元無気力少年の日常Ⅳ
「早見、この前拾った新人どうなってる?」
「1年後にはかなり育ってると思いますよ。なにせ僕がついているので」
「1年か……最近めぼしい新人がいないから出来るだけ早くな。そういや早見、お前の見る目は確かだって事で、今度から三次選考までやってもらう事になってるからな」
どうやら早くも出世らしい。
「新卒とは思えないよな、お前って」
「え?なにがですか?」
「色々出来すぎだろ。すでに二人の担当してて、見る目もある。しかも同じ会社に可愛い彼女まで……」
「月夜とは付き合ってませんけどね」
「え?そうなのか?」
「昔フリました」
「お前なんであんな美人を……」
「さあ?僕にもわかりませんね」
「私としては彼女、もしくは嫁で通しておいてかまわないのだけれど」
「僕としては事実を捏造する女とは付き合いたくないのだけれど」
食堂にて。やはり同じ会社では会う確率が相当に高いようだ。
「それはそうと忙しい編集が仕事中に恋バナとはいい度胸ね」
「恋バナ?違う。ただの日常会話だ」
「つまり日常的にそんな会話をしてるのね」
「僕から始めることはないがな」
「貴方がそんな会話をするようになれば瑞乃ちゃんが悲しむんじゃないかしら?」
「……悲しむほど、僕の事を覚えてないだろ」
(昨日予約投稿してると思ってたけど出来てなかったなんて言えない……)




