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Ⅴ ハーシェルーⅴ

「っ」

 言われて、ハーシェルは口を(つぐ)む。


「王都から姿を消したお前を、長官たちは心配して捜索していた。このくそ忙しいときにそれでも、だ。手紙が届いて安堵はされていたが、どこに落ち延びたのかまでは書いてなかった。ここでお前に会えて、どれだけ安堵していたと思う? 王都に戻れと言うことがどれほど残酷なことかは十分わかっている。だから彼らは強くは言わない。しかしだ。もうお前しかいないんだよ、直系の王族はな」


 シンの言うことに、反論できる余地は一つもなかった。ただ、当たり前のことを言われているだけだ。


 そう、自分は、彼らに、甘えている。


「レア・ミネルウァは、約束の地だ。王家の血筋にしか王冠を渡さない。お前が王として立たないなら、次がどうなるかわかるか?」


「次……?」

「すでにフィルセインは暴虐の王を討つという名目でいくつかの城を落としているな。そのフィルセインを止めるために、戦う意思がない貴族も兵を挙げねばならない。しかし兵を挙げれば王位に執着ありと見なされる。……血筋で一番近いのは、クレイセス様だ」


「──っ」

 言われて、ハーシェルはすぐに貴族の家系図を思いめぐらす。フィルセイン公爵家は先代の王弟が婿に入った。対してアリアロス家はクレイセスの母・テラが、現王の妹。そしてそういった血筋だけで言えば。


「まさか、サンドラも……?」

 ハーシェルの視線をふいっと逸らし、シンは肯定した。


「担ぐ声はあると聞いている。伯爵家の出ではあるが、母上はテラ様と同じ王妹だ。彼女の上にも、王冠は乗るだろうと」


 自分がいない間に、これほど事態が動いているとは思わなかった。しかも、まったく望まぬ方向に。


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