彼と『彼女』のマリッジライフ Part1
「はい。じゃあこのヒロインの性格を好感の持てる感じに直して執筆開始と言う事でお願いしますね」
私の担当の近藤さん。かなりのベテランで、デビューからずっと支えてくれている人である。
「あ、佐原さん。コミカライズ3巻、また重版かかりましたよ。」
「コミカライズ売れてますねー」
『戦線無双』は、私のデビュー作のタイトルとはかけ離れた学園ラブコメ。1年前に始まったコミカライズだが、これが始まってからの売れ行きがなかなか好調で、今やシリーズ累計80万部のヒット作となった。3巻でコミカライズは完結したのだが、未だに重版がかかるほどの人気を得ている。ちなみに完結した理由は原作のストックがなかったからである。悲しい。
ところで、80万部と聞いて、なんだ、あんまり売れてないじゃないかと思うかもしれないが、コミカライズも合わせて8巻でこの売り上げというのは一巻約10万部売れている計算なのだ。金額に直すと、私は印税10%の契約となっているので、一冊あたり600円として、60×80万で約四千八百万円を稼いだ計算となる。
これだけの稼ぎを、6年で出したんだぞ私は!向こうラノベじゃないからなんとも言えないけれども瑞乃ちゃんは3年で500万部売れたって言ってたよ…あぁ、才能が欲しい。ちなみに私は高校2年の時にデビューしました。
今23歳で、結婚もしている。人生において勝ち組と言っても良いだろう。
さあ、今日も旦那の待つ愛しの我が家へ帰ろう!
私の夫は働いていない。
と言うのも、結婚した一年前の時点で私が十分に稼げるので、「じゃ、俺家事やるわ」となったわけである。
そんなわけで、我が家のフローリングは今日も綺麗。きゅっきゅ言うほどに。いや、それは言い過ぎか。
「お帰り、彩理」
優しい笑顔で迎えてくれたのは、正真正銘私の旦那、早見読である。
机の上にはやけに豪華な料理が並んでいた。
「どうした、今日は結婚記念日だぞ」
その言葉で、読者の皆様も思い出して欲しい。さっき、結婚は一年前って言ったよね?うん、ぴったし一年。私?忘れてるわけないじゃん。
それでは、全ての食材へ愛を込めて、
「いただきます」
追伸 リア充爆発しろ♪
by作者
と言うわけで、佐原ルートでした。
本編からみたパラレルワールド的な感じです。
明日は誰ルートを書こうかな?
読者の皆さん!ブクマ30もありがとうございます!とても励みになります!
それでは、いつか再びランキングに乗る日を夢見て、(せーの!)リア充爆発しろぉ!




