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それにより、私は。1

 それは、突然の出来事だった。

 朝早く、と言っても僕は起きていたのだが。

 佐原から電話が来たのだ。

 それも、やけに興奮しているようで、声は上ずっていた。

「早見君!!金賞とっちゃった!」

 それを聞き、僕は呆然とした。

 だって、金賞ってラノベの賞の事だろ?


「えへ、えへへへへへ」

 満面の笑みだった。

 よほど嬉しいのだろう。僕が知っている範囲でも結構頑張っていたからな。

 時は2月の下旬。百人一首大会からしばらくが経ち、もうすぐ卒業式があるので学校が騒がしくなっている。

 ちなみに佐原が取ったのは、半年前の賞だ。受賞の連絡を受けた直後という事はまだ公の場には出されていない情報だと思うが、まあ僕とかの身近な人間に伝えるぐらいは良いのだろう。

「それでね、なろうで書いてた小説も出版するんだぁ〜」

 幸せに満ちた人間というのはまさにこんな感じなのだろうという風な佐原。

 この時は、これからこいつは幸せに埋もれるのだろうと思っていたが、まさにこの時、佐原はあんなに思いつめていたなんて考えもしなかった。


「彩理ちゃんおめでとう!!」

 部室にいつものような静けさは無く、ガヤガヤとしていてとてもじゃないが読書に集中なんて出来ない。

 もっとも、僕も祝いの席で本を読む程薄情な人間ではないのだが。

 いや、クラスメイトの誕生日の時とかは普通に読んでたな。ごめんよモブ君。

時間というものは過ぎるのが早く、受賞の知らせを聞いてから1週間、つまりもう春休みとなるのだ。

「ところで読君、春休みの部活はどうするのかしら?」

 そうそうそれそれ。その話をしようと思ってたんだよ。

「さっき再来先生と話して来たんだけど、春休みは部活無しだ」

 まあ、冬休みも無かったし、部活が無いからってこいつらなら無理矢理にでも会いに来るだろう、どこがで顔を揃えるだろうと思っていた。

 だが、佐原の顔が曇ったのを僕は見逃さなかった。

 読心術とはそんなに便利な物では無く、無意識の行動などから大まかな考えを読むだけのものなので、佐原が何を思っているかなんてわかるはずも無い。

「じゃあ今日で最後なんだね、部活」

 佐原はすぐに笑顔を取り戻し、笑う。

 だがそれは酷く空虚で悲しげで、儚い笑みだった。

 それはおそらく月夜も感じただろう、内に秘める佐原の負の感情の起伏だ。

「まあ、今年度はな」


 春休みである。

 小学生は宿題とか無くていいね!僕は宿題だらけだよ。

 我が家では愛しの妹留美が唸っていた。

「お兄ちゃん、私が暁学園行くって言ったらどうする?」

 そうか、マイラブリーシスターもついに受験生か。ちなみに暁学園とは僕たちが通う高校の名前だ。ここまでやってきて学校の名前がでてきてなかったりモブのクラスメイトが一人しかいなかったりする学園ラブコメって他にあるの?うん普通にあるよね。しっかりしろ作者。

 関係ないけど作者的にはもはやこれラブコメじゃねーだろって感じらしいぞ。

「お前の頭じゃ無理だ。諦めろ」

「酷くない!?私結構成績いいんだよ!?」

 僕は自分の感想を述べただけなのだが留美的には気に入らない回答だったようで怒られてしまった。

「あのバカ校で上の方でも世間からしたら何あのバカププッて感じなんだよ。ちなみに僕は小中と90点以下を取った事がないノー勉でな!」

 何故かムキになってしまい、留美は萎縮する。

 だがしかし。妹に現実を見せてやるのも兄の務めであろうから、僕は悪くない。僕は悪くないぞ。

「ま、そんな才能溢れる兄がいるんだ。なら、お前にも可能性はあるんじゃねぇの?」

 妹に夢を見させるのも、兄の仕事だと思っておく事にしよう。

3☆章☆突☆入☆(短い)

上の通り、3章は2章以上に短か以上です。

さてさて、ヒロインを増やしたのには理由があるのですが、1章が終われば用無しなのですよはい。(ちなみにまだそれについては言及していないので今後期待して下さい)

先に言います。最終章までに六人が三人になります。(予定)二人は決定してるんだけどもう一人消えてもあんま意味ないなってところで迷ってるんですよねェ。どっちにしろプロットを変える必要がないというのは素晴らしき。

これが……なろう作家の思考回路ですよ!(違う)

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