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文芸部と沖縄旅行。4

 まあ、色々あり二日目も終わりかと思われたのだが、部屋に戻り数秒、暗闇に溶け込む人の気配を感じた。小さくため息をつく。目が慣れてきて、視界の先には七人ほどの人間と、箱が見えた。

 人間は間違いなく我が文芸部員達なのだが、箱?

少しの静寂と、長い沈黙。その末に、一段と小柄な体が飛び出し、電気をつける。

 目がチカチカする。まあ、問題はないだろう。普通の事だし。

 一番始めに目に入ってきたのは、プレザントボックスだった。それでピンときた。ああ、今日はクリスマスか、と。


 と、言うわけでクリスマスパーティーをすることになった。僕はプレザントを用意していないので、ダッシュで買いに行かされた。事前に言っとけ事前に。ちなみに僕はコンビニで適当にマフラー買ってきた。

 そして全員に緊張が走る。そう、誰のプレザントが自分に回ってくるかがわからないのである。完全にランダムだ。月夜のやつとか絶対に引きたくないぞ。そうだな、佐原あたりが一番無難なラインだろうか。

 さあ、お待ちかねの開封タイムだ。

 始めに、留美が叫んだ。ああ、僕が買ったマフラーか。喜んでいるようで何より。

 次に箱を開いたのはカンナだ。ほう、文房具一式ときたか。佐原だな、多分。欲しかった。

 少し間が開き、水上が箱に手を伸ばした。お、『君は月夜に光り輝く』ではないか。月夜かな、月夜だな多分。昔自分の名前がタイトルに入っているという理由で買っていたからな。案外、まともなものを持ってきたみたいで安心でござる。

 続いて動いたのは佐原だった。佐原がとった箱の中には、謎の鼻眼鏡。羽衣か。羽衣なのか。そういえばこいつ『ニセコイ』好きだったな。何故にるりちゃん枠を取ったのだろうか。佐原リアクションに困ってんじゃねえか。

 視界を横切った手は、羽衣のものだった。動物のヘアピンと来たか。うん、留美ちゃん、自分のお下がりをクリスマスプレゼントにしないようにね。後でお説教だね。

 すらりとした長く、白い腕がひっそりと箱を掴む。月夜である。月夜が選んだ箱には、オカリナが入っていた。何故オカリナ。たしかに安価で手に入れる事も可能だが。感じ的に七峰のものだろうか。

 いつのまにか七峰が抱えていた箱には、何枚かの原稿用紙が入れられていた。こんなのするのは水上ぐらいだろう。羨ましい。後で僕のと交換しようぜ。

 残った僕の箱には、何が入っているのだろうか、どうでもいいな。割愛。うん、あれは公開しちゃダメなやつだから。同じ理由で誰のものかも割愛するかな。文句言われそうだけども、いやだってあれはねぇ?

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