愚かにも、僕は。4
酷い、有様だった。
本当に。
『早見読は文芸部全員と肉体関係を持っている』
そう書かれた黒板と、クラスメイトの視線。
ヒソヒソと、色々な噂が飛び交っている。
曰く、女子が六人の部活に男が一人いる時点でおかしい、とか。
曰く、早見の家に文芸部全員が入っていくのを見た事がある、とか。
読君と月夜ちゃんが作った部活に、羽衣ちゃんや私が入ったのだし、今は春野もいるので、二人だ。(新入生だからあまり関係ないかもしれないが)さらにもう彩理ちゃんはいない。
それは私たちが無理矢理止まっただけだし、留美ちゃんが常に目を光らせていた。
だが、経過を知らないものにとって、結果は全てだ。理由など、ただの言い訳である。
それよりも、読君にこの現状を知られるわけにはいかない。
羽衣ちゃんから聞いた話が、本当ならば。
扉の上部についているガラスに、見慣れた顔が映った。
「水上さん。行くわよ」
月夜ちゃんに声をかけられ、扉に向かう。一足先に私が彼の服を掴んだ。
ひとまず部室に連れてくる。月夜ちゃんはこうなると予想していたので、あらかじめ再来先生に連絡していたそうだ。
で、読君を部室に置き、私達は生徒指導室へ。初めて入った。
既にほかの3人も来ていて、席についている。
1限のチャイムが鳴り響く。
「何があったのか説明してもらおうか」
再来先生が口を開く。
私達は答えることが出来ない。普通なら、違うと言うのだろう。しかしそんな事は先生もわかっている。私達が何もしていない事は、先生も知っている。
でも、それを証明する方法が、無い。
「のの君」
羽衣ちゃんから言葉が発せられた。
「のの君が何かしたんだと思う……中学生の時も色々してた、から……」
泣いている。
「読に、色々、してた、から……」
息は途絶え途絶えで、苦しそうだ。
「そのたびに読は一人になっていって……」
そうだ。
読君は、初めからああだったわけではない。
ああなったきっかけは2つある、と。いつか羽衣ちゃんが言っていた。
小学校、中学校時代にひとつずつあると。
小学4年生までは活発な少年だったそうだ。
休み時間や放課後には必ず友だちと遊んでいたらしい。
でも、変わった。周りが。
それでも少しは友だちが居た。中学生になる頃には、少ないながらも仲がいいと言える人が居た。
中学2年生。春野ののが入学してから、周りの読君を見る目は、問題児への視線へと、変わっていった。
そこまでくるともう取り返しはつかずーー無気力少年、早見読が出来上がった。
次から少し過去編入ります。
この作品は僕が好きなように好きなものを書いています。
なので、僕の大好きな鬱展開も当然出るわけでして( ^ω^ )




