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幼馴染と妹様

「……はぁー」


自室のベッドの上で大きく溜息を漏らし、天上を仰ぎ見る。

階下からは鈴莉と天音の楽しそうな話し声が聞こえ、何ともいえない心情だ。

それもそのハズ。既に家事を終え、風呂にも入り、残すは就寝だけなのだが。俺の脳は何かを忘れている気がしてならない。


──コンコン。


靄を晴らすべく一人物思いに耽る俺の心をこじ開けるかのように、ドアが叩かれた。鈴莉か天音かの何方かだろうが、俺に何の用があるんだ……?

その疑問も、すぐに解決する事となった。


「あのー、部屋割りを決めたいんですが……」


「……あぁ、そうか」


ドアの向こうから聞こえる天音の言葉に、コナンが事件解決する時のピーン(語彙力どうした俺)っていうようなのが走った錯覚に陥る。

……そうだ、部屋割りだ。何でこんな簡単な事を忘れていたんだろう。


「今行くよ、下で待ってて」


多分、疲れているんだな。

そう思いながら、足早に階下へと向かっていった。




コップに入れた三人分の麦茶を食卓に並べ、俺は天音へと問う。


「で、部屋割り……だな?」


「ですです。お姉ちゃんが決めたいって言ったので、ついでにお兄ちゃんも呼びました」


「……そうか。それでお前は何時から『お姉ちゃん』なんて呼ばれるようになったんだ? 鈴莉」


「え、私が頼んだんだよ? だって天音ちゃんは妹だもん」


コイツはホントに……。と呆れを全面的に出してみるが、当の本人は何処吹く風だ。楽観的だなー、何時も。

そうして流れるように鈴莉の隣へと座り、天音と向き合うような形になる。


「だが、我が家には三つも部屋は空いてないぞ?」


「とりま、そこは天音とお姉ちゃんで相部屋、お兄ちゃんが一人──でどうです?」


「いや、それは止めといた方がいいぞ……?」


「え、何故? いいじゃないですか、相部屋」


「いや、そういう意味じゃなくてだな……」


語尾を濁し、隣に座っている鈴莉へと僅かに視線を向ける。

未だ頭上にはてなマークを浮かべる天音だが、それは鈴莉の危険性を知らないからだ。

その為にも、俺の過去談を総動員してコイツの危険性を伝えねばならない。


「コイツは、あまりにも寝相が悪すぎるんだよ。しかも三十分に一度のペースで頭の向きが真逆になり、あまつさえベッドから落ちる始末だ」


「酷くない!? 確かに寝相悪いけどさっ!」


叫び、俺の身体を揺すってくる鈴莉を無視して、更に、と俺は続ける。


「さっきのスキンシップを見たろう? アレを昼夜問わず見る事になるが?」


良いのか? と視線で問う。

……実は、コイツと数十分だが話してて分かった事がある。それは──天音が酷く初心だ、という事だ。


俺たちが昔からしてきたような軽い手繋ぎでさえドン引きの視線を送り、かと言って顔は赤くなってるとかね。

早々に耐性を付けてもらわないと、こちらが余計に気を使うからハッキリ言って迷惑極まりない。目の毒だ。


「すみません、やっぱり一人部屋でいいです!」


「分かったならよろしい」


と天音が頭を下げたところで、結果は決まったな。


「俺と鈴莉で相部屋。で、天音は一人な」


となると、


「鈴莉はその荷物を持って、二階の俺の部屋。天音は……どうするか。空き部屋が無いんだよねぇ。あったとしても、一階の和室だな」


「あ、その件に至っては、天音はそこで大丈夫です。心配いりません」


「え、でも備え付けのお布団しか無いよ? だいじょぶ?」


流石のこれには何時もニコニコしている鈴莉も動揺を隠せない様子。

だが天音は飄々と「大丈夫ですよー」、を連呼するだけ。

……まぁ、そこまで言うなら大丈夫なんだろう。天音の中ではな。


その後。ムダに張りきった鈴莉が階段を上る途中でコケておでこを強打したという事件もありつつも、部屋割りは無事に終えられた。


そして天音は自室になる和室を一瞥してから、「ちょっとお出かけしてきます」と言い残して外出していった。

公園での出来事が起きないかと心配したが、本人曰く「大丈夫」との事なので、深く詮索はしないでおいた。


さぁ、いよいよ鈴莉との相部屋生活が始まったワケだが。

現在進行形で鈴莉と一緒に一つの毛布で寝ているワケだが、この件について、一つ、物申したい。


──寝苦しい。


だってさぁ、弩級戦艦並のお胸様が腕にむにゅりとまとわりつくんだよ?

更に鈴莉が寝相が悪いモノだから、余計に寝られない。


幸には不幸が付き物。学習したな。

だが俺はこの生活を変えようとは思わない。だって、今のままが居心地いいもの。



~to be continued.

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