現実的な事柄を”無い”と断言するのか。


 人間は解らない事、自分にとって不利になることを遠ざける傾向がある。


 それなら子供心を思い出し、”あるかもしれない”と思う方が楽しいはずだ。



 と、考えた僕は未熟ながらも小説を書くという、自分にとって未知の行動を起こしてみる事にしました。



 ローファンタジーからどうやってファンタジーに持っていけばいいのか悩む今日このごろですが<魔法のような物>や<神のような者>が登場してくればきっと、……きっとファンタジーな物になってくれると思ってます……>< 


 処女作なので何かアドバイス的なものがあれば是非お願いします!


ちなみにナレーターがコロコロ変わるので付いていけないかもしれません。それでもいいという方は是非読んでいってください。



PS・・・誰もが「こいつ……初心者だ……」とわかる駄文ですが、きっと少しずつ成長できると思います。生暖かい目で片頬を吊り上げながら読んでくれると嬉しいです。


「な、んで……、ねぇ!! 起きてよ!!」


 カーテンの隙間から僅かに光が差し込める、7畳程の部屋。ドアから左周りに勉強机、テレビ、ベッド、箪笥(タンス)、クローゼットと壁にそって設置してあり、真ん中に木で出来た丸いテーブルがある。何処にでもある勉強部屋。


 ただ一つ異常な光景があった。


「起きてよ……っ!!」


 まだ幼い少年は起きたばかりなのか、寝たり無いといった表情で大きな欠伸をしながらその部屋に入った。目を擦りながらベットの上で静かに寝ていた青年を揺する。間の抜けた声で朝になったことを口に出しながら揺すっていると、まだ覚醒してない少年の脳が何かおかしいと警戒音を鳴らす。


 その青年は固かったのだ。


 次第に強く揺する少年は先ほどまでの寝起きの表情や間の抜けた声から一変して幼い表情に焦りが見え始める。揺らせば揺らすほど硬く、そして黙っていると聞こえるはずの吐息が聞こえない。それをピンポイントで理解しているわけではないのだが、本能的にわかってしまうのだ。


 そして、冷たかったのだろう。


 見ているだけなら寝てる様な青年。触ってみれば冷蔵庫に保管されていたような異様な肌触りが少年の手のひらから体温を吸い取って行く。


 青年を揺する少年の声が家中に響き渡ると下の方からダンッダンッと荒々しく階段をのぼる音がする。


 そんな音にも耳を傾けず、次第に溢れ出す涙を拭うこともせず、ただひたすらに真っ白な髪の毛をした青年を揺する少年。


 ギシギシ、ギシギシ、ギシギシ……、少年が力強く揺するたびに空しくなるベットの軋む音。それを遮るかのように半分だけ開いていた部屋のドアが勢いよく全開する。


「何ごっ、と……」


 何事だと言いたかったのだろう。半開きのドアを勢いよく全開にしたがたいの良い老体が言葉に詰まった。がっしりした体を隠しきれない茶色い和装のはかまをはおり、丸坊主頭の老人は真っ白な髪をした青年と、それをゆする涙ぐんだ少年の後ろ姿をみて何かを感づいたように口を一文字に閉ざし険しい顔で少年と青年を見つめた。


 揺する力を少しずつ弱めた少年はゆっくりとドアにいる老体を見るため首から体をドアの方向へ回し、涙から鼻水まで垂れ流しただらしのない顔で老体の目を見た。


「なぁじいちゃん……教えてよ、兄ちゃんが動かな―――」


 キュルルルルルルと音がなる。まるでテープが早送りされる様な不協和音。




「―――んで……、何で兄ちゃんが……っ」


 不意に通常起動した映像。


 ゆらゆらと立ち上がる少年は何かを呟きながら、まだ涙を流していた。


「だって病気なんてなかったもん……、いつもいつも笑ってたのに……、昨日だって!!」


 呟く少年はみるみるうちに目が血走り眉間には何本ものシワができる。その顔はもはや少年という言葉を使うのが躊躇われるほど冷たく、そして熱かった。


「昨日だって一緒に勉強して……いつもみたいに教訓を教えてくれて……」


 強く、強く握りすぎた拳の隙間からポタポタと規則正しく真っ赤な水滴を落とし、少年の両手の真下には小さいが底の見えない赤に染まっている。


「……誰が、誰かが……」


 次第に低くなっていく声は変声期を迎えてない少年から出る声とはまったくかけ離れている。低く唸るような、呻くような声で呟く少年の顔を見た老体は固唾を呑みこみ目を見開いた。


 「……カタ……」と静かな音を立てたのは少年の足元。そこにはさっきまではなかったはずの木箱がおいてあった。とても古い木で深い茶色になっている、どちらかと言えば黒に近かった。しかしそんな事にも気付かず、少年はじいちゃんと呼んだがたいの良い老体を見据えている。


「教えてよ、……じいちゃん……っ!」


 そこで何かが弾けるような耳障りな音が室内に響きわたる。調子の悪いマイクから出る超音波の様な音、黒板を爪で引っかく時に出る細く尖った音がこの部屋にいる二人の耳を突き刺した。


