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三等星の願い。9

 カチコチと月夜の腕に付けられた時計がなる。今はちょうど日の出のころだろう。

 月夜が僕の閉じ込められているこの部屋に入ってから、半日は優に過ぎている。


「あなた、少しは私の考えを理解しようという気にはならないの?」

「ならないな。理解しているつもりでいて、実のところ微塵も分かっていなかったってのに最近痛い目にあったばかりだからな」


 そういうと、月夜は押し黙った。

 ずっとこの平行線で、何一つ話は進まない。僕は自分の意見を変える、もとい月夜の言いなりになるつもりはさらさらないし、月夜も今回ばかりは折れてはくれないだろう。交わらない人間同士が話していても交点は永遠に生まれないし、ただ、時間の無駄になるだけである。


「交わらなくてもいいのよ。ただ、考えをお押し付けるだけなら、ね」

「いつのまにそんなに性格悪くなったんだお前……」

「あら、私は初めからこれくらいの性格の悪さは保っていた気がするのだけど?」

「少なくとも去年はもうすこし僕に配慮してくれていたな」

「ほかの女になびく男にする配慮は乙女にはないのよ」


 掘り返すんじゃない。そろそろ僕泣くよ?泣くよ?いいの?


「むしろあなたの涙は珍しいか今すぐにでも泣いてほしいのだけど」

「心を読むな。あとスマホを僕に向けるんじゃないカメラを起動するな。そして泣く前から連写してんじゃねぇ」


 ストーキング能力こと先読みは健在かよ。少しは衰えろ。


「あなたと対峙するにあたって少し勘を戻してきたのよ」

「お前は本当に何がしたいんだ……」

「叶うならあなたと(自主規制)して(自主規制)して(自主規制)したいわね」

「とりあえずお前だけ運営にBANされて来い」


 ここは健全な場だ。自主規制とか使ったら作品と僕らの命が危うい。


「ところで前回かなり強引に終わらせてさっさと話し進めようぜ的な雰囲気を醸し出したくせに今回私とあなたのグダグダした会話で一話を終えようとしているのはどういうことかしら?」

「僕に聞くな。作者に聞け、作者に」


 そもそもこの作品がグダっているのはいつものことだ。僕に非はない。


「まあ、次回こそ私とあなたの喧嘩が始まることを願って今回は終わりましょうか」

「流れが完全にゆっくり実況のそれなんだが大丈夫か?」


「ご精読、ありがとうございました!!この作品が良ければ、ブックマーク、評価、よろしくお願いします!!」

「完全に実況者じゃねぇか」

「そういえば、近々私たちがゆっくり実況デビューするらしいからそちらもよろしくね」

「そんな話、僕は微塵も聞いてねぇぞ……」


 まあ、この程度はいつものことだが。


「とりあえず読くん、一つだけ言っておくわ」


 先ほどまでとは大きく変わって、月夜は言った。


「今度は、私の手で、あなたを殺す」


 その戦線布告に僕は、すっかり黙ってしまった。

お久しぶりです。近々新作も投稿するので、魔女ものがお好きな方はどうぞそちらも。


PS.腰が痛い

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