後日談ーⅲ
「セルシア騎士団の連中も、王宮内の掃除は積極的に手伝ってくれたのですがね。その間にもクレイセス殿は王都中の新聞記者を集めて、ガゼル長官とサンドラ長官に、ユリゼラ様のレジエントでのお働きを語らせたのです。単身指揮を執られた美姫の話は、翌日には一斉に広まりましてね」
ニヤニヤと話を聞いていたハーシェル王は、あっさりと言ってのける。
「俺は人望のない王だからな。出来た妃がいるのだから、なりふりなんぞ構わず妃の人気にのっかるさ」
そうはおっしゃるけれど、つまりは、うしろ盾のないユリゼラ様に、民衆というこれ以上ないうしろ盾をご用意なさったという訳だ。
これは多分、クレイセス様がというよりは、王様の指示だったんじゃないのかな? クレイセス様が単独でなさったとしても、不思議ではないけど。
ちなみに、後宮廃止宣言をされた王様だけど、そこはやはり「わが娘を妃に」と来る貴族はいて。「ただのねぐらでいいなら、いくらでも用意してやろう」と答えた話は有名だ。つまり、「通う気はない」ということ。
わりと最近の話だから、これはわたしでも知っている。
この話が女性たちの間で人気を博して、ハーシェル王もご自身の一途さでもって、民衆からの人気は高い。ついでに即位式のときには、出回った似顔絵から、王都の中では「あら、この人」「うちによく来てたあいつじゃないか」みたいな親近感でもって迎えられたそうだ。
王様、どんだけ城を抜け出してたんだろう……
「お前は本当に、愚痴が多いな」
あきれたように言うハーシェル王に、
「だいたい後宮の廃止を宣言するなど、あのときの予定になかったではありませんか!」
と、当時を思い出したのか頭を抱えて言った。
そこは王様強行だったのか。すごいな。
「たまには言わせてやったらどうだ? お前が突っ走ってるときは裏方実際大変なんだし」




