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法司者  作者: ひとひら
18/26

みんな

「んんっ……」


 俺は苦しさで目を覚ました。

 部屋の中は、真っ暗だった。

 見ると狭いベットには、サーシャ、シーレさん、そして涼ちゃんがいた。


(大丈夫だった、みたい……だな)


 俺はその寝苦しさが心地よくて、安心して……また、眠りに就いた。


 ――翌朝。


「ファ~ッ! ……みんな、おはよう!」


「流射芽さん!? おはようございます!」


「マイマスター!」


「おはよ……」


 俺は上体を起こして、それぞれ部屋の中で身形を整えている皆のことを見渡した……今までで一番、良い朝だ。


「流射芽さん。体の調子は、いかがですか?」


 サーシャ、シーレさん、それに涼ちゃんが心配そうに俺を見る。


「アチコチまだ痛いけど、大丈夫! ……シーレさんと涼ちゃんは、大丈夫?」


 シーレさんが大きく頷き、涼ちゃんは右の親指を立てる。


「よかった」


 □


「大丈夫そうでぇす」


 直ぐにサーシャがクリルさんを呼びに行き、彼女が容体を診てくれた。

 メルティナと楓ちゃんも駆けつけてくれ、皆が安堵の表情を浮かべている。


「それにしても流射芽さんて、不思議な力をお持ちなんですねぇ……」


 興味津々といった様子のメリルさんに、「裁判官ですから」とだけ答えておいた。


 そして――


「サーシャ、シーレさん、涼ちゃん……本当に、ごめん。危険な目に遭わせてしまったこと、申し訳なく思ってる……」


「マイマスター、気になさらないでください」


「謝罪無用……」


 サーシャが二人と視線を合わせると、頷き、俺に言葉を掛けてくれた。


「流射芽さんは、何事においても失敗しないと思っていらっしゃるのですか?」


「え? ……いや、そんなことは……」


「私達、少し話し合ってみました……流射芽さんから、そう言うふうに思って頂けることは、とても嬉しく思います。わざわざ別の世界からお越し頂いて、凄く頑張ってくれていることにも大変感謝しております……けれど、私達は互いに協力し合って事に当たっています。決して流射芽さんにだけ、責任を押し付ける積りなんてありません。自分の出来ることを粛々と熟して、足りない所があれば互いに助力して補い合う。それが当然であり、全てだと思っています」


 そうして最後に、お役に立てなかった私が言うのもなんですが、と、少し悲しそうにして微笑んだ。


「みんな……ありがとう。 ……あの、これからも……よろしくお願いします」


 俺は、一人一人、皆の顔を真っ直ぐに見てから頭を下げた。

 すると皆は俺に歩み寄り、優しく抱き締めてくれ、そして、


「私は流射芽さんの担当本です!」


「何処まででも、お供いたしますぞ!」


「阿呆《ぉ兄ぃちゃん》の専属書記官……」


 と、それぞれ心のこもった言葉を掛けてくれて、俺はその温もりに笑顔と一緒に涙を溢していた――。



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