「ぐっ……これは、まずいっ……」


 そしてがたいの良いの老人が危機感を全身で感じた時、「カタ、カタカタ……」と少年の足元にあった古い木箱が動き出す。まるで何かが中で動いているかのように控えめな音を立て続けていた。


「……? これは……」


 その音に気付いた少年は足元で動く木箱を見つめる。控えめな音なのに、今すぐ開けろと言われているかの様な緊迫感が少年を動かした。疑問を感じることもなく体が動くままに少年はその木箱の(ふた)に手を掛けた。


「っ!?」


 その瞬間、木箱は音もなく消え去り蓋に触れていたはずの少年の手には『刃の無い刀の柄』をしっかりと握りしめていた。


 少年はその刃のない刀、柄を握りしめた瞬間、糸の切れたマリオネットの様にぱたりと倒れる。その顔はさっきまでの憎悪を現した顔ではなく年相応の少年の寝顔だった。のに関わらず老人は焦りを表に出し多きな声で少年の名前を呼んだ。


「―――」


 キュルルルルル……。


 キュルルルルル……。


 早送りされ、早送りされ止った映像に映るのは。



「くっ、ふはは……あああああはっはっはああ!!」


 倒れながらも笑うのは刃のない刀を握る少年。右手、右腕、刃のない刀を握る左手、左腕、腰、右足左足。次々に取り付けられる糸に引かれるように、むくりむくりと起き上がる。床に柄を握った左手と両膝を付けながら右手で顔を鷲掴みし、それでも隠し切れない口は両方に引かれ裂かれたように右手の両脇から見える。


「くっくく……ふっ、ふはっ、あははは!」


 こみ上げる歓喜を堪えるように、しかし堪えきれず笑う少年。


「……ふ、封印を……」


 その狂い笑う少年を見ていた40台後半の片耳が無い男性が必死の思いで言葉を漏らす様に口を開く。いつのまにかこの部屋には真っ白な髪の毛の青年と狂い笑う少年と、茶色い袴を羽織った老人の他に40台後半の片耳が無い男性と、その後ろで顔だけ出して少年を覗き見る茶色い髪の毛の男の子がいた。


「封印……?」


 そう呟きながら笑うのを止めた少年は右手を床に付け立ち上がった。


「待ってよ……。僕だよ、わからないの? おっちゃん」


 さっきまで狂ったように笑っていた少年は、無垢な瞳を片耳の無い男性に向ける。


 それを聞いた片耳のない男性を無言で眉を寄せ腰を落とし、後ろに張り付く茶色い髪をした少年を後ろへ押した。


「っうわあ!?」


「下がっていなさい、海斗。 そして良く見ていなさい。 これが我等鬼使の役目です。」


「でも父様! 相手はゆ―――」


「見ていろっ!」


「っ……」


 納得がいかないという顔をするが飛び出したい衝動を少年ながらに堪える海人と呼ばれた茶色の髪の少年。


 そんな光景を眺めていた刃のない刀を持つ少年は静かに横たわる白髪の少年を無表情で眺めていた。


「わしは補助をする、頼むぞ弦護(げんご)


「勿論です。我が一命にかけ―――」


「もしもーし、この俺様を無視して話すとはいい度胸だな?」


 弦護と呼ばれた片耳の無い男性を遮り、ふてくされた口調で遮る少年。


 その目は死んだ魚の目、しかしその口はピエロのように弧を描く。


「ああ、うるせえ。俺との契約は成立したっつってんだろが!! あ!? だから俺が代わりにっ。 あああああああうぜええ!!」


 そんな矛盾な顔をしていた少年が右手で顔を鷲掴みにしながらどこかに向かって話し出す。


「ったく、おうおうテメーら、自己紹介がまだだったな。」


 ギロリと三人を見据えニヤりと歯を見せ右手を腰につけると、首の骨をならしゆっくりと口を開く。


「俺の名は……」


 固唾を呑む三人を前に余裕を見せ付ける少年は刃のない刀を眉間の少し上あたりに突き立てた。


「くくく……」


 笑いを堪えながら刃のない刀を握る左手を腰の横へと戻し、スッと腰を落とすと体を猫背にし顔だけを前へとむける。


「っ……。伝承通り、ですね……」


 目を見開く弦護は悔しそうな口調で言った。


 少年の眉間の上は一文字に裂けていき、むくりと膨らみを持ったのだ。


「ひゃあああっはっは!! 俺の名は破壊と再生の―――」



 ピー……ガチャ……、そこで画面は消えた。画面の光が消え真っ暗な空間に声だけが響いた。


「……くくく、何度見ても飽きないなぁ。おいしいなぁ……、っあはははは!!」




 これは悲劇の一ページ。ここから始まったのか、もっと前からなのかはわからない。しかしこれが一つの分かれ道となったのは言うまでもないだろう。


 少年がどの道を歩むのか、それによって出来る新たな道と消える道。


 しかし少年は前へ、前へと歩き出す。

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