無気力少年の非日常。
「羽衣ーっ!」
「カンナーっ!」
馬鹿と馬鹿の感動なんて全く無い再開。
「何故貴方の家に幼女がいるのかしら?」
その横でかのヤンデレ女王様は怒りのオーラを出していた。
そのまた横には俯いた小説の天才。
忘れかけてたけど、ラノベ作家志望の人もいた。
今、僕の置かれている状況を表すならば、修羅場。そう言うのが正しいのだろう。どうしてこうなった。
ことの発端は昨日の部活の時間まで遡る。
「諸君!1月15日が何の日か知っているか?」
「No.」
再来先生の問いかけに答えたのは月夜だけだった。ちなみに僕も知らない。
「部費の振り分けの会議の日だ!部員七人以上の部活動の部長が集まって、部費の振り分けを決定する会議だ!」
「それこの部活アウトじゃないですか」
月夜の言葉に、コクリと再来先生は頷く。
「ふふふ。私が何を言いたいのかわかったな?部費が欲しいなら部員を三人程増やしてこい!」
そんなこんなで、部員の勧誘が始まったのが昨日。
そして今日の朝、僕達はとある人を訪ねた。
無論、それがラノベ作家志望の人こと、佐原彩理だ。
「彩理ちゃん、文芸部に入らない?文化祭のおかげでお金いっぱいあるから、色んな本読めるよ!」
水上のこの説得で、佐原は入部する事になった。本人曰く。
「文化祭の時から、入ろうかどうか迷ってたんだよね。だから誘ってくれて嬉しかった!」
だそうだ。
ちなみにあのお金はまだもらっていない。集計中だそうです。
と、言うわけで、残り二人。
部活が終わり、僕は思い出したように言う。
「羽衣、この後空いてるか?よかったら僕の家に来て欲しいんだけど」
羽衣はその言葉に晴れやかな笑顔で、興味をしめした。
「行く!行く!」
「今のはどういう発言かしら。」
月夜がどす黒い声を出した。ゴゴゴゴと言う効果音が似合いそうだ。
結局、文芸部の全員が僕の家に来ることになった。(何故だ)
そして冒頭に戻る。
羽衣とカンナは百合百合しているし、月夜は超サイヤ人になりそうな勢いだ。
水上は相変わらず下を向いている。(裏)が出そうで怖いんですけど。何を言われるかわかったもんじゃない。
佐原はベッドの下を探っている。あの、エロ本探しとかマジでやめてもらえません?ないから。そんなのひとつも持ってないから。
コホン、とわざとらしい咳をする留美。それに僕を含め全員がいやお前いたの!?って感じで振り向いた。
「えー、はい。羽衣さん以外が来る理由がわかんないんですけど。こんなに大勢の人に来らると迷惑なんですけど。ご飯とか作るの大変なんですけど」
どうやら留美の中ではこいつらがご飯を食べて行く事は確定らしい。
誰もそんな事は言っていないのに。
「ご飯作るの、私も手伝いましょうか?」
水上は、そっちについて触れた。突っ込む場所が違うぞおい。
「着替え、どうしようかしら」
なんか泊まってく気の人がいるなー(棒)
「兄のを着ればいいんじゃ無いですか?」
「その手があったわね」
そんな手はありません。妹よ、余計な事をしないでくれ。
誰か、誰か僕に救いを!
誰か、誰か僕にネタを!




