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学校の行事ってなんで存在するんだろうね。

 金かせ……コホン、文化祭に向けて冊子を作る事になり、水上(みずかみ)がプロットを作ってきた。

 不覚にも、それを面白いと思ってしまった僕だった。そして、初めて陽キャイベントを楽しみだと、思ってしまった。

 僕は、百人一首大会を除く(百人一首は文だから。文の成分が多いから!覚えれば簡単だしね?あれ)行事が苦手だ。読者の皆さんはもうお分りになっていると思うが。いや、あんなの参加する意味あるのかよって思ってしまう。

 まず、自分の作業量に見合う対価がないと僕は動かない。疲れるだけで何も残らないのになんで働かなきゃならない?社会人だって、給料貰えなきゃ働かないだろうが。ボランティア?地域貢献?なにそれおいしいの?

 ただ今回は、文化祭でなんらかの活動をすれば、売り上げを出せば(金が貰える=本が買える=働く』になる訳だ。それに、あんなに面白いプロットを見せられれば、僕が動かない訳がない。僕にとって一番価値があるものは、面白い本である。

 何かを楽しみだと思うのはいつぶりだろう。多分この前買った『掟上今日子の色見本』を買った時以来だな。まあ、そんな感じで、文芸部の文化祭に向けての活動が始まった。


「と、とても面白い……ね?」


 普段読書という読書を嗜まないというレベルじゃない羽衣(バカ)は、何も分かって無さそうな顔で汗だくである。

 いやお前面白いとか絶対思って無いだろ。そんな顔で言ったら水上が傷つくだろ馬鹿野郎。


「私もかなり面白いストーリーだと思うわ。後は作者の感性と語彙力ね」


 月夜が羽衣に対する皮肉交じりに水上を褒める。こいつが素直に誰かを褒めるとかかなり珍しいんだぜ?

 つまりこれがそれだけ面白いって事だ。まだプロットだけどね。水上、マジ神。これから水神と呼ぼう。読み方変わらねぇ。

 というわけで昼休み、特別棟2階廊下の突き当たりにある第3多目的室、または文芸部部室に、僕たち四人は集まっていた。ちなみに僕達一年生の教室がある西館からここは徒歩2分。

 いつもの机と椅子、本棚(本は僕と月夜が持ち込んでいる。)しかないその部屋の机の上には一台のパソコンが置かれていた。ちなみにUSBメモリもある。僕の持参だけどね、両方。


「みんな、家にパソコンはあるよな?」


 これが先日部活中の僕の問い。


「あるよ!」

「あります」

「ないわ」


 そして上記の文字が三人の解である。


 こんな感じで、月夜にもパソコンで書いてもらうためにこれからはパソコンを持って登下校する事となった。

 パソコンが無ければスマホでやれば良いのではないかと言う質問が出そうだが、僕と月夜は携帯端末を所持していない。持って帰る必要あるのだって?僕も書かなきゃいけないの忘れないでね。

 まあ、部室にパソコンがあるのはかなり便利だ。部室で電子書籍が読めるんだからな。僕、電子書籍とか買ってないけどね。

 さて、無駄話が長くなったな。ちなみに羽衣は家で書いてきて、ミスも多々あったがそれはまだ良いとしても、完全にプロットから脱線している。何処ぞの作者みたいに。

 何故あんなにも良いプロットがあそこまで酷くなるのか分からないというレベルの作品だった為、破り捨てた。(オールデリート)

 さて、本題に入ろう。


「とりあえず、このプロットを元にした小説を書く。そして、作者毎の違いをまとめた物を書く。こんな感じで、期限は三週間。印刷は全部で500部。うちの生徒の約半分。印刷室で行う。これからかなり忙しくなるから、頑張りたまえ。」


 珍しく再来先生が活躍している。カッコいいなぁ。そういえば最近結婚したらしい。女性(既婚者)に対してカッコいいと言うのはOKなのだろうか。


「すいません先生、男のにおいがするので消えてもらってよろしいでしょうか」


 自分は散々僕を襲おうとするくせにね、こういう時だけ男嫌いぶるんだよね。

 く襲われた事は無いから安心したまえ、月夜ファンの皆さん。僕は童貞で、月夜は処女だ。(本人の証言に基づく情報)いやどんな会話してんだよと思われるかも知れないがこういうのは基本向こうが勝手に言ってくるだけだ。僕に責任はない。

 これが普段の部活動。これが僕らの普通。これから、僕には地獄。

 まあ水神様が書いた小説が読めるので、文化祭は楽しみだが。

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