元無気力少年の日常Ⅲ
「はっきりいって、このままじゃダメです。これをそのまま世に出して売れる確率はゼロと言っても過言ではない」
「え、ぇぇ……」
「まずストーリーを鍛えましょう。どんな話でもいいし、どれだけ短くてもいいので、必ず小説形式で1日に1つ僕に話を作って送ってください」
「は、はい……」
まずこれを2カ月やらせる。そこからだ。話が作らなきゃ話にならない。手っ取り早く鍛えるなら、数多くこなすのが一番だ。頭をほぐすのだ。もともと無常がそうだった。だが思いのほか人気が出たのでストーリーを作った。1話完結を、捨てて出来たのが今のこれである。
さらに文章力を鍛える名目も含めて小説形式で書かせる。そして、毎日書く癖をつける。
その次のステップも考えている。
そう、次はゴミのようなストーリーでもいいので長編を書かせる。そうだな、目安としては12万字くらいだろうか。
ちなみにこれは全部受け売りである。
ある編集者は言った。売れる作家と売れない作家の違いは、続けるか続けないかにあると。
癖をつけ、常に書く事を意識させる。さすれば小説に取り憑かれたように日常生活のごく一部でも次の一文を頭で組み立てているだろう。
そしてステップ2。
ある小説家は言った。最も成長を実感出来るのは長編を書き上げたときであると。
成長の実感。これは大事だ。誰しも目に見えた結果がなければ不安になるだろう。
例えばどれだけシュートの練習をしていても、ゴールがなければ正確に蹴れているかは分からないという話だ。
「では、今日はこれで」
席を立ち、玄関まで送る。
自動ドアの前に着く直前に彼が叫んだ。
「あ、あの!もしかしてあそこにいるのは華型先生ですか!?」
「ああ、華型さんも最近シリーズ完結させたから担当さんのとこに来たんじゃないかな。編集者って忙しいから作家に来てもらう場合もあるんだ」
「じゃあ早見さんも?」
「いや、部署の決まりで担当のついた作家は一度ここに来てもらうことになってるんだ」
「そういうのいいですね!きっと作家志望の人達は編集社に憧れを抱いていると思いますから……」
無論、そんなことはわかっている。僕も相当に憧れた場所だった。夢の地でもあるが。
「では、また」
「はい!また!」
元気な子だったな。社交辞令はちゃんとわきまえているし、扱いやすそうだ。
あれは将来大物になるだろうなと思い耽る。
……瑞乃がこの世界にいれば、今頃どうなっていたのだろう。きっと大ヒット作を連発してるんだろうな。
まあ今は瑞乃よりあの子の事だ。
あの子が育つまで、最低半年、最高無限。この間に 出来ることは何だろうか。
「嫁でも探せばいいんじゃないかしら?」
僕も一編集、相当に忙しい。
「そんな暇ねーよ」
眠気のままに書いたので誤字多発してたらごめんなさいです




